【書評:764冊目】本物の仕分け術(鈴木進介)

【問題は仕分けることで解決する!】
思考の整理家・鈴木進介氏が、『本物の仕分け術』と題して、問題は最小化するまで仕分けることで、その”本質”が見えてくると説き、仕分けるのに必要な思考法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

問題が山積みです。
このとき、あなたはどのように対処しますか?

 

本書は、問題の大半は「仕分ける」ことで解決策がみつかると提起し、「仕分ける」ために必要な思考法を指南する一冊。

 

「仕分け」とは
大きくて漠然としている問題や目標を、小さく分解して、決断や行動しやすい状態にすること

 

どんなことでも、大きな塊のままだと全体像を把握するのは困難です。
「手に余る」という言葉があるように、大きい状態のまま対応しようとすると良い結果につながりません。

 

では、どうすればいいのか。
細かく細分化して、「手のひらサイズ」におさまるようにすればいいのです。

 

「手のひらサイズ」であれば、全体をじっくり見渡すことができます。
すると、自分が何をするべきかが見えてきます。

 

この「見える」状態にすることこそ、『仕分ける』ことの最大の意義です。
見えるからこそ、自信を持って対処することができるわけです。

 

仕事とは、問題を解決すること。
したがって、いかにスムーズに仕分けられるかは、仕事をするうえでの生命線といっても過言ではありません。

 

仕分ける力=仕事をする力。
この機会に、本物の仕分け術を身につけてください。

 

◆頭がスッキリ爽快!

本物の仕分け術
鈴木進介 青春出版社 2016-7-2
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「問題」とは、巨大で、漠然としていて、とらえどころのないものです。
思考の軸を設け、仕分けることで、その巨大な問題は、具体的で、対処可能なサイズにまで小さくできるのです。

 

一流の人たちは、「結果を出すために、今、何が一番必要なのか」を考え続けているため、雑念がありません。
常に自分をシンプルな状態、本質を見極めやすい状況にしています。
なぜなら、シンプルな状態とは、すべての問題が本質的な1%にまで最小化された状態だからです。
そして、この状態は仕分け術を身につければ誰にでも手に入るものなのです。

 

どんなに優秀な人でも、選択肢が100個もあれば最適解を選び取ることはできません。
「決断」とは、「決めて、断つ」こと。
つまり、他の選択肢を切り捨て、問題を小さくすることです。

 

「今度やろう」「いつかやろう」ではなく、ピンポイントで日付を決め込むことが大切

 

業務を整理して、時間を紐づける際のコツは、ある程度”ゆるく”行うことです。
業務と時間のセッティングは必ず行いますが、その完成度については求めません。
「100%完璧な段取りをして、絶対に成功させよう」などと考えないことです。

 

細かい変更事項は都度、対応しても、これが積み重なっていくと、頭の中にはだんだんホコリがたまってきます。
これが仕事がスムーズに進まない原因です。
だからこそ、定期的に頭の中を整理して、心を整える時間を持つ必要があります。
そこでおすすめしたいのが、「ジブン会議」です。

 

付箋紙は、仕分けにも役立つアイテム

 

私は「新規事業」「マーケティング」など、自分が欲しい情報のラベルがついたクリアファイルを持っています。
同様に、パソコンの中にもフォルダを作っています。
この作業で、「その方向に対するアンテナ」を張ることになります。

 

スキルやキャリアも仕分けして、問題を小さくし、自分が本当に必要とするものだけを身につける必要があるのです。

 

●キャリアやスキルを仕分けする3つの軸
①したいこと
②自分ができること
③他人に喜ばれること

 

立てた目標を達成するためには、「結果目標」と「プロセス目標」の2つに仕分けして考えることが必要です。
結果目標とは、最終ゴール、またイメージレベルの人生目標。
プロセス目標とは、結果目標をブレイクダウンしたものです。

 

「重めの話題」と「軽めの話題」を仕分けて、相手との関係性によって選ぶわけです。
一般的には、初対面などの相手には「軽めの話題」から入るほうがよいでしょう。
相手との関係をグッと近づけたい場合には、多少重めの話題、特にパーソナルな情報を聞くことです。

 

●感情的になりそうなとき、一瞬で心を鎮めるコツ
(1)深呼吸をすること
(2)心の中での実況中継
(3)感情的になっても話は前進しない、問題は解決しない、自分にメリットは何もないと確認する
(4)状況を仕分けして考えること

 

●お金を考える際の3つの仕分けの軸
①「消費」と「投資」
②「増やせる余地」と「減らせる余地」
③「今使うお金」と「いつでもいいお金」

 

仕分けるのは「今の自分」と「今の他人やライバル」ではありません。
あくまでも「自分の理想像」と「今の自分」を仕分けし、進捗の確認、やり方の修正をかけていくのです。
仕分けしたいずれも、すべては自分軸しかありません。
自分の理想像との比較でしか人は成長できないのです。
自分の理想像と今の自分を埋めるのが、生きるということではないでしょうか。
自分自身に、自分の目標や集中すべきことを問いかけ続けてください。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【764-1】「ジブン会議」を月に1回開催する

【764-2】「結果を出すために、今、何が一番必要なのか」を考え続ける

【764-3】行動に日付をつける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】本物の仕分け術
【著者名】鈴木進介著者情報
出版社青春出版社
【出版日】2016/7/2
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード思考問題解決情報整理
【頁 数】192ページ
【目 次】
第1章 超一流とは、「1%」まで仕分けられる人間である
第2章 仕事×仕分け ムダのない段取りが、「圧倒的な成果」を生む
第3章 モノ・データ×仕分け 「分け方」ひとつで、情報は知識に昇華する
第4章 キャリア×仕分け “正しい”努力と戦略だけが、「自分の武器」をつくる
第5章 人間関係×仕分け コミュニケーションは「キモ」がわかると全部うまくいく
第6章 お金×仕分け 浪費を「投資」に変える選択と集中の勘所

 

この本が、あなたを変える!

本物の仕分け術
鈴木進介 青春出版社 2016-7-2
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鈴木進介さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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コメント

    • 大塚ゆり
    • 2021年 12月 14日 1:02pm

    いつもこのブログを参考にさせてもらってます

    質問なんですが、この本の内容と、同じ著者のセパレート思考の内容は同じようなものでしょうか?
    これ一冊あれば、セパレート思考は買っても新しい知識は得られないでしょうか?

    教えていただけたら幸いです

      • 米山智裕
      • 2021年 12月 14日 1:21pm

      大塚様

      コメントいただきありがとうございます。

      どちらの書籍も
      「課題/問題は、分解整理することで、解決策を考えやすくなる」
      という本質的なメッセージは同じです。

      ただ、
      ・「本物の仕分け術」:ビジネス実務により即した内容
      ・「セパレート思考」:個人の内面(自己啓発的)により即した内容
      このように、想定する活用シーンが違うと個人的に捉えています。

      そのため、同じことを言っているかも。
      けど、視点が違うのでより深く理解できるかもしれない。

      このように考えて、わたしは両方とも読ませていただきました。
      参考になれば嬉しいです。

      • 大塚ゆり
      • 2021年 12月 14日 7:15pm

      とてもわかりやすい回答ありがとうございます

      是非参考にさせていただきます

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