【書評:2147冊目】「伝える」極意(草野仁)

【会話の「前」「本番」「後」にあるプロの真髄を見る】
TVキャスター・草野仁氏が、『「伝える」極意』と題して、多くの実体験された著名人とのエピソードを交えながら、”思いが伝わる言葉の作り方”を指南する一冊。

■書籍の紹介文

「世界ふしぎ発見」等でおなじみの草野仁さん。
あなたは、草野さんの話し方についてどんな印象をお持ちですか?

 

本書は、「そのときに生きた人間として何を表現するか」について私達はもっと自覚を持つべきだと提起し、キャスター歴57年で培ってきた『伝える極意』を指南する一冊。

 

「穏やか」「口調が丁寧」「聞きやすい」「安心する」・・。
草野さんに対して、多くのかたがこのような印象を持つのではないでしょうか。

 

こうした印象を、草野さんがいかに「伝えること」を通して築き上げてきたのか。
その真髄を一冊に凝縮したのが本書になります。

 

もちろん、書籍なので読んでいるのは”文字”です。
ですが、草野さんのあの耳心地のよい”声”で語りかけられている感覚になり、とても心地よく読めました。

 

この、読み心地がよいというのは、内容も自然と頭に入ってくることを意味します。
つまり、とても”伝わる”ということです。

 

この”伝わる”を実現するために、伝える【前】【本番】【後】に意識していることがまとめられています。
どれも、心がけ一つで習慣にできることばかりですのでぜひ挑戦してみてください。

 

余計なものはなく、よく構成された”濃い本”だとおもいます。
コミュニケーション力の向上に役立てていきましょう!

 

◆著名人とのエピソードも必読!

「伝える」極意
草野仁 SBクリエイティブ 2024-12-7
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■【要約】15個の抜粋ポイント

私が「こうあったらいいな」と思う、理想のコミュニケーションとは、その場に関わる一人ひとりの思いを想像し、全員がひとつにまとまれるような場をつくるよう、心をくだくことです。

 

私がインタビューの前に必ず行っているのは、取材対象となる方の情報を、できる限り多く集めておくことです。
相手に失礼のないように、ということはもちろんですが、不安なく、確信をもってその場に臨むためには、十分な下調べが必須です。
できる限り細かく、具体的な情報を集めるように心がけています。

 

情報収集と同様に、気になる言葉や新しい言葉に出合ったら、すぐに調べることも大切です。
とくに私たちの仕事では、調べることは当たり前。
できればなるべく詳しく掘り下げて、誰に対してもわかりやすく説明ができるくらいの段階まで到達するのが理想的です。

 

相手にまつわる事実やエピソードを調べることはもちろんですが、相手が自分に何を求めているか、また、インタビューに何が求められているのかを汲みとることも、実は大事な「情報収集」です。

 

日常会話と放送用の会話は、通常は別物として考えられています。
ですが私は、もしも日常会話が録音されて流されたとしても、放送として通用するくらい、自分の会話のレベルそのものを上げていくのが大事ではないだろうかと思ったのです。
「レベルを上げる」とは、(略)、誰にでもわかる易しい言葉を使って、誰もが耳にした瞬間に「そうそう、そうだ」と理解できる会話をする、ということです。

 

アナウンサーに限らず、「この人の話は聞き取りやすいな」とか「あの人のような話し方がしたい」と感じた人の話し方に耳を傾けてみると、何か自分に取り入れられそうなことがきっと見つかるのではないでしょうか。

 

自分の知らない話題が出てきて、「どういうものか教えて」と尋ねることも多くあります。
自分の立場や年齢にこだわらず、常にオープンな姿勢でいること。
年代や性別、職業の違いを超えて、なるべく幅広いジャンルの人たちとコミュニケーションを交わす習慣を持つこと。
これは自分自身の幅を広げる上でも、とてもいいことだし、大事なことだと思います。

 

「うまくやろう」と思わないことも大切です。

 

自分の声がどんな声なのかを知るのも、自信をもって話すには大切なことかなと思います。
簡単にできるトレーニングとしておすすめしたいのは、声が反響する場所で、しゃべりたい内容を声に出して言ってみることです。
普段話す声のボリュームよりも一段大きく、思い切って声を出してみてください。

 

相手に伝えるときに大切なのは、自分自身の「今ある姿」を見せることです。

 

言葉で自分の意思を伝えることを躊躇してはいけません。
豊かに生きていくためには、自分の言葉を通して相手にきちんと伝えることを、控えめにしてはいけない。
相手にわかってもらえるように、言葉で伝える努力をしないといけないのです。

 

自分の考えを伝えるときは、「言いたいことを言って終わり」ではなく、相手に自分の言いたいことがどれくらい伝わったのか、いつも振り返る習慣をもっていると、「今回はあの言葉がよくなかったかな」「あそこでもう少し言葉を補うとよかった」と、そのときの経験を次に活かすことができるようになります。

 

本当の感情を気付かれないように表情を作ったつもりでも、目だけは嘘をつけないのです。

 

ほかの人からのアドバイスは、自分が見落としていたり、意識していなかったりする部分を気付かせてくれます。

 

「書く」ことも、「伝える」ための大事な方法のひとつです。
ですから、日常使う文章と、大切な要件や重要な場面で使う文章の、両方を使い分けられるようになったほうがよいと思います。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2147-1】聞いたときにすぐ意味の伝わる言葉を使うように心がける

【2147-2】「この人は話し方がうまいな」と感じた人の話し方を観察して真似る

【2147-3】知らない言葉は調べ、知らない知識は恥じずに聞く

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】「伝える」極意
【著者名】草野仁
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2024/12/7
オススメ度★★★☆☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワード話し方準備力思考
【頁 数】216ページ
【目 次】
1章 プロが「伝える」前にやっている10のこと
2章 相手の心をつかむ「伝え方」ベスト16
3章 「伝えた」後に実践したいシンプル4習慣
4章 マスターに聞く! 伝える極意・10のQ&A

 

▼さっそくこの本を読む

「伝える」極意
草野仁 SBクリエイティブ 2024-12-7
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草野仁さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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