【書評:444冊目】億男(川村元気)

【お金があれば幸せですか?】
映画プロデューサー・川村元気氏が、図書館司書の一男の「お金と幸せの答え」を探す30日間の冒険物語を通じて、お金の価値を考察する一冊。突如、「億男」になると人は変わるのか?

■この本の紹介文

まずは、本屋で立ち読みでも構いません。
P.126とP.127を読んでください。

 

本書は、宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男の物語をとおして、「ほしいほしいと願うお金を手にしたとき、人はどうなるのか」を考察する一冊。

 

「お金が欲しい」
このことを肯定する人だけが、読むべき本だと感じます。

 

「お金が欲しい」という欲望の裏に、人はどんな感情を忍ばせているのか。
ソクラテス、ドストエフスキー、チャップリン、福沢諭吉、ビル・ゲイツ……、数々の偉人たちの言葉を使いながら、深掘りをしていきます。

 

「お金」と「幸せ」。
ここに何を求めるかは、人それぞれでまったく異なるでしょう。

 

だからこそ、自分が何を求めるかを知っておくことが大切である
そんなメッセージを感じる内容です。

 

読んでいるうちに、心苦しく感じるシーンもあると思います。
ですが、逃げずに深掘りしていきましょう。

 

なぜなら、自分の価値観に触れることができるからです。
つまり、生きていく上で、とてもたいせつなことに気づけるのです。

 

必ず読んでおくべきだと強く感じる。
そんな一冊です。

 

◆急にお金が手に入ったら…

■本がわかる!15の要約ポイント

お金があれば幸せだ、ということをもはや誰も信じていない。
(中略)
だが、お金がなくても幸せだ、というのがまやかしであることも皆が知っている。
大事なのは富ではなく心の豊かさだ、なんて嘘に違いない。
もしそれが本当だとしたら”お金では買えない幸せのかたち”とやらを見つけた人に、もっと出会っていいはずだ。

 

お金で幸せを買うことはできないかもしれない。
だが少なくとも、自由を手にいれることはできる。
好きなことをする自由。
嫌なことをしなくて済む自由。

 

お金のことを何も知らないくせに、金持ちになるなんて、一万円札になる人が許すはずがないのさ

 

三億円という数字が通帳に記入されただけで、姿かたちを見ることもなく終わる人生と、三億円の現金を実際に見て触れることのできる人生のどちらかを選べるのだとしたら、僕は絶対に後者をお勧めするよ

 

●自分の意思でコントロールできない3つのこと
・死ぬこと
・恋すること
・お金

 

あなたが欲しいものは、お金で買えないからこそ手に入れたいものだから

 

キミらみたいな貧乏人は、入ってくる金と、出ていく金をまるで別物やと思っとる。
だから目的もなくただ貯金してたかと思ったら、ある日突然浪費してみたりする。
金というのは入ってくるんと、出ていくんとを組み合わせて初めて意味が出てくるのに、その意識がないんや。
キミもあそこで競馬新聞を持っとるおっちゃんらも、こんなあたりまえのことを分かってへん。
というか分かろうとせえへん。
そんな奴らは一生金持ちにはなれへん

 

キミらみたいな貧乏人は、貧乏人のくせに道ばたの一円玉を拾わへんやろ。
ボクは必ず拾う。
さっきボクが一円玉を拾ったとき、キミはバカにした目でボクを見たやろ。
でも、一円を笑うもんは一円に泣くって、あれはホンマなんやで。
競馬がほんの数秒で勝負が決まるのと同じで、たった一円が勝負を分けることもあるというのんを、ボクらは知ってる。
使わんと貯めておけば、いつか大きな勝負がやってくる。
そのときに一円でも多いほうがええに決まってるやろ。
だから、来たるべき日に備えて一円でも拾う

 

この世界ではあたりまえちゃうことのほうがとかく目立つし、よく思われたりする。
でも勝つためには、あたりまえを見つける目が必要なんや。
そしてあたりまえのことを、あたりまえにやる。
ただそんだけでほとんどの勝負は勝つことができる。

 

僕らは何が欲しいか分からずに欲しがったり、失ったりしている

 

夢、そして信用。
それらは一度売ったら買い戻せない

 

「あなたがお金によって奪われた大切なもの。それは”欲”よ」
(中略)
「確かに欲は人を狂わせる。でもそれと同時に私たちを生かしている」

 

僕たちを幸せたらしめているものは何か。
僕たちの生を繋ぎ止め、明日へと生かすものとは何か。

 

幸せは、誰かと一緒でなければ手に入れることはできない。
ひとりでは難しい。
誰かと共有していなければ。
その幸せな、ひとときを。

 

人生に必要なもの。
それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。
想像力を持ち、世界のルールを知る。
そして勇気を持ってそこに踏み込む。
それさえあれば、ほんの少しのお金で充分だと思える。

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【444-1】お金の勉強をする

【444-2】「お金は必要である」と認める

【444-3】自然科学など、原理原則を学ぶ機会を増やす

 

■ひと言まとめ

自分にとっての、お金の存在を、ハッキリさせよう。

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】億男
【著者名】川村元気
出版社マガジンハウス
【出版日】2014/10/15
オススメ度★★★★★
こんな時にお金と賢く付き合いたいときに
キーワード教養金融リテラシーマインド
【頁 数】243ページ
【目 次】
一男の世界
九十九の金
十和子の愛
百瀬の賭
千住の罪
万佐子の欲
億男の未来

 

この本が、あなたを変える!

 

川村元気さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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