【書評:1789冊目】自分の<ことば>をつくる(細川英雄)

【「なぜ?」から”自分のことば”は生まれる】
早稲田大学名誉教授・細川英雄氏が、『自分の<ことば>をつくる』と題して、「考えていること」をいかに言葉にするか、自分のことばで語る力を磨く方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

自分の考えていること。
うまく”ことば”にして伝えられていますか?

 

本書は、「考えること」と「”ことば”にすること」のプロセスを解説しながら、自分の伝えたいことを自分の”ことば”で語る力を磨く方法を指南する一冊。

 

自分が考えていることを自分の”ことば”で語る。
あたりまえのようですが、よく考えると意外と難しいと感じるのではないでしょうか。

 

自分の”ことば”をつくるためには、2つのポイントがあると著者はいいます。
①自分の中にある”ことば”(考えていること)をどのようにして自覚するか
②どのようにして他者に伝える”ことば”(表現)にするか

 

この2つのポイントを軸に、自分が考えていることを自分の”ことば”で語るために必要なことが書かれています。
「考えること」と「”ことば”にすること」の間を行き来する感覚を学ぶことができます。

 

「考えるための”ことば”」と「表現するための”ことば”」。
この両方を理解し高めることで、『自分の”ことば”で語る力』が磨かれていくのです。

 

とはいえ、磨くことは容易いことではありません。
しかし、あきらめずに取り組むことで確実に力が向上するのも事実です。

 

自分が考えていることを探りながら、他者に向けて絶えず自分の”ことば”を発信していく。
これを愚直に続けることで、『自分の”ことば”で語る力』は伸びます。

 

ただし、間違った方法で磨くとなかなか力はつきません。
ぜひ、本書で適切なプロセスを学んだうえで伸ばしていきましょう。

 

◆自分の”ことば”で対話する。

自分の<ことば>をつくる
細川英雄 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2021-8-20
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■【要約】15個の抜粋ポイント

あなたが何かを表現しようとするとき、もっとも大切なことは、自分のテーマをあなたのことばで語るということです。
なぜなら、表現するということは、あなた自身を表すことであり、それはあなたにしかできないことだからです。

 

●自分のテーマを発見するための手順
オリジナリティ

興味・関心

問題関心

問題意識

自分のテーマ

 

まず、あなたは、自由でありたいと願い、その自由であるためには、自分の好きなこと、つまり興味・関心に即して、何かを考えることから始めることになるのです。

 

問題関心というのは、あなたが感じた「好き」が、いくつかの特定の問題に集約され、その関心の度合いがより強くなったものだということができます。

 

問題意識を持つようになると、自分の興味・関心から始まって、では、どうしてその興味・関心を持ったのかと自分の意識を明確にする「なぜ」がはじまります。

 

自分の経験について他者とともに振り返って考えてみることで、自らのテーマのありかも次第にはっきり見えてくることになります。

 

何かを表現するときも、まず「なぜ」を冒頭においてから始めればよいでしょう。
「なぜ」に対して「〜だから」という具体的な例をあげていき、そこから「〜と考える」という自分なりの答えを導く、という方法がかなり有効です。

 

思考の表現とは、具体的には、考えていることを自分で把握し、それを相手に伝達し、それから相手からの反応をもらいます。
それを繰り返す、つまり対象を認識・判断し、他者へ表現化して、他者からの反応を確認します。
この3種が総合されて、あなたは自分の考えていることが相手に伝わったと感じるはずです。

 

「<私>をくぐらせる」というのは、その話題に関して自分の問題意識をもって話すということです。

 

表現の方法に標準モデルはない

 

自分の主張を展開するとは、すなわち、自分の決めたテーマに即して、具体例を示しつつ、自分の結論を出すということです。

 

独り言として「考えていること」を外言化し、ブツブツと繰り返してみたり、メモをとってみたりすることです。
もう一つは、とにかく他者へ向けて話しかけてみること。
よく話しているうちに、自分の言いたいことが見えてきたというのは、この効果によるものでしょう。

 

表現活動における自己と他者との関係は、他者あっての「私」、「私」あっての他者なのです。

 

自らの活動を活性化させるために個人の当面すべきこととは、次のようになります。
①自分の活動を活性化する空間をどのように構想できるか。
②構想した活動空間をどのように具体化できるか。
③具体化された空間での自分の活動をどのように活性化できるか。

 

自分の<ことば>をつくるとは、自分のテーマを持って自己および他者と対話すること。
この本で言いたいことは、この一言に尽きる。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1789-1】自分の興味・関心を大事にする

【1789-2】「なぜ」→「〜だから」で考える癖をつける

【1789-3】「考えていること」をどんどん言葉にして外に出す

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】自分の<ことば>をつくる
【著者名】細川英雄著者情報
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2021/8/20
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワードことばのチカラ文章力自己対話
【頁 数】238ページ
【目 次】
第1章 自分のテーマを発見する
第2章 自分のテーマを表現する
第3章 自分のテーマで対話する

 

この本が、あなたを変える!

自分の<ことば>をつくる
細川英雄 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2021-8-20
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細川英雄さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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