【書評:2117冊目】発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術(中村郁)

【自分が活きるバランスを見つける】
ナレーター・声優/中村郁氏が、『発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術』と題して、同じ悩みを抱える人を勇気づけるべく、簡単にマネできる成果の出た仕事術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

周りの人はできるのに、なんで自分はできないんだろうか・・・。
仕事をしていて、そんなふうに感じている悩みはありませんか?

 

本書は、「発達障害」の当事者として同じような悩みを抱える人を勇気づけるべく、実際に成果の出た、カンタンにマネできる100個の仕事術を指南する一冊。

 

・遅刻をしてしまう
・期限を守れない
・意思疎通がうまくとれない
・感情のコントロールが難しい

 

「発達障害」という言葉を聞くと、このようなイメージを持ちます。
パッと浮かんだものだけでも、”一緒”に仕事をすることを考えると厳しいという印象を持ってしまいます。

 

ですが、これらの要素は「発達障害」を持つ人に限った話ではありません。
書籍タイトルに”グレーゾーン”という言葉があるように、「発達障害」と診断された人でなくても、気質の傾向として持ち合わせている人もいるでしょう。

 

そのように捉えてみると、本書のメッセージが見えてくる気がします。
『他人に惑わされず、自分の特性をきちんと理解することで、その特性を最大限に活かす方法が見つかる』というものです。

 

わたしは「発達障害」だから周りの人と同じようにはできない。
このように決めつける必要はありません。

 

また、「発達障害」を持つ人が同じ職場にいる健常者の場合。
「発達障害」を持つ人はそういう人達だから仕方ない、と勝手に決めつけてはいけません。

 

まずは、自分は何ができて何ができないのか。
ここを整理するところから、自分の特性を活かす方法の構築ははじまります。

 

そのガイド役として、本書は役立つでしょう。
「発達障害」の当事者として、長年戦ってきた中で「こうやったらうまくいったよ!」という仕事術を、100個も収録しています。

 

なにより、「少しでも同じ悩みを抱えている人の役に立ちたい!」という熱意をすごく感じます。
(文字で書くと上から目線な物言いに見えてしまって申し訳ないですが・・・)

 

きっと、いま、あなたが仕事で抱えている悩みを解決する方法(ヒント)が見つかるはずです。
当事者だからこその表現が、よい刺激になるとおもいます。

 

諦める必要もなければ、他人の評価に支配される義務もありません。
自分の特性を理解し、特性を最大限に発揮する方法を見つけ、職場や社会に貢献していく。

 

そのためにも、自分オリジナルの”自分取扱説明書”をつくってみようかな。
そんなリラックスした気持ちで読んでみてください。

 

◆パワフルな一冊!

発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術
中村郁 かんき出版 2024-7-10
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■【要約】15個の抜粋ポイント

私たち発達障害を持つ人に最も必要なこと、それは「常に自分を疑う」ということです。
生活において、仕事において、トラブルが発生したとき。
まず疑うべきは、「自分」です。
トラブルが起きる8割の原因は、自分にあると心に刻んでおきましょう。

 

どんなに細かいことでもやるべきことをすべて書き出す。

 

身の回りのものをすべて機能性重視で揃えておくことで、緊急時にも対応することができるのです。
備えあれば憂いなし。
転ばぬ先の杖。
降らぬ前の傘。
私たちが肝に銘じておくべき言葉です。

 

とりあえず5分やってみて、全然エンジンがかからない場合、それは今やるべきではないことです。
嫌々やってもいい成果は出ません。
一旦やめてしまいましょう。

 

仕事を選ぶ際の基準として、「やり込み要素の多い仕事」かどうか、一度想像してみてください。
ワクワクしてきたら、相性がいい証拠です。

 

チームで何かに取り組む際には、自分にできることをいち早く見つけ、その点においては誰にも負けないくらいがんばることが大切です。

 

相手を信用すると決めたら、自分が「トカゲ」になったと想像してください。
信用は、トカゲのしっぽの部分に任せるのです。
体全体で信用してしまうと、もし相手の行為が信用に足るものでなかった場合、大きなダメージを受けてしまいます。
しっぽに任せていたなら、相手が信用を失う行為をした場合、ちょんとしっぽだけを傷み少なく切り離し、あなたの心を守ることができます。

 

あなたも苦手な人がいるのなら、ぜひ観察日記をつけてみてください。
ただし!その日記は決して家から持ち出してはいけません。
ひっそり隠しておきましょうね。

 

仕事をする上で私が最も大切にしていること。
それは、その場にいる一番立場の弱い人に寄り添うことです。

 

「知らない」と言える勇気を持ちましょう。
素直なあなたに、周りの人は手を差し伸べてくれます。
自分を大きく見せる人には、誰も手を貸してくれません。
知らないことは、今この瞬間から知っていけばいいのです。

 

無理をして自分に嘘をついていると、いつか心が壊れてしまいます。
そうならないためにも、信頼できる人を見つけて毒を吐くことが必要なのです。
ちなみに私は信頼できる人と出会う前は、愛犬に辛い出来事を聞いてもらっていました。
人間である必要もありません。
あなたが絶対信頼できる場所で毒を吐きましょう。
毒を吐くのは1カ所に限定。
あなたの心を守りつつ、信頼も落とさずにいられる唯一の方法です。

 

1時間前に到着すると、遅刻を防ぐだけでなく、心に余裕が生まれます。

 

遅刻する、ということは、相手からその貴重な時間を奪う行為です。
時間だけは、何をしても取り返すことはできません。
人の時間を奪うことは最大の悪だと思い込むようにしてください。

 

あなたを攻撃する人には、「磨いてくれてありがとう」と心の中で呟きましょう。
ただの紙ヤスリは、そのうちボロボロになっていくので、放っておきましょう。

 

他人の評価はあくまで他人の評価です。
左右されないでください。
誰かの一番になれなくてもいい。
あなたは、あなたにとっての永遠の一番であってください。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2117-1】1冊のノートに、「やるべきこと」と「期限」をすべて書き出しておく

【2117-2】苦手な人物ができてしまったら、その人の観察日記をつける

【2117-3】「生まれてきてくれてありがとう」と鏡の中の自分に声をかけてあげる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術
【著者名】中村郁著者情報
出版社かんき出版
【出版日】2024/7/10
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方習慣術苦手克服
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 大きなミスをしないための回避法
第2章 環境を整えるライフハック
第3章 得意を活かし、不得意を補う仕事術
第4章 失礼にならずにすむ「守り」のコミュニケーション術
第5章 いつも忘れずに持ち続けたいマインド
第6章 苦手な朝と遅刻癖を克服する習慣
第7章 落ち込んだ時に復活するマジック

 

▼さっそくこの本を読む

発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術
中村郁 かんき出版 2024-7-10
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中村郁さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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