【書評:2156冊目】仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方(吉田幸弘)

【リーダーに必要なのは”余白”と”余裕”である】
人財育成コンサルタント・吉田幸弘氏が、『仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方』と題して、今の時代のリーダーだからこその時間術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

いつも仕事が速くて尊敬するな。
そんなイメージを持つリーダーとは、どんな人物を想像しますか?

 

本書は、時間効率の良いリーダーと悪いリーダーの特徴を対比させながら、「ヒューマンスキル」と「感情のコントロールスキル」を軸とした、今の時代のリーダーだからこその時間術を指南する一冊。

 

仕事の速いリーダーとは、仕事の流れに常に注意し、流れが悪くならないように柔軟に対応できる人。
個人的には、このようにおもいます。

 

・承認や決裁、判断が滞って仕事の流れが停滞する
・感情的な言動による指示の二転三転で部下を混乱させる
・部下との信頼関係を築けず、認識違いから仕事が進まない

 

このようなことは、残念ながら多くの職場で今日も起こっていることでしょう。
だからといって、「仕方がないこと」「自分は悪くない」としてしまっては未来はありません。

 

目標を達成するため、縁あって下についた部下の成長のため、リーダーは努力し続ける責務があります。
もちろん、リーダーであるアナタは「そんなことは分かっている」とおっしゃるでしょう。

 

と同時に、「そんなことは分かっている・・・”けど”」と、”けど”の続きが口に出ることでしょう。
そう、『時間が足りないんだよ!』というセリフです。

 

現代のリーダーは、プレイングマネージャーと言われるように、「プレイヤー」と「リーダー」の役割の両立を求められる場面が非常に多いです。
したがって、慢性的に『時間が足りない!』という恐怖に、感情を支配されがちです。

 

しかしながら、そんな過酷な現代のリーダーの中でも、仕事が速い人(結果を出す人)はたくさんいます。
ということは、速い人と速くできない人を比較することで、なにか大事なヒントが得られそうですよね。

 

ここに着目してまとめあげられたのが本書です。
両者の特徴を対比させながら、いかに『仕事が速く、部下・会社から認められるリーダー』となるか。

 

ここに役立つ、52個のリーダーの時間管理術が学べます。
どれも、著者の3万5000人を超えるリーダーへの指導を通じて、効果や評判のよかったものばかりを厳選したとのことで実用性も高いものに仕上がっています。

 

目指すべきは、「余白」と「余裕」を使いこなすリーダー像。
ぜひ、52個の時間管理術を実践しながら目指してみてください。

 

忙しさを感じさせずにいつも余裕のあるリーダーは、部下としても安心感が違いますよね。
心構えとコツによって、あなたがそのリーダーになることができます。

 

◆流れをスムーズに。

仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方
吉田幸弘 あさ出版 2025-1-28
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■【要約】15個の抜粋ポイント

リーダーは手帳に余白を残しておきましょう。
手帳を真っ黒にしようとして「やる必要のない仕事」を作り出すのはおかしな話です。
リーダーが暇であるのはチームによくない影響があるのではと思うかもしれませんが、「非常事態に頼りになる」「よく相談に乗ってくれる」「決裁などを早くしてくれて案件を止めない」といった3点が確保されていれば、部下は信頼してくれるものです。

 

「いつまでにやる」ではなく「いつからやる」と開始日を決めてしまいましょう。

 

非常事態に陥ったときは、次のように対応しましょう。
(1)「怒っても何かが良くなるわけではない」と心の中で唱える
(2)自分自身にも部下にも「落ち着こう。二次被害を出さないためにも」と唱える
(3)「損害を最大に見積もったらどのくらいの大きさか」を測定する

 

日々のストレス解消法としては、「アクション映画を観る」「音楽を聞く」「ぼーっと東京タワーのライトアップを見る」「好きなカフェラテを飲みに行く」などもいいでしょう。
大切なのは、「その日のうちに」「その場で(遠くまで行かなくてもいい)」「1人で」できる解消方法を見つけることです。
飽きがこないように複数の案を持っておくといいでしょう。

