
【購買損失を排除し労働生産性の高い社会の実現を!】
間接材購買のDXプラットフォーム「KOBUY」を展開する株式会社一貫堂の阿保晴彦氏と橋爪康太郎氏が、『失敗しないDX』と題して、手法と成果事例を解説する一冊。
■書籍の紹介文
日々くり返している仕事。
あなたにとって負担に思っているものは、どんな業務ですか?
本書は、間接材購買プラットフォーム「KOBUY(コーバイ)」の成り立ちから導入効果までを、豊富な事例解説を通じて説きながら、先に見据える未来を熱く語る一冊。
KOBUY(コーバイ)とは、
株式会社一貫堂が開発し、提供している、「間接材購買のDXプラットフォーム」。
企業がKOBUYを導入すると、幅広い物品をサプライヤー(商品を販売する事業者)から、ECサイト感覚で購入することができるようになる。
◎約15,000時間/年の発注業務短縮
◎約38,400時間/年の経理業務短縮
この数字は、一般的な建設会社がKOBUYを導入する場合の「創出時間」を試算したものです。
第3部で紹介される著名な建設会社の事例にて、詳しく解説がされています。
プライベートでは、必要なモノを「ポチッと」1クリックで購入できる時代です。
にも関わらず、仕事で必要な物品を購買する際、書類仕事や承認待ちで多くの時間を取られることに不満を覚えたことはありませんか。
最初のうちは不満に思って、同僚や上司に相談をしたこともあったかもしれません。
けれど、会社の仕組みがすぐに変わることなどなく、いつの間にか「これが仕事だ」と気にもしなくなっていく・・・。
こうした、一種の「無意識の傍観」が経済全体で溜まりに溜まって、日本経済の労働生産性の低さにつながっているのではないか。
このままの状態で、人口減少による労働力不足が本格化したら、日本は大変なことになるという危機感。
ここから始まったKOBUYの物語は、とても惹きつけられる内容です。
KOBUYというサービスの広報がメインの書籍ではありますが、もっと大きな”新しい概念”を目の当たりにしている気持ちにさせてくれます。
昨今、労働生産性の向上が叫ばれています。
しかしながら、単に人を駒のように使い倒せばいいでは、決して実現はしません。
流行りのDXツールを導入すれば完了!でもありません。
「労働とはなにか」「生産性とはなにか」といった本質的な部分から思考し設計してはじめて、実現の道が見えてくるのです。
そういう意味で、「KOBUY」はよく設計されているように感じます。
「KOBUY」が描き出す未来、ぜひご自身で触れてみてください。
◆不思議と心が高揚する一冊。
失敗しないDX
阿保晴彦、橋爪康太郎 時事通信社 2025-3-11
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■【要約】15個の抜粋ポイント
KOBUYが扱っているのは企業における「間接材」と呼ばれる物品の調達です。
(略)
「間接材」は、燃料や工具、消耗品、備品など、売り物の材料にはなりませんが、ものづくりでは必ず必要となるものを指します。
こちらは簿記では「補助材料費」「工場消耗品費」「消耗工具器具備品費」に分類されるものです。
労働生産性を高めることとは、できるだけ少ない労力で、最大の生産性を得る方策を追求していくことです。
何気なく使っているあいさつに込められている、「仕事は疲れるのが当たり前(お疲れ様)」「苦労するのが当たり前(ご苦労様)」という前提こそ、労働生産性が上向かない精神性を物語っているのではないかと疑う必要があるのです。
日本経済の成長は、労働者数の増加によっていまだに支えられているのです。
労働生産性を上げることは、単に資本の増大といった、計量可能な経済価値に寄与するだけではありません。
人々のやる気を削ぎ、ストレスを作り出し、会社全体の生産性を下げている「ブルシット・ジョブ」をやめることによって、やる気が湧き、ストレスが軽減され、価値を生み出す会社に生まれ変わることができるのです。
●なぜ、DXは成功しないのか?3つの失敗ポイント
失敗ポイント1:短期的なコスト削減だけを重視
失敗ポイント2:サプライヤー変更の着手
失敗ポイント3:業務フローを顧みないツール導入
プロジェクトベースでのKOBUY導入が重要であり、部門ごとの部分最適による業務の分断を起こさないよう、全体最適を目指す体制を作っていかなければならないのです。
1カ所のミスでも、複数枚の書類を再確認しなければならなくなる。
これが、「手入力」の恐怖なのです。
KOBUYでは、企業ごとに強力なカスタマーサクセスの担当者がつき、KOBUYによって業務が改善されるまで、あるいは全体最適のあるべき姿に至るまで伴走します。
KOBUYが構築するマルチサイドプラットフォームでは、バイヤーとサプライヤーがマッチングされ、取引が成立するという役割に加えて、バイヤー側の発注者が作成したデータが保持されながら、バイヤーからサプライヤーへ、そして商品と共にサプライヤーからバイヤーへ戻ってきて、経理業務まで再入力なく処理されていく、ムダな業務を生まない仕組みが構築されるのです。
KOBUYは、商品の売買以上に、「データのやりとりが重要」なマルチサイドプラットフォームと位置付けることができるのです。
慢性的に人手が足りず、業務効率化に逆行する個別対応を避けたいECサイト中心のサプライヤー企業も、KOBUYへの参画を非常に喜んでいます。
申請者と、購入したデータを処理する経理部門が、これまで別々に扱ってきたデータは、購入する時点でのデータ作成のみとすることで、経理部門での書類の処理過程の入力ミスを排除することができ、業務負担が大きく軽減されました。
これらの業務負担の軽減によって、発注者に素早く商品が届くようにもなりました。
多くの大学で申請から2〜3週間かかっていた納期は、ECサイトで個人が購入する際と同様のスピード感、最短で当日にまで縮められました。
これからの「人手が足りない中での業務効率化」のカギは、「自動化」に他なりません。
KOBUYプラットフォームのように、購買業務にテクノロジーを追加することがイノベーションというわけではないのです。
本質は、事務処理からの解放や、プラットフォームを通じたサプライヤーとの連携強化、自動化、購買業務のモバイル化など、業務のありようが変わることです。
これにより、イノベーションが起きていくのです。
KOBUY経済圏の企業は、購買業務や経理業務に必要だった人材は再配置され、労働生産性が高い、つまり付加価値の高い仕事に、人材と時間を割り振ることができるようになっていきます。
KOBUYは一貫して、データを保持し続けること、ムダな業務を見つけ出して徹底的に排除すること、関係するあらゆる人と部署にとっての全体最適を見つけ出すことを通じて、労働生産性を向上させることを目指すプラットフォームであり続けます。
■【実践】3個の行動ポイント
【2165-1】『KOBUY』のサービスサイトを観にいく
【2165-2】日々の仕事で「業務改善したい」と思うものを書き出す
【2165-3】【2165-2】に書き出したものに対して、改善アイデアを思うままに書き出す
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】失敗しないDX
【著者名】阿保晴彦 ・ 著者情報
【著者名】橋爪康太郎 ・ 著者情報
【出版社】時事通信社
【出版日】2025/3/11
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】ビジネス理論を深めたいときに
【キーワード】ビジネスモデル、問題解決、組織改革
【頁 数】324ページ
【目 次】
序章 KOBUYとは何か?
第1部 業務改善こそが経営課題
第2部 KOBUYのDX化はなぜ成功するのか?
第3部 私たちはこうしてDXを成功させた
第4部 KOBUYの未来
▼さっそくこの本を読む
失敗しないDX
阿保晴彦、橋爪康太郎 時事通信社 2025-3-11
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阿保晴彦さん、橋爪康太郎さん、
素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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