
【コミュ力の本質を知るとラクになる】
ナレーター・声優の中村郁氏が、『発達障害・グレーゾーンかもしれない人のための「コミュ力」』と題して、発達障害という特性を生かした自然体のコミュニケーション術を伝授する一冊。
■書籍の紹介文
人とのコミュニケーション。
あなたにとって、それは楽しいものですか?しんどいものですか?
本書は、発達障害当事者でもある著者が、発達障害という自身に配られたカードの特性を生かした、苦しくならない自然体のコミュニケーション術を伝授する一冊。
明るく楽しく読めるのに、ビシッと核心をついた言葉が節節に出てくる。
そんな、緩急の効いた語り口にどんどん引き込まれていく空気感が癖になる本です。
タイトルのとおり、発達障害・グレーゾーンの方を対象にしています。
ですが、書かれている心構えや捉え方などは、人とのコミュニケーションに悩むすべての人にヒントとなることでしょう。
「ふつうじゃない」もしくは「ふつうの人とはちょっとだけ違う」。
このテーマの話になると、こうしたフレーズをよく見かけます(本書でもたくさん出てきます)。
ですが、そもそも「ふつう」ってなんなのでしょうか?
わたし達はひとりひとり、皆違います。
それを最大公約数的に均して、真ん中あたりのことを「ふつう」というのでしょうか。
多くの人がなんとなくやれていることができれば、「ふつう」なのでしょうか。
なにか、実態のない”正解”を意識し過ぎて、皆が「無理をしている(しなければならない)」ようにも見えます。
だからこそ、人と関わることが苦手だし、しんどいし、疲れてしまうのです。
ひとりひとり違うということを、「個性」と表現します。
違うということは、カードゲームのように配られるカードがバラバラだということです。
発達障害・グレーゾーンかもしれない人は、言ってみれば配られたカードの一部に「特別なカード」があったということです。
この「特別なカード」を、疫病神のジョーカーと捉えるか、幸運のラッキーカードと捉えるかは、プレイヤー(あなた)次第になります。
同じように、人付き合いが苦手、話し下手、緊張しいといった悩みの種も、みんな1枚のカードに過ぎません。
その配られたカードをどのように活用して自分らしく生きていくかは、まさにゲーム攻略法と一緒なのです。
個性という名の配られたカードは変更できません。
ならば、配られたカードをどう使って、世間様が押しつけてくる「ふつう」の圧を押し返すか、腕の見せどころですよね。
この本では、あなたのゲーム攻略に役立つヒントを明るく楽しくまとめています。
ヒントを活用しながらゲームを攻略することで、比例して、自分にとって生きやすい世界が手に入ります。
カードの活かした方がわかると、著者のように途端にゲーム(人生)が楽しくなるはずです。
ぜひ、あなたもあなたの攻略法を見つけてみてください。
◆学びの多い良書です。
発達障害・グレーゾーンかもしれない人のための「コミュ力」
中村郁 大和書房 2025-2-22
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■【要約】15個の抜粋ポイント
誰かと話すときには、事前に「伝えてもいい情報」と「伝えるべきでない情報」を自分なりに選別しておくことが大切です。
相手を困惑させないように、ということを基準に選別するといいと思います。
①等身大の自分でいる
②相手の意見を尊重する
③だめなところを隠さない
ぐちゃぐちゃ人間の守るべき三原則です。
あなたも、他愛もない複数人の会話は、バラエティ番組を見ている気分で参加してみてください。
コミュニケーションがとてもラクになることを実感してもらえると思います。
普段から人の話にかぶせがちだなー、と感じている人は、相手が話し終わって3秒数えてから話し出すようにしてみてください。
誰かに伝えたいことが出てきたら、必ず、一対一で話すことを心がけてください。
笑顔は周りをあたたかくすると同時に、自分自身を守ってくれます。
まずは鏡の前で、ニーッと口角を上げてみるところから始めてみてくださいね。
最初はぎこちなくても、だんだん筋肉が鍛えられ、笑顔が定着していきます。
わたしは、「自分はそうは思わない」ということは、どんなときでもはっきり伝えるようにしています。
これをずっと徹底しているので、妙ないざこざに巻き込まれることはなくなりました。
自分がどうにもできないことには、踏み込んではいけません。
さっと、引きましょう。
つらい気持ちや悲しい気持ち、怒りの気持ちは、素直に書き出す。
誰に見られるものでもありませんから、内容は自由です。
自分の心の中にあるぐちゃぐちゃな感情は、全てノートに預けてしまいましょう。
後になって見返してみると、そのとき苦しんでいた悩みは、過去のものになっていることに気づきます。
ほとんどの悩みや苦しみ、悲しみは、時の流れが解決してくれます。
ノートに書き出す作戦で、「今」を乗り切っていきましょう。
とにかく、認められたい、褒められたい。
それがマウント人間です。
究極の弱虫です。
相手にする必要はありません。
「すごいね、すごいね」と認めてあげることで、やがてマウント人間はあなたにマウントを取ることに飽きてきます。
そして次のターゲット探しの旅に出ることでしょう。
褒められてイヤな気持ちになる人などいません。
ならば、自分に対してきつく当たる人にこそ、プラスの言葉をどんどん投げかけてみましょう。
(略)
最初のうちはあくまで、ゲームだ、と思ってやることがポイントです。
つまり単なる「遊び」です。
本気になりすぎないことです。
陰で悪口を言うのは絶対にダメですが、褒め言葉は陰で言うと、効果的です。
わたしの大好きな言葉があります。
『配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ』
これは、あの可愛らしいスヌーピーの名言です。
不完全さは、愛嬌なのです。
あなたが持って生まれた大切な愛嬌です。
それは、誰にも真似することができない、あなただけの宝物です。
普通の人がどんなに手を伸ばして欲しがっても、あとから手に入れることはできないものなのです。
完ぺきな人は、人から愛されません。
どこか不完全な人に、人は魅力を感じるものです。
助けてあげたくなる。
手を差し伸べてあげたくなる。
あなたは、その魅力を持っているのです。
優しいあなたは、自分よりも相手を最優先に考えてしまうところがあるかもしれません。
しかし、いちばん大切なのはあなたの心です。
自分の心を大切にできるからこそ、人の心も大切にすることができるのです。
■【実践】3個の行動ポイント
【2164-1】「自分はそうは思わない」ということは、どんな時でもハッキリ言う
【2164-2】マウント人間には、言い返さず、「すごいね!」を繰り返して嵐が過ぎるのを待つ
【2164-3】お気に入りのアロマ(香水)の香りを持ち運んで、いつでも嗅げる環境をつくる
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】発達障害・グレーゾーンかもしれない人のための「コミュ力」
【著者名】中村郁 ・ 著者情報
【出版社】大和書房
【出版日】2025/2/22
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】明日の人間関係を良くしたいときに
【キーワード】人間関係、苦手克服、コミュニケーション
【頁 数】296ページ
【目 次】
1章 わたしたちに必要な「守りのコミュニケーション」!
2章 「コミュ力」に自信がない人のための会話術
3章 「あれこれ考えて動けない」ときの対処法
4章 感情に振り回されそうになったときの処方箋
5章 「クセ強め」の相手に支配されないために
6章 わたしたちの特性は「武器」にもなる!
7章 それでも心が「ぐちゃぐちゃ」になってしまったときは
▼さっそくこの本を読む
発達障害・グレーゾーンかもしれない人のための「コミュ力」
中村郁 大和書房 2025-2-22
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中村郁さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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