
【メンタルの好不調は何を食べるかで決まる!?】
精神科医かつ栄養士/ウーマ・ナイド氏が、『メンタルを強くする最強の食事術』と題して、栄養と精神に関する科学的根拠を軸に、メンタルを強くする食事法を解説する一冊。
■書籍の紹介文
気分が落ち込んでいるとき。
思い返すとよく食べている、そんな食べ物はありますか?
本書は、メンタルの中でもとくに「不安」に焦点をあて、栄養と不安の関係性を科学的に明かしながら、自分の力でメンタルを強くするための食事法をレシピ付きで解説する一冊。
「わたし達の体は摂取した食物の栄養で成り立っている」。
このことに異論のある方はいらっしゃらないとおもいます。
これに対して、著者は問います。
「ここでいう”体”には、『心』も含まれていることを意識できていますか?」と。
食事はメンタルにも大きく影響する。
言われれば「そうかもしれない」とおもいますが、正直あまり意識できていないのではないでしょうか。
現に、「体にいいから〇〇を食べよう」とはよく聞きますが、「心にいいから○○を食べよう」とは聞きませんよね。
ここに警鐘を鳴らすのが本書です。
まずは、栄養とメンタルの関係性について、科学的根拠に基づき、押さえておきたい知識を解説していきます。
そのうえで、メンタルを意識した食事習慣を心がけることで得られる計り知れない恩恵を説きます。
メンタルは、脳からの影響を強く受けます。
対して、脳は腸と強い相関関係にあることが本書でわかります。
そして、腸とは摂取した食物から栄養素を体に吸収する器官です。
ゆえに、「何を食べるか」によって「メンタル」は”影響を受ける”というわけです。
栄養学と精神医学、両分野のプロフェッショナルである著者だからこそまとめ上げられた一冊だと言えるでしょう。
専門的かつ内容量も多い本ですが、苦にならない、むしろ読み進めるごとに「もっと知りたい!」となっていく熱量と読みやすさです。
自分のメンタルを食事を通じて整え強くしていく。
新たな食事との向き合い方の視座が得られる、とても有意義な一冊だと強く感じます。
◆食生活の改善に!
メンタルを強くする最強の食事術
ウーマ・ナイド SBクリエイティブ 2024-12-26
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■【要約】15個の抜粋ポイント
食事が感情や気分にどのような影響を与えるかを研究する医学分野は、栄養精神医学と呼ばれます。
現代の研究によって、腸は感情を制御するうえで極めて重要な役割を果たしており、腸の不調は、不安症などの精神的な苦悩につながると証明されています。
腸内マイクロバイオーム(腸内に生息する多種多様な微生物とその遺伝物質)を健康に保つために、もっとも重要かつ自分でコントロールしやすい環境要因は、食事です。
あなたが食べるものは、同時にあなたのマイクロバイオームの食事でもあるため、食事は細菌叢のバランスに大きな影響を与えます。
慢性的なストレスは、感染症、心血管疾患、糖尿病、いくつかのがん、自己免疫疾患、および一般的な虚弱さや死亡のリスクなど、数多くの疾患のリスク上昇と関連づけられています。
不安は不健康な食生活を促し、不健康な食生活は炎症を悪化させ、炎症はさらなる不安を引き起こします。
(大抵の場合)レプチン濃度が高ければ不安は減り、レプチン濃度が低いと不安は増します。
不安に襲われると多くの人たちは、脂肪の貯蔵量が減るよりむしろジャンクフードを食べつづけて体重が増え、それが代謝に異常を来し、さらに不安を増幅させます。
この悪循環を断ち切るには、健康的な食生活を送るしかありません。
特定の主要栄養素をほかの主要栄養素よりも優先するのは、不安を悪化させるリスクがあるとわかってきました。
たとえば脂質を制限すると、不安症との闘いに非常に重要な、オメガ3脂肪酸が不足する可能性があります。
一方で、糖質をカットしようと炭水化物をむやみに制限すると、腸内マイクロバイオームの制御に必要不可欠な食物繊維が十分にとれなくなるかもしれません。
また、タンパク質を制限(もしくはタンパク質の種類を制限)すると、トリプトファンなどの必須アミノ酸が不足する可能性があります。
