
【信頼あってこそ注意は意味を為す!】
小児科看護師・育児アドバイザー/下村弥沙妃氏が、『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』と題して、使う言葉ひとつで反応が変わる、親子の信頼関係構築法を指南する一冊。
■書籍の紹介文
なんで言うことを聞いてくれないんだ!
こんなストレスを抱え込んでいませんか?
本書は、「避けたい声かけ表現」と「積極的に使いたい声かけ表現」を対比させながら、親からの一方通行の押しつけにならない、親子の信頼関係構築法を指南する一冊。
「なんで?」「どうして?」
親が子どもに何かをいうと、機関銃のようにこうした言葉が返ってきて埒があかなくなることがありますよね。
かと思えば、人が変わったように”素直に”いうことを聞き入れてくれることもあります。
この反応の違いは、どこからくるのでしょうか。
「子どもが親のいうことを聞くのは当たり前だ」。
「反抗するのは子どもが幼稚だからだ」。
もしも、このニュアンスに近いことが少しでも頭をよぎったのなら、あなたは要注意です。
子どもとの間に適切な信頼関係を築けていない可能性が高いと、著者は警鐘を鳴らします。
親子なのだから、親なのだから、子どもなのだから、という言葉に胡座をかかないこと。
そのうえで、親子であっても一対一の人間関係であることに変わりないと自覚することが大事だと説きます。
そして、自分をひとりの人間として主体性を認められたと感じたとき。
子どもはあなたのことを信頼し、良好な人間関係(親子関係)が築かれていくと力説します。
では、どうすれば子どもにそのことを”認めてもらえるのか”。
著者が推奨するのが、この本のテーマである『声かけ』です。
日常生活で子どもに投げかけている”何気ないひと言”。
子どもたちは、その表現で親の自分への信頼度を敏感に感じ取っていると指摘。
イメージしやすいように、イラスト付きでさまざまな場面で使ってしまいがちな表現を列記しています。
それらが残念な理由を解説しながら、合わせて置き換えたい「信頼につながる表現」を提示していきます。
子どもは、親に認められたくていつも一生懸命です。
一方で、未熟がゆえに間違った言動や危ない失敗をしてしまうことも多々あります。
このとき、「親だから」「子どもなのだから」をグッと堪えて、いかに「信頼につながる表現」で声かけできるか。
ここが、良好な親子関係の構築、ひいては子どもの健全な発育、家族の心身の健康に繋がっていくのだ、と話はまとめられています。
どう接すればいいのだろうかと悩んだとき。
大いに参考になるのではないかと感じる一冊です。
◆親子だからこそ信頼がより大切に。
3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ
下村弥沙妃 Gakken 2025-3-3
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■【要約】15個の抜粋ポイント
宿題についての声かけをする時にまず心がけたいのは、子どもを「宿題の主体にする」ということ。
子どもに「宿題を、自分のこととして認識させる」という意味です。
宿題のお悩みを抱える親の多くは、子どもの宿題を自分事、つまりは親のことと捉えてしまっているのです。
これは、宿題の主体が親になってしまっている状態ということになります。
もし宿題をやらなくて困ることがあるなら、一番困るのは、主体である子ども本人なのです。
宿題をやらなくて困るという経験を子どもから奪うことは、宿題の主体を親が奪うということなのです。
「宿題をやらなくてはいけない」「やったほうが良い」。
これまでの経験から、子どもはそのことはちゃんと頭では分かっています。
だからこそ、やらなかった時に起きることを、主体として経験してもらうことが必要なのです。
『テストを隠したくなるくらい悪い点数だと思ったの?』
「点数が悪いと思ったから」という言葉には、子ども自身の評価が含まれています。
テストの主体を、子どもにしっかり根付かせることができるのです。
このことで、子どもは自分の気持ちを理解してもらえたという安心感を覚え、再び勉強に向かう力が湧いてきます。
『どのくらいゲームをしたら(スマホを使ったら)満足できそう?』
これまでの親の対応や、学校での学びから、長時間ゲームやスマホを使うことが良くないということを、子どもは分かっています。
それでも長時間使い続けてしまうのは、自分をコントロールできな未熟さ故なのです。
だからこそ、ゲームやスマホを「自分をコントロールするトレーニングの道具」として利用していきましょう!
