【書評:2155冊目】最高においしいコーヒーの淹れ方(ジェームズ・ホフマン)

【本格派のコーヒー学入門書】
コーヒー業界のレジェンド/ジェームズ・ホフマン氏が、『最高においしいコーヒーの淹れ方』と題して、豆や器具の選定から最高の一杯を抽出する秘訣まで、コーヒーの世界の魅力を解説する一冊。

■書籍の紹介文

コーヒーをもっと楽しみたい。
そんな願望をお持ちではありませんか?

 

本書は、その一杯の時間を”極上のひととき”とするためにも、理解しておいてほしいコーヒーの知識や考え方、そして、最高の一杯を抽出する方法までを解説する一冊。

 

「コーヒーを本格的な趣味にしていきたい!」。
そんなコーヒー好きの人にとって、コーヒーの奥深さを再確認する機会となる本です。

 

雑誌やWEBのコーヒー特集のような感覚で手を出すとビックリされるでしょう。
卸問屋や珈琲店などの専門家が欲するような、”専門書”という言葉がピッタリなほど重厚な内容です。

 

「まるでワインや盆栽の世界と一緒じゃないか」。
読んでいるなかで、何度もこう思いました。

 

それくらい奥が深く、かけようと思えばいくらでもお金をかけられる世界だということを思い知ります。
一方で、ここまでしてたどり着く”(自分にとっての)至高の一杯”の味を味わってみたい、という好奇心を駆り立てられました。

 

朝の一杯、出来上がるまでのあの匂い、抽出される一滴一滴を見つめると感じる”整う”あの感覚。
コーヒー好きなら誰でも共感するであろう、あの瞬間のワンランク上を目指すためにも。

 

ぜひ、チャレンジしていただきたい一冊。
コーヒー文化を守り育てるためにも、身につけておきたい”教養的コーヒー学”が学べます。

 

◆たかがコーヒー、されどコーヒー。

最高においしいコーヒーの淹れ方
ジェームズ・ホフマン SBクリエイティブ 2024-12-21
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

コーヒーはおいしくて多様なだけでなく、心に活力や刺激を与えてくれる魅力的な飲み物なのですから。
できれば、コーヒーにお金をかけるようお勧めします。

 

味のよいコーヒーを淹れるには、(略)、初めのうちは、すっきりした味の軟水を使えば問題ないでしょう。

 

グラインダー(ミル)には2種類あります。
バーグラインダーとプロペラグラインダーです。
プロペラ式は、挽きたての香りは楽しめるものの、残念ながら有用性は高くありません。
(略)
バーグラインダーに買い替えることを、本書で唯一、いちばん強くお勧めします。

 

初心者向けのミルにはセラミック製の刃が付いていることがよくありますが、いまでは金属製の刃のミルも多く出ています。
低価格でよいものが欲しいなら、金属製のものにしましょう。

 

コーヒーをよりおいしく淹れる最短の方法は、飲んでみて、自分の好きな味や嫌いな味の根本的な原因を知ることです。

 

おいしいコーヒーの喜びはその味にありますが、それがどのように構成されていて、なぜそれほど美味なのかを理解すれば、さらに楽しくなります。

 

いちばんお勧めしたいのは、ときどきまずいものを食べたり飲んだりすることです。
まずいコーヒーはどこでも手に入りますし、自分が淹れたり飲んだりするコーヒーに期待する基準をリセットしてくれます。
この世の美しいものが見えるようにするためには、醜いものも少しまわりに必要なのです。

 

コーヒーのテイスティングを学ぶこと、つまり、コーヒーの味を理解し分析できるようになることはわりと簡単ですし、間違いなく大きな満足感を得られます。
最短の時間で最大の効果が出る、ぴったりの方法が一つあります。
比較テイスティングです。

 

挽いた豆の約70%は不溶性なので、1回分をとことん抽出してもやはり出し殻が残り、使用後に捨てることになります。
水に溶けた成分がコーヒーのフレーバーをもたらすのです。
理論上、最大抽出率はコーヒーの粉の約30%と考えられていました。

 

極浅煎りには沸騰した湯かそれに近い湯、中煎りには90〜95℃の湯、深煎りには80〜90℃の湯をお勧めします。

 

抽出に使う湯の温度が高いほど、挽いた豆から可溶性のフレーバーがよく抽出されます。
温度が低いと、一部の酸やその他の化合物が抽出されず、酸性度の低い1杯になります。
そのため、胃酸の逆流といった消化器系の問題が起こりにくくなるよう、意図して淹れられることも多いです。
抽出温度を低くすると、フレーバーにも大きな影響があります。
コールド・ブリューの特徴である、チョコレート風味の強いまろやかな味わいを楽しむ人も少なくありません。

 

コーヒーを通る水の流れを遅くし、抽出されるフレーバーを多くしたいなら、細挽きにすればいいのです。
同じように、水の流れを速くするには粗挽きにします。

 

コーヒーが思いどおりにならない泥沼にはまっているのには、おもに二つの理由があります。
(1)グラインダー内に残る粉
(2)グラインダーをどれくらい調節したらいいかわからないこと

 

大切なのは、使うコーヒー豆の焙煎度に応じて抽出温度を変えることです。

 

みなさんがコーヒーの道具にお金をたくさんかけるつもりなら、楽しく使ってもらいたいのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2155-1】いままでより1ランク上のコーヒー器具に挑戦してみる

【2155-2】コーヒー豆専門店に足を運んでみる

【2155-3】気に入ったコーヒーの味があったら豆の成分を確認する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】最高においしいコーヒーの淹れ方
【著者名】ジェームズ・ホフマン
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2024/12/21
オススメ度★★★★☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養食生活自己対話
【頁 数】224ページ
【目 次】
1 おいしいコーヒー豆の買い方
2 おいしいコーヒーに必要なもの
3 コーヒーのテイスティング
4 おいしいコーヒーの淹れ方
5 アイスコーヒーとコールド・ブリュー
6 おいしいエスプレッソの淹れ方

 

▼さっそくこの本を読む

最高においしいコーヒーの淹れ方
ジェームズ・ホフマン SBクリエイティブ 2024-12-21
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

ジェームズ・ホフマンさん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る