【書評:2168冊目】なぜか自信がある人がやっていること(毛内拡)

【自信がない人必読!】
脳神経科学者・毛内拡氏が、『なぜか自信がある人がやっていること』と題して、脳内神経物質と「自信」の関係を紐解きながら、脳の特性や学習能力を活用した”脳が喜ぶ”自信の育み方を解説する一冊。

■書籍の紹介文

自信がない、うまくいくか不安だ・・・。
そんなピンチのとき、あなたはどうやって乗り越えていますか?

 

本書は、「脳」と「自信」の関係性を考察しながら、気合や根性など脳がストレスを感じる方法を徹底排除し、脳の特性や学習能力を活用した”脳が喜ぶ”自信の育み方を解説する一冊。

 

「自信の育み方」というのは、自己啓発書の永遠のテーマの1つだとおもいます。
それほどに、人は自分の「自信」に自信が持てていないのです。

 

では、そもそも「自信」とはなんなのでしょうか。
簡潔にまとめると、「今までできなかったことに、自分にもできるんだという認識が確立され、次回の行動への心理的ハードルが下がること」だと言えるでしょう。

 

ここには、「学習」と「記憶」という2つの過程が存在します。
そして、この2つを司る器官こそが、『脳』になります。

 

つまり、脳が学習し記憶していればいるほど、比例して、自信も満ちてくるというわけです。
例えるなら、未経験で不安だった業務が、経験を重ねるほどに”当たり前”にこなせるようになることに通じます。

 

このことからも、自己啓発書によくみられる【自信を育むには、小さな成功体験をたくさんすることだ】というのは、
脳の性質としても、とても理にかなっているのです。

 

であるならば、自信を育むためにやることは明確になります。
脳の特性を理解し、脳が学習能力を発揮しやすい環境を整え、「行動するから自信が育まれる」と唱えて行動することに集中するのです。

 

いくら「大丈夫だ、自分にはできる」と呟いても、”結果”を脳が記憶しないと自信に変換されません。
「悩むくらいなら、まずは行動しなさい」という類の数多の金言も、ここに帰結するわけです。

 

これらのことが、非常にバランスよくまとめられている素晴らしい書籍です。
専門的な脳神経の話が、とても分かりやすく自己啓発に落とし込まれています。

 

『行動するから自信が育つ』。
この本を通じて、ぜひ”脳が喜ぶ”自信の育み方を知りましょう!

 

◆必読!

なぜか自信がある人がやっていること
毛内拡 秀和システム 2025-3-8
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■【要約】15個の抜粋ポイント

まさに”脳が本質的に求めているのは、自分で決めた目標を達成する達成感”という原理が働いているわけです。
自分なりの基準を持ち、行動そのものを楽しむ人が”なぜか自信がある人”として映るのは、こうした自己評価の安定感があるからだと言えます。

 

自分にとって”どんなときに達成感が得られるのか”を知り、それを着実に実行していく過程で、脳が「できた」「やれた」と評価を上書きしてくれるのです。
こうして”あと付け”の自信が少しずつ育っていくわけです。

 

脳内物質の中でも「やる気ホルモン」と知られるドーパミンは、何かを達成したときにビシッと放出されるご褒美のような物質です。

 

セロトニンは、心身のリズムを整えてくれる調整役です。
落ち込んだときにちょっと外へ出て朝日を浴びたり、散歩してみたりすると「なんだかさっきまでの沈んだ気持ちが和らいだな」と感じることはないでしょうか。
あれはセロトニンがうまく分泌され、気持ちの浮き沈みをまろやかにしてくれているのです。

 

アドレナリンやノルアドレナリンは、脳が「戦闘モードだ、全力でいけ!」と号令をかけるための物質です。
大事な試合やプレゼンの直前に、心臓がドキドキして頭の中が真っ白になる現象を経験したことがある方は多いでしょう。
あれこそ、脳が「さあ本番だぞ、集中力を最高にしろ!」と体に指示を送っている証拠です。

 

やる気や集中力、自信といったものは、”単なる性格や根性の問題”ではなく、脳内物質のバランスや働きによって大きく左右されます。

 

