【書評:2125冊目】バリューのことだけ考えろ(松永エリック・匡史)

【不確実な時代だからこそ本当に集中すべきこととは】
ビジネスコンサルタント/松永エリック・匡史氏が、『バリューのことだけ考えろ』と題して、ビジネスマンとしての生き残りを左右する「バリュー思考」を指南する一冊。

■書籍の紹介文

ビジネスの大原則。
ひとつ挙げるとしたら、あなたはなんと答えますか?

 

本書は、ビジネスがどのように変化しようとも、生き残るためには”真のバリュー”を提供し続けるしかないと提起し、そのために必須となる思考法とノウハウを指南する一冊。

 

『バリューを発揮し、その対価を受け取る』
これが、過去も、そしてこれから先の未来永劫も、変わることのないビジネスの大原則です。

 

バリューとは、日本語にすると「付加価値」になります。
あえて書きますが、「価値」ではなく、「”付加”価値」です。

 

あなたは、この違いを理解した上で日々の仕事をしていますか?
この”付加”という2文字が付くか付かないかを、軽く考えていませんか?

 

このように眼光鋭く詰問されているような緊張感を感じながら、著者の指南がはじまります。
その様は、「すぐ使えるような小手先のテクニックだけ教えて〜」という生半可な読者を振り落とすかのように厳しいです。

 

顧客の要求に対して、価値を提供して、対価を得る。
顧客の要求に対して、付加価値を提供して、対価を得る。

 

この違いの中に、社会情勢やビジネスがどのように変わろうとも、生き残り続ける人間になるための要諦があります。
それをぜひ掴み取ってほしいと願いながら、著者は全身全霊をかけて「バリュー」を説いていきます。

 

有益な情報も一瞬で広まってしまうように、ライバルとの差をつけにくい現代社会。
そんな環境であっても、「あなただからお願いしたい」と顧客に言わせるためにも、わたし達は付加価値を提供し続けなければいけません。

 

「わかっているよ!わかっているけどさ・・・」
「これ以上、なにをどうすればいいっていうんだよ・・・」

 

耐えられず、膝から崩れ落ちそうになっている人も多いことでしょう。
それでも踏ん張って前を向こうとする人たちの背中に、バチンッと気合いを入れるような一冊です。

 

悩み迷走してしまうときほど、情報や知識を詰め込み過ぎということが往々にしてあります。
そんなときは、本書のような指針が明確かつシンプルで、本質的な書籍がオススメです。

 

ビジネスの大原則は、『バリューを発揮し、その対価を受け取る』ことです。
あなたが発揮できる”バリュー”は、なんですか?

 

◆張りつめた空気感がクセになる一冊。

バリューのことだけ考えろ
松永エリック・匡史 SBクリエイティブ 2024-6-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

バリューを差し出すべき相手は何を求めているのか。
まずはニーズを把握した上で、相手の想定・期待を上回って、初めてバリュー(=対価)が生まれる。

 

クライアントからの信頼を獲得する道に王道はない。
誰も思いつかないようなイノベーティブなアイデアで信頼が生まれるのではない。
着実に仕事をこなすことが信頼を一歩一歩積み上げていくのである。

 

突き詰めると、「バリュー」は一人称から導かれる概念である。
他者から認められたいという承認欲求からバリューは生まれない。
まずは自分で自分の価値を認めることがスタート地点だ。
それを突き詰めた先に、結果的に誰からも認められるバリューが生まれる。

 

タスク管理ができない者はタスク設計もできない。
そうなると、プロジェクトが炎上してしまう。
そういう意味でタスク管理は、経験の長さによらず、すべてのコンサルタントの価値を左右する重大なスキルなのである。

 

ヒアリングにおいても、共感を起点にしよう。
ヒアリングを単なる情報収集の場にしてしまうのはもったいない。
ポジティブなリスペクトを伝えることでクライアントは心を開いてくれる。

 

コンサルタントは相手を見下した時点で終わりである。

 

フレームワークを使うなら徹底的にその背景を理解し、フレームワーク自体をリスペクトすることだ。
私はフレームワークを否定しているのではない。
むしろ、その意義を深く理解し、それを最大限に活用するための徹底的な勉強と準備が必要だと考えている。

 

「忙しい」はインプット/アウトプットができない言い訳にならない。
人一倍のインプット習慣があるから、常にクライアントにバリューを提供できる。

 

ツールは使い倒してなんぼである。
実際に触れるからこそ深い洞察が得られる。
洞察がない意見はどうしたって浅くなるし、バリューを生み出すことはできない。

 

正しい/正しくないは置いておいて、真正面から自分の頭で考え抜いてみたのかどうかが重要である。
新しいテーマにぶつかったとき、常に疑問を投げかけ、自分の頭で考える癖がつけば、自ずと独自の視点を持つことができるようになる。

 

自分が窮地に陥ったとき、手を差し伸べ、救ってくれる人はメンターになり得る。
プロジェクトが暗礁に乗り上げたときほど、ケイパビリティ以外の人間の本性が表れる。
そこで人を見極められるかが重要だ。

 

プライドのために人生を棒に振るくらいなら、他の道を探した方がいい。

 

意識すべきは常に現在の自分の上のポジションの振る舞いである。
優秀なコンサルタントは、コンサルタントのポジションですでにマネージャーのような振る舞いをするものだ。

 

「マネージャーをバカにするなら、マネージャーになってから言え」と伝えたい。
自分の狭い世界を前提に文句を垂れていても空虚でしかない。
社内の人間をリスペクトできない人は、クライアントにもその態度がしみ出てしまう。
一事が万事、自分で隠せると思っていることもバレバレである。
まずは相手への惜しみない敬意と尊敬からすべては始まる。

 

社会人になると、「耐えること」が美徳だと勘違いし、自分が気持ちいいと思うことを蔑ろにしてしまう。
官能感を失い、我慢ばかり。
言うまでもなく一番に考えなければいけないのは、自分にとっての官能、ひいては幸せである。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2125-1】『凡事徹底』を常に意識して行動する

【2125-2】フレームワークなど先人の知恵を使うのなら、原書を読み込むくらいに勉強をしてから使う

【2125-3】85歳までの具体的な人生設計(マネープラン含め)を立てる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】バリューのことだけ考えろ
【著者名】松永エリック・匡史著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2024/6/30
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード思考発想力働き方
【頁 数】240ページ
【目 次】
序章 プロフェッショナルならバリューにこだわれ
1章 クライアントのニーズに応えるための基本作法
2章 プロジェクトを成功させられる人の思考法
3章 市場価値を高めるための自己研鑽
4章 ハードワークに負けないメンタル管理・コンディショニング
5章 バリューを出し続けた先に見えてくるもの

 

▼さっそくこの本を読む

バリューのことだけ考えろ
松永エリック・匡史 SBクリエイティブ 2024-6-30
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松永エリック・匡史さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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