【書評:1830冊目】14歳からの「論語」(齋藤孝)

【難しい時代だからこそ、指針となる言葉を育め!】
明治大学文学部教授・齋藤孝氏が、『14歳からの「論語」』と題して、日本人の道徳観の礎になった「論語」の要点を、漫画を交えながらわかりやすく解説する一冊。

■書籍の紹介文

座右の銘となる言葉。
アナタは、どんな言葉を大切にしていますか?

 

本書は、難しい時代だからこそ、『論語』の伝える人生訓が生きる指針になると提起し、イメージしやすい4コマ漫画と端的な解説をとおして、『論語』の要点を指南する一冊。

 

恕(じょ)』。
これが、孔子が弟子に伝えた座右の銘といえる一字です。

 

思いやりを表す言葉。
転じて、「自分がされて嫌なことは、人に対してもしない」という教えになります。

 

まさに、現代社会への戒めではないでしょうか。
誹謗中傷や迷惑行為など、『恕』を欠いた愚かな行為が世の中に蔓延しています・・・。

 

さらには、生きづらさ、息苦しさ、重苦しさ、といった暗澹たる空気にも厚く覆われています。
こんな状況では、年齢を問わず、何を信じればいいのかという気持ちばかりが大きくなり、生きる目的を見出しづらくなっています。

 

そんな今だからこそ、『論語』の教えに目を向けてほしいと語りかけるのが本書。
孔子の熱く、温かく、厳しく、優しくの教えが、悩み多きわたし達を救ってくれると投げかけます。

 

苦しいときほど、なにかにすがりたくなるのが人の心。
ですが、なににすがるかを決めるのは、結局は自分自身です。

 

人から与えられたものにすがっていては、気持ちが晴れることはありません。
自分の人生、なにを大切に生きていくか、「生きる指針」を定めるのは自分でなければならないのです。

 

でなければ、いつまでも「自分」が主語にならない人生を生きることになります。
これでは、うまくいかないのは他人のせいだ、社会のせいだ、と騒いでいるうちに人生が終わってしまいます。

 

『論語』の教えは、脈々と日本人の道徳観に響き、日本人の心をつくってきたもの
きっと、アナタが「生きる指針にしたい!」と感じる言葉があるはずです。

 

この本で提示されている教えは、66個です。
生き方の悩み、人間関係の悩み、仕事の悩みなど、悩める人へのアドバイスが詰まっています。

 

パラパラとめくって、気にいった言葉を書き留めましょう。
それを指針に生活をしていくうちに、苦しさが少しずつ晴れていくはずです。

 

◆こどもにも、おとなにも。

14歳からの「論語」
齋藤孝 SBクリエイティブ 2022-2-23
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「教育は人を選ばない(どんな種類の人間も教育によって向上する)」。

 

思いやりがあってこそ賢さが生きる

 

「人として当然すべきことをしない傍観者的な態度は、勇気がない(人として当然なすべきことをなすことが大切だ)」。

 

「自分の欲に克ち、礼という規範に復(かえ)るのが仁ということだ。一日でもそれができれば、世の中の人もこれを見習い、仁に目覚めるだろう。仁を行なうのは自分次第だ。人に頼ってできるものではない」。

 

生き方され正しければ、結果には執着せず、現実を受け入れるのが孔子なのです。

 

成功を自分の力だと考えると、おごりや油断が生じます。
成功したのは運がよかっただけだと謙虚に考えることが大事です。
同様に、失敗した時に「自分は悪くない」と考えると、失敗を教訓にできません。
「なぜうまくいかなかったのか」「次はどうすればいいのか」を考え抜くことで、人は着実に伸びていきます。

 

有益な友は「人間のまっすぐな直なる者、誠実な者、知識のある多聞の者」です。

 

身内同士でこぢんまりとまとまっているのは気持ちがいいものですが、真の成功には広く才能を求め、苦言を呈する人も迎え入れることが必要です。
それは組織としても、個人としても同じことです。

 

子貢が「ただ一つの言葉だけで一生行なう価値のあるものはありますか」と孔子に尋ねました。
いわば座右の銘についての質問です。
孔子はこう答えました。
「それは恕(じょ)だね。思いやりということだ。自分が望まないことは、人にもしないように」。

 

下の人間は、上に立つ人の「人物」を見ています。
言葉よりも「誠意があるか、言行が一致しているか」で判断します。
誠意がなく言行不一致だと思えば、うわべだけ従ったふりをするでしょう。

 

組織を支え、人を動かすのは、ひとえに信頼関係です。
信頼がなければ、一人を動かすにも膨大な規則、会議、報酬が必要になり、コストがかさみます。
「信なくんば立たず」は、現代にも当てはまる組織原則です。

 

今を懸命に生きながら、将来への備えも怠らないことが、人としての理想です。

 

人生に「まだ早い」「もう遅い」はないのです。

 

人生は「四つの中から正解を選べ」という試験ではありません。
無数の道からどれを選び、どう進むかは自分の選択です。
世の中には理不尽なこともたくさんありますが、そう気づけば、あらゆる物事は「我が事」になるはずです。

 

仕事に限らず、いやいややるのはつらいものですが、そこに「趣味(面白み)」が加わると、「これはこうしたい」と自分で考えるようになり、のめりこむことができます。
孔子も、食事も心配事も忘れるほど物事に熱中し、楽しむ生き方をよしとしていました。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1830-1】率先して自分の行動から正していく

【1830-2】自分がされて嫌なことは、人に対してもしない

【1830-3】目の前の物事を楽しむ

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】14歳からの「論語」
【著者名】齋藤孝
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2022/2/23
オススメ度★★★☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養生き方子育て
【頁 数】160ページ
【目 次】
第一章 「学問」の教え
第二章 「道徳」の教え
第三章 「大成」の教え
第四章 「人間関係」の教え
第五章 「リーダー」の教え
第六章 「人生」の教え

 

この本が、あなたを変える!

14歳からの「論語」
齋藤孝 SBクリエイティブ 2022-2-23
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齋藤孝さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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