【書評:1334冊目】サバイバル決断力(印南一路)

【優柔不断から決別できる意思決定レッスン】
慶應義塾大学教授・印南一路氏が、膨大な情報や選択肢のジャングルを生き抜く「サバイバル決断力」の磨き方を指南する一冊。5つのフィルターで意思決定を強化しよう!

■この本の紹介文

自分の意思決定力。
強いほうだと思いますか?

 

本書は、意思決定の方法を学ぶことで優柔不断から脱却できると提起し、『意思決定のフォーマット』を5つのフィルターを通して指南する一冊。

 

意思決定、すなわち、決断は日々大きな影響を及ぼします。
誤った決断をしてしまうと重大な結果を招くことすらあります。

 

にも関わらず、日本人の多くは決断がとても苦手です。
考えることにエネルギーを使うことから逃げ、安直な決断をすることさえ頻繁に行っています。

 

こんな状態では、これからの世界ではいよいよ生き残れない。
きちんとトレーニングして、意思決定のフォーマットを身につけるべきだ、というのが本書のメッセージです。

 

なぜ、生き残れないのか?
日々進化を続けるデジタル社会では、玉石混淆の膨大な情報に常時晒されます。

 

その中から、適切な選択肢を選び決断をしなければ生き残っていけないからです。
これがうまくできないと、投資詐欺や悪質な情報商材に騙されたりといったことにもなりかねません。

 

もちろん、完璧な決断などというものはありません。
生き残ることを保証するものでもありません。

 

ですが、決断の質を高める努力を続ければ、後悔をすることがなくなります。
きちんとした手順で自分が決断したという自覚が、後悔を芽生えさせないからです。

 

失敗をくり返しながら、意思決定のトレーニングを行う。
徐々に「優柔不断」「後悔」という言葉が自分の中から出ていくのです。

 

◆骨太の良書!

■本がわかる!15の要約ポイント

数ある組み合わせの中から選ぶということは、頭を使ってエネルギーを消耗するということです。
考えるのは疲れるから、なるべく思考時間や労力を減らしたいという欲求が人間には働きます。

 

意思決定とは、最も狭い意味では、選択肢の中から選ぶこと、つまり「選択」を指します。
もう少し広い意味の意思決定は、これに判断が加わります。
客観的な情報収集を行い、それをもとに成功する確率を計算したり、立てた仮説を検証したりして、さまざまな角度から分析し、将来を予測して「この方法で行こう」と「判断」して選択することです。

 

AIの問題を考えることは、人間の意思決定、とくに決断を考えるうえで役に立ちます。

 

失われた時間は二度と戻ってきません。
意思決定できない人はその時間をムダ遣いしていることになるのです。

 

私は意思決定に何度失敗しても中期的に学習していけばよいと考えています。
そこに意思決定を学ぶ意味があるのです。

 

意思決定における問題設定と選択肢の生成には、論理的な思考力だけでなく、想像力・創造力にもとづく柔軟な発想が必要になります。

 

いくら選択肢が多くて一つに絞り込めないからといって、過度にエネルギーを節約するのは避けるべきです。
無意識に意思決定がゆがめられ、あとで後悔することになります。

 

失敗は間違いなく学びの宝庫です。

 

後悔しない購入をしたければ、いったん冷静になって自問し、実際に安いのか、本当に買う価値があるのかを疑ってみる姿勢が大事です。

 

●すぐれた意思決定に欠かせない「5段階フィルターモデル」
①Meta:メタ判断
②Choices:選択肢の生成・絞り込み
③Evaluation:選択肢の評価
④Decision:決断
⑤Learning:評価学習

 

メタ判断にはいくつかの段階があります。
最初に考えるべきは、真の問題は何かです。
これは意思決定自体の目的を考え、問題をきちんと定義することを意味します。

 

選択肢は誰かから与えられるものではなく、自分でつくるものです。
そして、選択肢が豊富なほど、一般的に意思決定の質も高くなります。

 

選択肢の価値は、「相対的な重要性×価値」の合計となります。

 

毎回最善の意思決定ができるわけでもありません。
そうした判断ミスを学びとして自身の血肉とするために、評価学習(振り返り)を取り入れる習慣をつけていくことが重要です。
そして、これがメタ判断の能力自体を向上させるのです。

 

●人生の決断から振り返る三つの経験則
(1)人生思うようにはいかない
(2)真摯な動機で決断すれば、必ず誰かが応援してくれる
(3)どんな意思決定も決断も、結局は限りある人生をどう生きるのかという問題につながる

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【1334-1】選択肢は本当にこれだけか?と常に自問する

【1334-2】「5段階フィルターモデル」を反復学習する

【1334-3】考えることから逃げない

 

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】サバイバル決断力
【著者名】印南一路
出版社NHK出版
【出版日】2018/11/20
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード決断発想力問題解決
【頁 数】208ページ
【目 次】
第1章 決断とは何か
第2章 なぜ日本人には意思決定のトレーニングが必要か
第3章 間違った判断が起きる典型的ケースを知る
第4章 すぐれた意思決定をするための5段階フィルター
第5章 実践!「サバイバル決断力」トレーニング

 

この本が、あなたを変える!

 

印南一路さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

■お知らせ

■【仲間大募集中!】101年倶楽部■
書評ブロガーの読書術を教えていきます。
読書の質を高めたい方は、ぜひご参加下さい!

■応援お願いします!■

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る