その取り掛かりとして、この声かけはとても効果的です。
選択肢を与えられた子どもは、「自分には選ぶ力があるとお母さんが”認めて”くれている」と無意識に感じます。
そしてもう一つ。
「選んだことを”実行する力がある”とお母さんが信じてくれている」というメッセージも含まれます。
以上から、「選択させること」が「自己肯定感を育む重要なテクニック」となっているといえるのです。
どうか、親は子どもの記憶装置にならずに、持ち物の管理は子どもに任せてくださいね。
忘れ物をして困るという子どもの経験を、親は奪ってはいけません。
この経験を通して、子どもはようやく忘れ物をしないという意識が芽生えるのです。
声かけのポイントは、「否定形の言葉を使わない」ということ。
「〜しない」という否定形の言葉を脳は理解できない、とまでいわれています。
さらにこの声かけは何度もお伝えしている通り、脅しの意味も含まれているので要注意。
『こんな遅くまで起きていたら、明日の朝起きられるか心配だな』
子どもより経験の多い人生の先輩として、また、子どもを大切に思う親として、心を込めて優しく伝えるようにしましょう。
この言葉をかけられた子どもは、自分の寝る時間に責任を持とうとする意識が芽生えます。
その意識が、自分に必要な睡眠時間を確保するという自主的な行動につながるのです。
『学校に行きたくないのね』
まずは、学校に行きたくない子どもの気持ちを認めましょう。
その次に、「何か理由はあるの?」と聞いてみてください。
この順番がとても大切です。
家庭の中の決まり事やルールは最初から完璧にしなくても、使いながら改善をくり返していくという柔軟性が大切です。
『辞めたくなっちゃったのね。もう満足したの?』
習い事を辞める時は、失敗と捉えるのではなく、得られたものに注目して満足ポイントを明確にすることで、成功体験とすることができます。
『違う部屋でケンカをするか、この部屋にいるならケンカをやめるか、どちらにする?』
これは、きょうだいゲンカをする権利を認めています。
と同時に、親が快適に過ごす権利も主張しています。
ケンカをする子どもたちと親。
どちらかが犠牲になることなく双方を認めるやり方です。
『乱暴な言葉遣いを聞くと、お母さん悲しくなるの』
一言、こう言って親は自分のやるべきことに集中しましょう。
これは、子どもの人格を否定しないまま乱暴な言葉だけを否定すると同時に、親の気持ちを素直に伝えています。
説教をしたくなっても、この言葉に留めておくことが大切です。
必ずしも正論が解決につながるとは限らないということを、知っておきましょう。
時に、正論が心を傷つけることさえもあります。
子どもの気持ちをたくさん代弁してあげるようにしましょう。
■【実践】3個の行動ポイント
【2167-1】「相手のためを思って」と思うときほど自分本位になっていないか注意
【2167-2】相手の言動に反応する前に、まずは言動に至った気持ちを受け止めることを意識する
【2167-3】声がけをする際は、「〜しないと」など否定形にならないように意識する
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ
【著者名】下村弥沙妃 ・ 著者情報
【出版社】Gakken
【出版日】2025/3/3
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】明日の人間関係を良くしたいときに
【キーワード】子育て、ことばのチカラ、信用残高
【頁 数】232ページ
【目 次】
第1章 宿題
第2章 勉強
第3章 ゲーム スマホ
第4章 食事
第5章 身支度 入浴
第6章 片付け
第7章 睡眠
第8章 学校生活
第9章 小遣い
第10章 習い事
第11章 きょうだいゲンカ
第12章 反抗期
第13章 トラブル
▼さっそくこの本を読む
3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ
下村弥沙妃 Gakken 2025-3-3
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下村弥沙妃さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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