セロトニンを整える生活リズムや、ストレス緩和に役立つユーモア、さらには自分に合う心地よい環境を選ぶことが、脳の興奮を和らげて自信を持続させるカギなのです。
大切なのは、「緊張は悪いもの」と決めつけるのではなく、適度なスイッチとして活かす方法を覚えることではないでしょうか。
自分の心と体の声をきちんと聞きながら、上手にアクセルとブレーキを使い分けられるようになれば、人生のさまざまな場面で自信とパフォーマンスを両立できるようになります。

 

自分の不安に対して「これは脳内ネットワークのアンバランスかもしれない」と冷静に捉え直したうえで、少しずつでも行動を重ねていけば、扁桃体が「そこまで大事ではないかも」と学習し、前頭前野との連携を取り戻すきっかけになるかもしれません。
これこそまさに「あとからついてくる自信」を育むサイクルであり、脳が「予想よりうまくいくこともあるんだな」と体験すると、徐々に次の挑戦に向けた意欲が湧きやすくなるのです。

 

たとえ小さなステップからでも構いませんから、どうか「とりあえずやってみる」精神を忘れず、軽やかに一歩を踏み出してみてください。
そうした試行錯誤こそが、皆さんの脳に「案外、何とかなるんだね」という経験値を積み重ねさせ、気づけば背中を押してくれる確かな”あとからついてくる自信”へとつながっていくはずです。

 

「わからないものを知ろうとする姿勢」と「手放していいものを思い切って捨ててみる勇気」を組み合わせていけば、不安に支配されるよりも、自分らしいリズムで行動を起こしやすくなります。

 

「人事を尽くして天命を待つ」という姿勢をモットーに行動を重ねると、脳内では”行動が先で自信はあとからついてくる”というサイクルが自然と回り始め、たとえ失敗しても柔軟に軌道修正できる安心感が育まれ、他者からの評価に必要以上に振り回されることがなくなるのです。

 

「自分が何を好きで、何を価値だと感じるのか」を明確にすることで、たとえ周囲から賞賛が得られなくても、継続して行動する意欲が維持され、脳は「これは自分にとって意味がある」と判断して報酬系をコントロールしやすくなります。
その結果、結果がどうであれ「自分はこれを大切だと思うから取り組む」というスタンスが、徐々に本当の自己肯定感へとつながっていくのです。

 

脳には「損失回避バイアス」や「現状維持バイアス」など、さまざまなクセが存在します。
それらを無理やりごまかそうとするのではなく、「ああ、今また脳のバイアスが出てるな」と自覚したうえで、「だったらどうやって行動に活かそうか」と考える態度が重要になります。

 

なぜ”自信に執着しなくなる”と、かえってうまくいくのか。
一番の理由は、「自信は結果であり、先に用意しておくものではない」と脳が理解すると、”変な緊張感”を手放せるからです。

 

結局、私たちは”やってみる”ことを通してしか自分の可能性を知ることはできません。
いくら頭の中で思い描いていても、脳は実際の行動がともなわなければ十分にアップデートされず、「本当にできるのか?」という疑念は消えないままです。
だからこそ、「自信がないから動けない」と思うのではなく、「動くからこそ自信が育つ」という逆転の発想が必要なのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2168-1】「自分には何の自信が足りないのか?」を”具体的”に考える

【2168-2】今日うまくいったことを3つメモする

【2168-3】『行動するから自信が育つ』という意識をもつ

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】なぜか自信がある人がやっていること
【著者名】毛内拡著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2025/3/8
オススメ度★★★★★
こんな時に自分を変えたいと思ったときに
キーワード脳科学メンタルマインド
【頁 数】192ページ
【目 次】
序章 なぜあの人は自信に満ちあふれているのか?
第1章 脳を知ることが自信への近道
第2章 不安やプレッシャーとの付き合い方〜行動が先、自信は後から
第3章 本当の自己肯定感〜ブレない自分を育てる〜
終章 自信を「持ちたい」と思わなくなる瞬間

 

▼さっそくこの本を読む

なぜか自信がある人がやっていること
毛内拡 秀和システム 2025-3-8
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毛内拡さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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