【書評:1501冊目】ティム・クック(リーアンダー・ケイニー)

【天才が残した、新たな時代の天才】
ジャーナリスト/リーアンダー・ケイニー氏が、スティーブ・ジョブズ亡き後、アップルをさらなる高みへと押し上げた天才CEO、ティム・クックの出生から現在までを紐解く一冊。

■書籍の紹介文

ティム・クック。
どんな人物か知っていますか?

 

本書は、世界を魅了し続けたカリスマ経営者、スティーブ・ジョブズ亡き後のアップルを率いているCEO、ティム・クックの出生から現在までを紐解く一冊。

 

時代の大きな流れに合わせるような”交代劇”。
ティム・クックのストーリーを読んで、このように感じました。

 

一般的な生存率を大幅に上回る期間、病と戦いながら、世の中を魅了し続けたジョブズ。
その寿命が尽きるのに合わせるように、アップルを襲ったさまざまな法や国家、倫理との戦い。

 

その戦いに挑んだのがティム・クックです。
ジョブズが存命で辣腕を振るっていたら、法や国家との戦いは世界を揺るがすほど大荒れになっていたことでしょう。

 

ティム・クックは、こうした戦いを巧みに攻略し、アップルをさらなる高みへと導いています。
まさに時代の大きな流れに合わせるような、完璧な交代のタイミングだったと感じます。

 

さらに、凄いと感じる点。
それは、ジョブズもクックも、この交代がわかっていたように思えることです。

 

世界一価値のある企業の価値を、さらに高める新たなカリスマCEO、ティム・クック。
その人物像を知るのに、またとない機会となるでしょう。

 

寡黙の裏にある静かなる激情。
ジョブズとはまったく違った魅力をまとっています。

 

◆天才が残した、新たな時代の天才。

ティム・クック
リーアンダー・ケイニー SBクリエイティブ 2019-8-22
売上ランキング(公開時):3,041
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「自分がなれるのは、自分自身だけだということを理解しています」と彼は続けた。
「私は最高のティム・クックになるよう努力しているのです」
そしてそれこそが、彼の成し遂げたことだった。

 

今日の彼は、どのような種類の人種差別をも決して許さず、経過途中ではあるが、アップルがより人種的に多様な場所になるよう働きかけている。

 

社会から軽視されているマイノリティグループに対するクックの支援は、彼が南部の同性愛者として育った経験が生かされたものである。

 

IBMでの最初の仕事を通して、クックはJIT(ジャストインタイム)生産の複雑さを学び、その知識は後に、アップルの製造プロセス全体を徹底的に見直す際に活用された。

 

2013年、デューク大学で行われた同窓会で、クックはこのように語った。
「倫理について考えるとき、私はある物事を、それを発見したときよりも良い状態で、後に残すことを考えます。そしてこのことは私にとって、環境への配慮から、労働問題を抱えるサプライヤーとの付き合い方、製品の二酸化炭素排出量、何を支援するかという選択、そして従業員の扱い方まで、すべてに関わることなのです。私のすべての言動は、この考え方がもとにあるのです」。

 

クックは分析的な考え方をする人物だったが、スティーブに出会ったときから彼の熱意とオーラに畏敬の念を抱いていた。
「スティーブとの最初の面接が始まって5分後には、不安や論理的思考を放りだして、アップルに加わりたいと思いました」と彼は語った。
「アップルに加わることは、創造の天才とともに働く一生に一度の機会になるだろうと、私の直観が伝えたのです」。

 

クックは自社のオペレーションの大部分をアウトソーシングし、フォックスコンとのパートナーシップを強化するという前例のないことを行って驚くべき結果をもたらし、アップルの経営陣、特にスティーブ・ジョブズの注目を浴びることとなった。

 

クックはジョブズの残したものを生かし続けた。
多くの人の予想に反し、アップルはジョブズの死後も倒産することはなかった。
それどころかクックはアップルをさらなる高みへと導き、世界はそれに注目した。

 

大学でプログラミングを学んでいたクックは、子どもたちにコードを習得させることの重要性を熱心に語っていた。

 

ジョブズは誰が見ても、サプライチェーンが与える環境への影響に無関心だったが、クックはこの問題に真っ向から取り組むことを決意した。
こうしてアップルの環境へのアプローチは、180度変化することになった。

 

アップルのユーザーは、プライバシーを強く尊重する人物がそのトップに立っているため、Facebookと同じ方法で自分のデータが使用されていないことに確信を持つことができるのだ。

 

同性愛者であることで、より他者に共感することができるようになり、自分自身であることと、自分自身の道を歩むこと、そして逆境や偏見を乗り越える自信がついたとクックは語った。

 

クックは、変化が起こることに対して楽観的だった。

 

1兆ドルという評価額は、アップルがクックのもとで驚くほどの成長を遂げた証である。

 

クックは、ジョブズが健在だった頃からすでにCEOの仕事を任されており、彼が亡くなってからも同じ役割を果たし続けているのだ。
そしてクックはジョブズとは違い、アップルを経営するのに適した才能を持っている。
「多くの社員を抱え、多方面にビジネスを広げている巨大企業のCEOは、ゼネラリスト(多方面の才能を持った万能型の人物)である必要があります。つまりティム・クックは、この役職に最適な人物なのです。」

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1501-1】最高の自分になるよう努力し続ける

【1501-2】プログラミングの勉強をする

【1501-3】変化に楽観的になる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】ティム・クック
【著者名】リーアンダー・ケイニー
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2019/8/22
オススメ度★★★★☆
こんな時に他人の生き方に触れたいときに
キーワード生き方働き方リーダー
【頁 数】368ページ
【目 次】
第1章 スティーブ・ジョブズの死
第2章 アメリカの深南部で形作られた世界観
第3章 ビッグブルーで業界を学ぶ
第4章 倒産寸前の企業に加わる、一生に一度の機会
第5章 アウトソーシングでアップルを救う 第6章 スティーブ・ジョブズの後を引き継ぐ
第7章 魅力的な新製品に自信を持つ
第8章 より環境に優しいアップル
第9章 クックは法と闘い、勝利する
第10章 多様性に賭ける
第11章 ロボットカーとアップルの未来
第12章 アップル史上最高のCEO?

 

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リーアンダー・ケイニーさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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