【いまこの瞬間を生きることに全集中せよ!】
曹洞宗徳雄山建功寺住職・枡野俊明氏が、『おだやかな人だけがたどり着く場所』と題して、禅の智慧をわかりやすく説きながら、心おだやかに生きるためのヒントを指南する一冊。
■書籍の紹介文
こころが乱れたとき。
あなたは、どのように対処していますか?
本書は、「心おだやかに日々を過ごしたい!」という願望を叶えたいのなら禅の教えが助けになると説き、心おだやかに生きるための平静な心の保ち方を指南する一冊。
◎心おだやかとは、喜怒哀楽を押さえ込むことではない。
◎生きる喜びを感じるためにも、存分に喜怒哀楽を味わっていい。
◎一点、喜怒哀楽で揺さぶられる感情の幅は小さく、時間も短く、だけは常に心がけよう。
これらを極めんとするのが”禅の道”であり、その過程で生まれ伝えられてきたのが”禅の教え”である。
ゆえに、心おだやかに生きたいと願うのなら、禅の教えがおおいに助けてくれる。
これが本書の骨子になります。
そのうえで、現代のわたし達がおだやかな心の保ち方を身につける方法を、数多く教え示していきます。
自分の心に蓋をすることで、おだやかだと”装って”いないだろうか。
この問いかけがくり返しでてくるのが、とても印象深く感じます。
そして、「あなたが蓋をしている”心”とは、”仏様”そのものなんですよ」という語り。
おもわずハッとさせられました。
心おだやかに生きたい!という願いを聞いてほしい”仏様”に蓋をしている。
そんな状態では願いが叶うわけない、苦しくて当然だと、見事な腹落ちです・・・。
蓋を開けるとは、すなわち、喜怒哀楽の感情を解放するということ。
解放したうえで、その感情に囚われ続けることなく、いまこの瞬間に集中して生きる。
この状態に一歩でも近づくことが、心おだやかに幸福に生きることに近づくことにつながります。
助けとなる、禅の教えがたくさん本書には示されています。
ぜひ、この機会に禅の世界に触れてみてください。
日々是好日、素晴らしい本です。
◆読んで良かったと心から思える一冊。
おだやかな人だけがたどり着く場所
枡野俊明 草思社 2024-6-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント
おだやかな人=喜怒哀楽がない人、ではありません。
むしろ、喜怒哀楽はおおいに結構。
喜怒哀楽がなければ、人間としての成長も、豊かな人生もあり得ないからです。
ただし「感情に囚われない、振り回されない」ことです。
そんな生き方に少しでも近づく道を、禅は説くのです。
自分の笑顔には、自分の周りにいる人たちをおだやかにする力があるのだと心得ましょう。
難しいことは、必要ありません。
相手がどうあれ、笑顔を返すよう努めることです。
そうして自分のごく身近なところから、おだやかさの輪を広げていく。
「あの人の周りには、いつも笑顔が溢れているな」
そんな人になるための、第一歩です。
(和顔愛語/わげんあいご)
自分以上でも自分以下でもない、「ありのまま」の自分として生きることです。
ありのままの自分には、無理がありません。
無理がないから疲れず、心おだやかに暮らすことができるのが道理。
それは、誰もが憧れる生き方です。
急いで言葉を口にしなくていい。
わずかな沈黙を恐れなくていい。
あなた自身、人からされて嫌だったことが、きっとあるはずです。
まずは、それをしないと心に決めるだけで、言葉も態度も確実に変わります。
煎じ詰めれば、禅が説いているのはこの一言に尽きるのです。
「一つひとつの所作を丁寧に、心を込めて」
比較するだけで終わりにしないこと。
「だったら自分は、こう生きよう」に繋げていくことです。
自分を磨き、妬み嫉みの一つ先に、進むのです。
すると次の場所が見えてくるのです。
禅の言葉に「喫茶喫飯/きっさきっぱん」というものがあります。
お茶を飲むときは、お茶を飲むことに心を集中し、お茶そのものになりきった気持ちでいただくこと。
ご飯を食べるときも同様に、ご飯以外のことを考えず、ご飯そのものになりきるよう努めること。
なにをするにも「喫茶喫飯」の心持ちでいれば、日々の生活すべてが修行になる。
これが禅の考え方です。
仕事をするにも、この考え方が大切だと思います。
まずは、難しいことを考えず「いまより30分早く起きる」ことです。
それも、忙しいときほど早起きを心掛けてください。
時間の余裕は、心の余裕の源です。
起きてもいないことを、恐れる必要はないのです。
禅即行動。
いまできることに集中し、頭から妄想を追い出してしまいましょう。
物事の判断は、朝が訪れて、世界が明るくなってからにしましょう。
夜のうちは、なにも考えず、なにも決めず、身体と心を休めることに徹するのです。
それが、心おだやかに、夜を過ごすコツです。
喜怒哀楽はおおいに結構。
ただし、感情の揺れの幅を小さく、揺れている時間を短くすることを心掛けましょう。
いっとき悩むことがあっても、すぐに頭を切り替えて、目の前にある課題解決のために行動することです。
うれしいことがあったときも、はしゃぎ過ぎて周囲の顰蹙を買ったり、慢心で足をすくわれることがないように。
いいことも悪いことも引きずらない。
限りのある時間を大切にするため、おだやかな心で生きていきたいものです。
「平常心是道/びょうじょうしんぜどう」とはそんな初心を思い出させてくれる禅語です。
不完全でいい。
いえ、不完全だから、いいのです。
「ここで完成」と自分で決め付けてはいけません。
死ぬまで「あともう一歩」の精神で、自分を磨いていきましょう。
(行住坐臥/ぎょうじゅうざが)
「これからどうやって生きていったらいい?」
人生に迷ったときは、胸の奥にいる仏様と語り合ってください。
私たちは、仏様と共に、人生を歩んでいるのです。
(本来面目/ほんらいめんもく)
私たちにできることは、「いま、この瞬間」の素晴らしさを自ら見いだすこと。
どんな一日も「ありがたい一日」として、生きること。
そうした姿勢があれば、どんな状況に置かれても、私たちのおだやかな生が妨げられることは、ないのです。
人生を豊かにするものは、その人の生き方そのものである。
「日々是好日/にちにちこれこうにち」という言葉は、そのことを教えてくれています。
■【実践】3個の行動ポイント
【2115-1】朝、30分早く起きることを習慣にする
【2115-2】「一つひとつの所作を丁寧に、心を込めて」を常に意識する
【2115-3】人にされて嫌なことは他人に絶対しないと決める
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】おだやかな人だけがたどり着く場所
【著者名】枡野俊明 ・ 著者情報
【出版社】草思社
【出版日】2024/6/18
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】心の平穏や導きがほしいときに
【キーワード】禅、マインド、メンタル
【頁 数】176ページ
【目 次】
第1章 決して囚われずブレない おだやかな人になるための心得
第2章 周りの人を味方につける おだやかな人の言葉の習慣
第3章 心の雑音を静め、おだやかに生きるための禅的お悩み解決
第4章 理想の場所にたどり着くためのおだやかな生活習慣
第5章 いつも心に留めておきたい おだやかな人になるための「禅語」10
▼さっそくこの本を読む
おだやかな人だけがたどり着く場所
枡野俊明 草思社 2024-6-18
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枡野俊明さん、素敵な一冊をありがとうございました!
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