【書評:2201冊目】読書する脳(毛内拡)

【「読書」は脳に何をもたらすのか?】
脳科学者・毛内拡氏が、『読書する脳』と題して、脳の可能性を引き出す方法として読書の有益性を提起し、紙の本を読むことだけがもたらすモノを、脳科学の視点から解説する一冊。

■書籍の紹介文

あえてお聞きします。
最近、紙の本を読んでいますか?

 

本書は、読書をすることでわたし達の脳にどのような変化が起こるのかを最新の脳科学の知見をもとに解き明かしながら、読書だけが脳にもたらすモノを解説する一冊。

 

脳にとって、読書とはどういう行為なのか。
脳は、読書によってどういう影響を受けるのか。
脳にとって、果たし読書は有用なのか。

 

このように、『脳』と『読書』の関係性について徹底解剖していく内容です。
なお、この本における読書とは”紙の本を読む”ことを指します。

 

結論からお伝えすると、とても面白い!!
アナタの読書に対する見方が大きく変わるはずです。

 

脳の仕組み(認知、思考、記憶)やメカニズムが、読書によってどう刺激を受けるのか。
この解説を読んだとき、デジタル全盛の時代だからこそ「紙の本」を読むことの大事さに気づくことでしょう。

 

表面的な情報収集ではなく、深層的な”脳を創る”パワーが読書にはある。
ゆえに、読書をする者としない者の脳力の差は、今後ますます開いていくことが容易に想像できる内容は、読書の習慣化を促すに十分な危機感を煽ります。

 

もちろん、ただ本を読めばいいというものではありません。
「1日1冊読んだ!」「今年は1000冊読んだ!」などという単純な数字にもまったく価値はありません。

 

脳と読書の関係性を本書で十分に理解し、脳が喜ぶ読書を心がける必要があります。
この”脳が喜ぶ読書”が身についたとき、アナタの脳の可能性を最大限に引き出す準備が出来上がります。

 

読書に対する見方、読んだ後の感覚、これは確実に変わります。
読書の衰退は脳の衰退につながっています。

 

◆かなりオススメ!

読書する脳
毛内拡 SBクリエイティブ 2025-11-7
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■【要約】15個の抜粋ポイント

現代人には「得られる情報の量」ではなく、「情報の質を見極める力(デジタルリテラシー)」が強く求められているのです。
この「情報選択力」を養う上で、紙媒体による読書の重要性が、デジタル時代において改めて見直されるべきだと私は思います。

 

デジタルメディアの普及がもたらした情報消費行動の変容は、人々の情報処理スタイルを「即時的で断片的な情報摂取」へと傾斜させています。
この変化が、深い読解力や批判的思考力など、重要な認知能力を低下させてしまう大きな要因となっているのです。

 

読書という、深い集中力を要する活動が近年難しく感じられる背景には、脳の基本的な性質(脳は常に新しい情報に反応する)と、それを過剰に刺激する(ことで起きる「脳疲労」)現代社会との深刻な負のシナジーがあります。
この脳の特性を理解することは、情報に振り回されず、効果的な読書習慣を身につけるための第一歩となるでしょう。

 

読書を通じてゆったりと深く物事を考える時間は、マインドワンダリング(心のさまよい)を適度に抑制し、脳の過活動を和らげるため、私たちの認知機能や脳の健康を守る上で不可欠なものなのです。

 

習慣的な読書を通じて脳の可塑性を最大限に引き出し、語彙力や思考力を深めていくことは、歳を重ねても高い認知機能を維持して知性を向上させることにも極めて重要な役割を果たします。
最近の研究では、読書や作文などの知的な活動が、認知症の予防や長期的な脳健康の維持に深く関わっている可能性が指摘されています。

 

紙の読書は、情報が「文字」のみに絞られています。
だからこそ、脳の作業デスクには十分な余白が生まれます。
私たちは、その余白を使って、自由に想像を広げたり、行間を読んだり、登場人物の気持ちを深く推し量ったりすることができるのです。

 

読書から得られる高揚感とは、自らが能動的に脳を動かして生まれるものであり、受動的に外部からの刺激で得られる報酬とは異なる独特の価値を持っているのです。

 

ある程度の期間を空けてから同じ本を再び読み返してみると、以前とは違った箇所に注意が向き、新しい発見や異なる理解が得られることがよくあります。
これは、その時々の自分の興味や状況、求めている情報によって脳が自動的に情報処理の焦点を変えているからです。
この再読体験は、「あのときの自分はこういう情報を欲していたのだ」と、自分自身の当時の心理状態や関心を客観的に理解する手がかりにもなります。

 

ゆっくりと丁寧に本を読む「精読」や「遅読」では、読書中に適度な休憩や睡眠を挟みながら読みますよね。
それによって、脳が無意識的に情報を整理し、長期記憶として強固に定着させることが可能になるのです。
(略)
ゆえに、精読や遅読は効率が悪いと思っている人もいるかもしれませんが、脳科学的な視点からすると実は決して効率の悪い方法ではなく、むしろ長期的な学習や記憶にとって非常に合理的かつ有効な方法であると言えるでしょう。

 

読書を通じて得られる価値を最大化するためには、その間に生じるセルフトークを意識的に前向きなものに変えていくことが重要です。
読書中や読書後に、自分自身に対して肯定的で励ましに満ちた言葉をかけることができれば、脳内のポジティブな神経回路が活性化され、結果として持続的な問題解決能力や、精神的な安定を獲得することが可能になるでしょう。

 

精読を効果的に進める具体的な方法としては、文章を繰り返し読むこと、重要なポイントをメモやノートに書き出すこと、また理解が難しい言葉や概念を辞書や参考書を使って調べることなどが挙げられます。
こうすることで、脳は情報を何度も想起したり、他の知識と関連づけたりしながら処理することができるようになります。

 

音読は、私たちの脳の潜在能力を最大限に引き出し、情報を深く処理して理解を深め、さらに記憶としてしっかりと定着させるための非常に強力な手法なのです。

 

読書の効果を大きく高める方法として、「クエスチョン立て(問いを立てる)」があります。
これは、読書を始める前に、自分がその本からどのような情報や答えを得たいかを明確な問いとして設定する方法です。

 

読書は単なる知識の獲得にとどまらず、ミラーシステムを介した感情の代理体験や心の理論を通じて、他者の感情や視点をリアルに体験できるものなのです。
そしてそのような体験が、私たちの社会的能力を養う強力な手段となっているのです。

 

情報が過剰にあふれる現代だからこそ、私たち自身が意識的に主体的に選択し、自分の精神的自由を守るために、あえてアナログな「紙の読書」を大切にしていくことが、より豊かで創造的な未来を築くことにつながっていくと私は確信しています。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2201-1】読書中に浮かんだ想像を大切にし、自由に想像を膨らませることを心がける

【2201-2】一度読んだ本を、期間を空けて再読する習慣をつける

【2201-3】読書を始める前に、その本から何を得たくて読むのか、と自問する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】読書する脳
【著者名】毛内拡
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2025/11/7
オススメ度★★★★☆
こんな時に読む力を身につけたいときに
キーワード読書術脳科学社会
【頁 数】200ページ
【目 次】
第1章 読書の今をひもとく
第2章 読書がもたらす脳科学的メリット
第3章 文字と言語処理の脳メカニズム
第4章 認知バイアスとセルフトーク
第5章 脳が喜ぶ読書術
第6章 読書がもたらす共感力と社会性

 

▼さっそくこの本を読む

読書する脳
毛内拡 SBクリエイティブ 2025-11-7
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毛内拡さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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