【古今東西の哲学者が一堂に会した思想マッチ!】
代々木ゼミナール講師・畠山創氏が、『哲学者たちの思想、戦わせてみました』と題して、身近な悩みをテーマに、それぞれの主張を戦わせながら解決のヒントを探る一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
現在抱えている悩み。
どんなものがありますか?
本書は、古今東西の哲学者が一堂に会して、身近な悩みをテーマに、肯定派と否定派に分かれて主張を戦わせながら、解決策のヒントを探る一冊。
人が抱える悩みに、時代は関係ない。
そして、解決策にコレ!という正解もない。
哲学に触れるたびに、このようにおもいます。
人は、肯定的な思想と否定的な思想の間を、ぐるぐると回りながら歴史を紡いでいるのかもしれません。
だからこそ、今抱えている悩みに関しても、多くの先人達がすでに悩んでいるのです。
そして、悩んだなりに考えた解決策をギュッと凝縮したものこそが”哲学”なのです。
堅苦しい印象、読むにくい印象。
哲学書を読むというと、こういうハードルの高さを感じるかもしれません。
そういうときは、本書のような”軽い(良い意味で)”本から入るのがオススメです。
予備校講師らしく、ポップな図解テキスト形式で、学びやすく好奇心を刺激するつくりになっています。
答えが提示されているようで、モヤモヤが残る。
そんな哲学に触れると、「悩みを抱えている自分」を肯定できるようになります。
さらに、答えが出ないなら無理に出す必要はない。
悩みは悩みのままにしていてもいいのだ。
このように、前向きな気持ちというか心を軽くしてくれるのも哲学の良い面だとおもいます。
だから、あなたも今抱えている悩み、哲学にぶつけてみませんか?
◆ポップで楽しい哲学マッチ!
哲学者たちの思想、戦わせてみました
畠山創 SBクリエイティブ 2022-7-21
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■【要約】15個の抜粋ポイント
【問】出世はしたほうがいいのか?
○荘子の主張
老子の説いた「万物斉同」こそが本来の世のあり方であり、出世などに意味はない。
●林羅山の主張
人生の最終的な目標は「天人合一」にあり、そのために人が努力を重ねることで出世するのは道理にかなったことである。
【問】働かないのはいけないことなのか?
○老子の主張
自給自足の小さな共同体の中で、人間の作為を捨てて「無為自然」に生きるべき。
●カルヴァンの主張
すべての人間は神に与えられた天職をまっとうし、救いの確証を得ようとする。
【問】やりたいことって必ず見つけるべき?
○ディオゲネスの主張
とにかく自分が自足して動じない心を持つのが大切。やりたいことなどなくていい。
●サルトルの主張
人間は自身が自由に選択した行為によって、自分だけではなく全人類に対して責任を負う。何かの行為で社会に参加しなければならない。
【問】お金があれば幸せなのか?
○フロムの主張
「持つ様式」から「ある様式」へ考え方を変え、結果ではなく過程を重視すれば、平穏は実現できる。
●アダム・スミスの主張
幸福のためには、自身の平穏が必要。その平穏は主にお金によって実現できる。
【問】私はエッセンシャルワーカーで低賃金、トレーダーは1日で数千万。不平等では?
○アリストテレスの主張
能力に応じた富の配分がなされなければならない(配分的正義)。
●ロールズの主張
無知のヴェールの下で見れば、この世界は「明日は我が身」ばかりである。経済的不平等は、社会的に弱い人々の救済が行われた場合にのみ許容される。
【問】政府に不満があっても、税金を納めるべき?
○マルクスの主張
生産手段を国民が共有する共産主義は、搾取や階級の対立がない平等な社会を実現できる。究極的には、税金もなくなる。
●ロックの主張
政府は権力を信託されて、国民の所有権を守る。一方で、国民には納税の義務が生じる。ただし、ときの政府が信託に値しなければ、国民は政府を否定できる。
【問】死にたいと思うのは悪いこと?
○親鸞の主張
どんな人間もひたすらに阿弥陀仏を信じることでしか、極楽浄土には行けない。現世からの逃避を考えたとしても、それは大きな問題ではない。
●シュヴァイツァーの主張
人間にはすべての命を大切にするべき責任がある(生命への畏敬)。命を損なうこと、死を願うことは悪である。
【問】嫌なことから逃げてもいい?
○ヤスパースの主張
人生の大きな壁である「限界状況」の中で挫折をどう乗り越えるか、それこそが自己の実存を立証する道である。
●エピクロスの主張
苦悩からは遠ざかっていい。最小限の欲求を満たして、それによる快楽を享受しよう!
【問】前向きに生きたほうがいい?
○モンテーニュの主張
人間の不完全な理性で真理を知ることは難しい。自分の内面に目を向け、内省するのも必要では?
●ニーチェの主張
「なぜ生きるか?」ではなく「いかに生きるか?」。積極的な生き方を意識すべき。
【問】将来の不安に立ち向かう方法はある?
○エピクロスの主張
社会の利害から離れて、多くを持たない質素な暮らしの中で自足して生きることで、不安のない心の平静が得られる。
●ベーコンの主張
人間は自然法則を「帰納法」を用いて理解することで、ある程度は未来を予測でき、生活を豊かにすることが可能。
【問】生きる意味がわからない。そんなものあるの?
○ニーチェの主張
意味も目的もない世界の中で自己肯定を続け、運命のすべてを愛する超人を目指して生きるべき。
●イエスの主張
神の愛を信じ、神の国で救われることに希望を持って生きるべき。
【問】他人と比べて落ち込む。比べるのは悪いこと?
○サイードの主張
比べること自体は必要。ただし、そこに優劣を見出すべきではなく、差異は多様性として認められるべき。
●ベーコンの主張
比べることが嫉妬を生む。私たちは個々の生命を比べる必要はない。
【問】みんなと無理に仲良くしなくてもいい?
○和辻哲郎の主張
人間は独立した個人であると同時に社会的な存在でもある。なので他者との「間柄」は常に意識しなければならない。
●リースマンの主張
他者を気にかけ過ぎることは他者評価を基準にする「他人指向型」に陥りがちである。
【問】自己犠牲って本当にいいことなの?
○ブッダの主張
この世界は、相互依存的な関係性で成り立っている(縁起)。そこには自分の命を大切にすることも含まれるので、自己犠牲は勧められない。
●イエスの主張
自己犠牲は、究極的な愛の姿。
【問】人を疑うのは悪いこと?
○デカルトの主張
すべてのものごとを合理的に疑い、それでも疑いようのないものこそが真理である。
●ガンジーの主張
すべての人間を同胞として信頼し愛することで、ものごとは倫理的に解決することができ、真理が実現される。
■【実践】3個の行動ポイント
【1899-1】決断をするとき、自分の考えとは反対側に立って考える癖をつける
【1899-2】人の考えはそれぞれ違うことを忘れない
【1899-3】哲学書をたくさん読む
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】哲学者たちの思想、戦わせてみました
【著者名】畠山創
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2022/7/21
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】哲学、教養、考える
【頁 数】224ページ
【目 次】
chapter1 勉強・仕事
chapter2 お金
chapter3 心と体
chapter4 人生
chapter5 世の中
この本で、あなたは変わる!
哲学者たちの思想、戦わせてみました
畠山創 SBクリエイティブ 2022-7-21
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畠山創さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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