ですから、わたしが患者に食事療法のアドバイスをするときは、極端な考え方に陥らないよう伝えています。
食物繊維は不安を軽減する食事に欠かせない要素です。
(略)
エネルギーには変換されませんが、食欲を抑制し、消化を遅らせ、老廃物の排出を促し、腸内マイクロバイオームを健康にするなどします。
ビタミンDはうつや不安がもたらす否定的な感情を軽減し、不足するとうつや不安の症状が出やすいことがわかっています。
果物と野菜の摂取量がもっとも多い人々は幸福度がもっとも高い傾向が見られ、摂取量を少し増やすだけで大きな効果がもたらされることがわかりました。
(略)
果物と野菜に含まれているポリフェノールはあまりに種類が多いため、どの食べものにどの化合物が含まれているかいちいち確かめる必要はありません。
さまざまなポリフェノールをとるいちばんの方法は、いろいろな種類の果実、野菜をとり入れた、変化にとんだ食事をすることです。
大まかなやり方としては、たくさんの異なった色の果物、野菜を食べるといいでしょう。
店のなかを歩いているとき、あるいは買い物リストをつくるとき、カームフード(CALM FODS)を忘れないでください。
C:アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツなど)
A:抗炎症作用、抗酸化作用のある食品(ナッツ、緑茶など)
L:豆類と葉物野菜(大豆、ほうれん草など)
M:微量栄養素(ミネラル)
F:食物繊維と発酵食品(野菜、豆類、味噌、ヨーグルトなど)
O:オメガ3脂肪酸(鮭、ナッツなど)
O:油(オリーブオイル、アボカドオイルなど)
D:ダークチョコレート(選ぶ際は砂糖に注意!)
S:スパイスとハーブ(ターメリック、パプリカなど)
●Dr.ウーマの心を落ち着かせる6つの柱
第1の柱:健康的な食品を選ぶ
第2の柱:色とりどりの万華鏡のような食事
第3の柱:微量栄養素を重視する
第4の柱:健康にいい脂質を優先する
第5の柱:不安の引き金となる食べものを避ける
第6の柱:楽しくて持続可能な食事
理論的には、地中海食は穏やかな心を保つのに必要な食べものをとり入れるための戦略になりえるのです。
食事法は個々人の必要に基づいた自己改善のための枠組みなのです。
人は恥ずかしいという思いや自己批判、劣等感から自制心を失い、食習慣を変えて、自分がやり遂げようとしていることを損ねてしまうことが研究で明らかになっています。
<重視すべき点>
・自己愛と自尊心
・自己調律
・自分自身の心に耳を傾ける
・自立する
・自己改善
<注意すべき点>
・完璧主義
・自己批判
・他人に決めてもらう
・自己嫌悪
・不安を大きくとられる
■【実践】3個の行動ポイント
【2159-1】「体に悪いかも」と感じる食べものを遠ざけるよう意識する
【2159-2】日光をよく浴びるように意識して生活する
【2159-3】『カームフード(CALM FODS)』を意識して食材を選ぶ
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】メンタルを強くする最強の食事術
【著者名】ウーマ・ナイド
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2024/12/26
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】心の平穏や導きがほしいときに
【キーワード】メンタル、食生活、健康法
【頁 数】320ページ
【目 次】
第1部 メンタルと食 何が問題か?
第2部 いったい何を食べればいいのか?ー解決策
第3部 メンタルにいい食事・献立
付章 メンタルを強くする最強レシピ
▼さっそくこの本を読む
メンタルを強くする最強の食事術
ウーマ・ナイド SBクリエイティブ 2024-12-26
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ウーマ・ナイドさん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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