 

最初の1歩を仕組み化し、それだけでいいからやってみる。
メンバーには、まずやらせる。
これがリーダーの仕事です。
なお、リーダーは「メンバーのモチベーション」を上げなくてもいいですが、下げないようにだけ気を遣いましょう。
上げることはリーダーだけの力では無理ですが、リーダーが要因で下がることは防止できるからです。

 

会議できるだけ参加人数を絞り、それぞれがそれぞれの仕事をすることで、効率的に仕事が回り、結果として、リーダーも会議の負担が減るのです。

 

部下には気づけない視点を持ち合わせてアドバイスするのがリーダーの仕事です。
リーダーはコンドルの視点、つまり、自分自身の視点とともにお客様視点、会社視点というように、常に複数の立場の人の視点を持つように意識しましょう。

 

部下に仕事を依頼する際は、「なぜその仕事をあなたにお願いしたいのか」と部下視点で頼むようにしましょう。

 

メールの内容の重要度を意識するよりも、「トラブルを防止する」「相手の気分を害さない」といったマイナス点だけ避ければいいと考えて、受信日時順に対応しましょう。

 

仕事が速いリーダーは「誰が言ったか」よりも「意見の内容」を採用の判断基準にします。

 

本来部下が判断すべき仕事にはリーダーは関与せず、任せましょう。
そして、リーダーは本来の「リーダーの仕事」に時間をかけましょう。
そうすることで部下が主体的に動くようになり、チームも成長します。
勇気を出して割り切りましょう。

 

「悩む」とは仮説が描けないために思考が停止している状態で、「考える」とは、何らかの仮説を持って、その検証に向けて行動している状態です。
部下を「悩む」という状態にしておくのは時間のムダです。
自分で考えるのはいいことのように思えますが、「悩む」の状態では前に進めないのですから先が見えません。
リーダーとして、部下には「考える」への切り替えを早めにしてもらうことが必要です。

 

無理に嫌われる必要はありませんが、好感度よりも部下の成長を重視すること。
結果的に部下の仕事のスピードは上がり、仕事を任せられるようになります。

 

極論を言うと、人間力を持ち、人との信頼関係を構築するのが上手でありさえすれば、多少スキルがなくてもそれを補うことができるのが、リーダーの仕事であると言っても過言ではないくらいです。
そして、この人間力を学べるのが古典なのです。
著名な経営者の方々の多くが『論語』『孫子』といった古い中国古典や、欧米の古典『自助論』『君主論』などを読んでいます。
人として生きていくのに大切な「人間力」や人間関係を構築していく力は不変なものだからです。

 

偶然、出会った人から大きく影響を受けることがあるように、本との出会いから大きな影響を受けることがあります。
俯瞰的な視点が必要なリーダーだからこそ、いろいろな本と縁をつくっていきましょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2153-1】「いつからやる」と開始日を意識して予定を立てる

【2153-2】その日のうちに1人で解消できる「ストレス発散法」を複数用意する

【2153-3】特に経営者の間で読み継がれているような古典はくり返し読書する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方
【著者名】吉田幸弘著者情報
出版社あさ出版
【出版日】2025/1/28
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードリーダー働き方指導力
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 リーダーにはリーダーの時間の過ごし方がある
第2章 自分の心を整えることで時間を有効活用する
第3章 集中力を高めるタイムコーディネート術
第4章 会議こそ、工夫次第で時短ができる
第5章 時間をムダにしない資料作成術
第6章 コミュニケーションツールはルールで時短を図る
第7章 適材適所でチームを運営することでムダな時間がなくなる
第8章 部下とのコミュニケーションで仕事時間が変わる
第9章 自分を成長させる時間術

 

▼さっそくこの本を読む

仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方
吉田幸弘 あさ出版 2025-1-28
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吉田幸弘さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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