【書評:1550冊目】勝ちスイッチ(井上尚弥)

【今日も自問自答をくり返しながら進む】
プロボクサー・井上尚弥氏が、『勝ちスイッチ』と題して、世界3階級制覇の絶対王者の”勝利への道”を紐解きながら、「結果の出る生き方」をつくる思考術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

井上尚弥。
この人物を、あなたはご存じですか?

 

本書は、「僕は天才ではない」と断言するボクシング世界3階級制覇の絶対王者が、目の前の勝利へ向かう姿を紐解きながら、「結果の出る生き方」をつくる思考術を指南する一冊。

 

どこまでも自分の世界を生きている人。
井上選手の人物像を、こう感じ取りました。

 

あたりまえのようでいて、自分の世界を生きるのは難しい。
わかっていても、”他人”が自分の世界に入り込んでくるからです。

 

もちろん、他人が悪いわけではありません。
しかし、自分の世界の主導権を他人に握られてしまうと、人生は混沌としていきます。

 

他人に振り回されたり、自分が出せなくなったり。
どんどんと生きづらい状況に陥っていきます。

 

では、自分の世界の主導権を自分で握り続けるためにはどうすればいいか。
それは、「打ち込める”なにか”を持つ」ということです。

 

井上選手の場合、それがボクシングなのです。
ボクシングに打ち込めているから、自分の世界の主導権を握り続けていられるのです。

 

なぜか。
ボクシングと向き合うことで、自分と向き合えているからです。

 

自分と向き合えているから、自分を見失わずにいられるのです。
『今日も自問自答を繰り返しながらバンテージを巻く』という言葉が、それを表しています。

 

このように書くと、「自分には打ち込めるものはない」と諦めてしまう人がいます。
それこそが、自分の世界の主導権が握れていない証拠だと捉えましょう。

 

どんな人でも、好きなことや続けていることが、きっとあるはずです。
そこに思いっきり打ち込んでみてください。

 

すると、主導権が自分に戻り、人生の充実感が変わってくるでしょう。
こどもが夢中になって遊ぶ姿のように。

 

自分が打ち込めるものを通した自己啓発書。
淡々と自分を語っているだけですが、背中を押される熱い一冊です。

 

◆熱きファイトに期待!

勝ちスイッチ
井上尚弥 秀和システム 2019-11-1
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■【要約】15個の抜粋ポイント

現在の僕の専属トレーナーでもある父は、「1万時間の法則」という原理をよく持ち出す。
(略)
僕の感覚からすれば、1万時間で天才になれるのならば楽なもの。
その1日8時間の中身がさらに問われ、限界までやったのか、考えながらやったのか、練習のための練習ではなく試合を意識してやったのか、が問題。
質の高い練習を毎日、1万時間以上、積み重ね、結果が出たときに、やっと天才の「て」くらいに言われるようになるのかもしれない。

 

これだけ練習をやってきても「まだできない」「そうじゃない」と納得できないモノがある。
そこに己との戦いがある。

 

自信のない状態、すなわち準備が不十分なままリングに上がったことは一度もない。
それが、「心を強くする方法」かと問われれば、そうなのかもしれない。

 

ゲンは担がない。
だが、道具へのこだわりはある。

 

あくまでも自然体。
ジムへ入ればオン。
ジムを出ればオフ。
朝のロードワークのため集合場所に集まればオン。
解散すればオフといった、ごく自然の流れの中で、それらの切り替えスイッチが作動している。

 

僕のポリシーは、「リング上のパフォーマンスがすべて」。
そこに付随する物語の必要性はプロとして感じない。
人生の苦労などない方がいいに決まっている。
井上尚弥のストーリーは、その足跡の後ろにできればいいのである。

 

特別な勝利の晩餐がある。
試合の翌日の早朝に、拓真、浩樹とラインで連絡を取りあって近くのコンビニに集合して食べるカップ麺である。

 

わかっているはずの”はず”が誤解につながることがある。

 

自分は自分、人は人。
他人と比べることをしなければ、誰かを嫌いになることなどないのだ。

 

強いパンチを打つための原理は一言では語れない。
「重心」「距離」「体重の乗せ方」の3つは、不可欠。
(略)
そして、ごく最近、つかみ始めたのが力任せにならず「足で打つ」という新感覚だ。

 

1ラウンドは、ある意味、互いに手の内を探っているから気持ちは楽。
だが、井上尚弥を経験し、感じた相手が、2ラウンド目から、どう出てくるかを考えるだけで、心拍数が上がる。
(略)
2ラウンドには魔物が棲んでいる。

 

最終的には、すべて井上尚弥オリジナルに変わるのだが、僕のテクニックのひとつひとつを分解して、紐解いていく作業を行えば、世界中の現役、引退を問わず、何十人もの名ボクサーの何かしらのテクニックに辿り着くのかもしれない。

 

正統派のチャンピオン像を貫きたかったのである。
そのスタイルが僕なりの美学である。

 

ボクシング人生のゴールは決めてある。
設定したのは35歳。
4月10日生まれの僕は2028年の4月に35歳になる。
その年で僕はグローブを吊るすことになる。

 

未来のことは誰にもわからない。
ただ未来を決めるのは自分自身の意思である。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1550-1】「これだけやった」と自負できるほど準備をする

【1550-2】一流のテクニックを真似、自分流にアレンジしていく

【1550-3】C&Kの「道」を聴く

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】勝ちスイッチ
【著者名】井上尚弥著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2019/11/1
オススメ度★★★★☆
こんな時に他人の生き方に触れたいときに
キーワード生き方自己対話最高の自分
【頁 数】280ページ
【目 次】
1Round 勝利スイッチ
2Round 決戦スイッチ
3Round 思考スイッチ
4Round 肉体スイッチ
5Round モチベーションスイッチ
6Round 最強スイッチ
7Round 未来スイッチ

 

この本が、あなたを変える!

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井上尚弥さん、次戦も鮮やかなKOを期待しています!!

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