【知識は満足すると”思い込み”に化ける!】
組織心理学者/アダム・グラント氏が、『THINK AGAIN』と題して、既存の考え方を新たな観点から見直す大切さを説きながら、柔軟な思考の育み方を指南する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
「あれ?自分の考え方は間違っている?」
こんなふうに思う瞬間はありませんか。
本書は、考えること・学ぶこと以上に「考え直す能力」は重要だと説きながら、思い込みを手放し、柔軟な思考を育む方法を指南する一冊。
人間には、つぎのような性質があります。
『人は疑うことの不快感よりも、確信することの安心感を好む』というものです。
この性質があることをきちんと意識していないと、ある大きな問題が起きます。
それは、自分の考え方が凝り固まり、『思い込み』という魔物に化けることです。
魔物に取り憑かれると、新しいものを受け付けず、他者の意見を排除する自分になります。
そして、そのことを異常だともまったく感じなくなってしまうのです。
このことがもたらす災いは、想像に難くありませんよね。
では、どうするのか。
ここで大切になってくるのが、『アンラーニング(既存の知識や習慣を捨てること)』。
すなわち、知識をリセットして、学び直す(考え直す)能力です。
めまぐるしく変化する現代を生きるためには、この能力が欠かせないと著者はいいます。
そして、ぜひ、あなたにも能力を磨き育んでほしいと書かれたのが本書です。
・新たな考えを受け入れる方法
・周りの人に再考することを促す方法
・生涯を通じて学び続ける社会や共同体を創造する方法
それぞれを段階的に説きながら、能力の育み方を指南していきます。
取り組んでいくことで、思い込みを手放し、発想を変える柔軟な思考が身につきます。
ときには、自分がもっとも大切にする部分にメスを入れなければいけないかもしれません。
でも、その先には、より強くよりしなやかな自分が待っています。
◆学び直すほど、進化する。
THINK AGAIN
アダム・グラント 三笠書房 2022-4-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント
知識の欠点は、時として未知を受け入れたがらないことだ。
人は、新しいことを受け入れる能力や積極的な意志があってこそ、よい判断ができる。
人生において、見直すこと、考え直すことはますます重要な習慣となっていく、と私は自信を持って言える。
人は能力が欠如している時、自信過剰になる傾向にある。
謙虚さとは、自信を控えめに持つことではない。
(略)
元来、「謙虚さ」とは、しっかりした知識や能力、つまり自分の過ちや不確実さを認識する力を表している。
自信とは、自己信頼度である。
それは、研究でも明らかになっているが、自分のやり方をどれほど確信しているかの度合いとは異なる。
私たちが手に入れるべきは、バランスの取れた自信と謙虚さだ。
つまり、自己の能力を信じながら、自分の解決方法が正しくない可能性、あるいは問題自体を正しく理解していない可能性を認めること。
そこから疑問が生まれれば、既存の知識を再評価するようになり、ほどほどの自信があれば、新しい見識を追い求めることができる。
自分の過ちから学ぶことができなければ、そして自分の間違いを発見することに喜びを見出すことができなければ、正しい判断をすることは非常に難しくなるだろう。
協調性とは、社会との調和を重んじることであって、人の考えに同調することではない。
つまり、非協調的でなくても異論を唱えることはできるということだ。
私は、相手の心を傷つけることは絶対にしたくないが、異議を申し立てることにためらいはない。
討論を戦いの場とすれば、そこには勝者と敗者が存在する。
だが、双方が討論をダンスと見るならば、手を取り合い、足並みを揃えて前進する方法を一緒に見つけていくことができるだろう。
人は当初から敵対心など持っていなくても、自分の考え方に異を唱えられたりすると、即座に守りの姿勢に入るものなのだ。
彼らの見解が理不尽だと伝えるだけでは人々の視野を広げるまでには至らない。
そうするためには、固定観念を持つ人に「反事実的思考」をしてもらうことだ。
つまり、別の世界を想定し、そこに住んでいたら何を信じるかを考えてもらう。
無知を回避するには『アンラーニング(既存の知識や習慣を捨てること)』が重要
私たちは他者に考えを改めてもらおうとする時、たいてい直感的に自分から話し始める。
だが多くの場合、相手の心を開かせるのに最も効果的なのは、耳を傾けることだ。
現実が複雑であるとは、知性を獲得し、進歩し続けるための新たな好機である
知識を頭の中に詰め込むだけが、教育ではない。
教育というのは、私たちが生涯にわたり草案を何度も描き直す習慣を築くこと、そして生涯にわたり学び続ける能力を培うことなのだ。
学びの文化を醸成するには、「心理的安全性」(不安を感じることなく問題や自分の意思を伝えられる状態)と「アカウンタビリティ」(説明責任)という組み合わせが必要である、ということに気づいた。
過去に戻って実験を行なうことはできない。
私たちにできるのは、現在において反事実的思考(すでに起こった事実とは別の過程や結果を想像すること)を行なうことだけだ。
重要なのは、将来の自己像のレパートリーを広げることである。
そうすることで、人は広い視野を持ち、再考を重ねることができるようになる。
■【実践】3個の行動ポイント
【1853-1】自信が溢れているときほど自分を疑う
【1853-2】過ちや失敗から学ぶ姿勢を大事にする
【1853-3】自分の意見と対になる意見を持つ人を大切にする
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】THINK AGAIN
【著者名】アダム・グラント
【出版社】三笠書房
【出版日】2022/4/18
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】考える力を身につけたいときに
【キーワード】発想力、思考、勉強法
【頁 数】424ページ
【目 次】
Part1 自分の考えを再考する方法
Part2 相手に再考を促す方法
Part3 学び、再考し続ける社会・組織を創造する方法
Part4 結論
この本で、あなたは変わる!
THINK AGAIN
アダム・グラント 三笠書房 2022-4-18
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アダム・グラントさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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