【書評:1664冊目】ニッポンじゃアリエナイ世界の国(斗鬼正一)

【「ありえない!」世界ツアーへようこそ!】
文化人類学者・斗鬼正一氏が、『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』と題して、日本から見ると「ありえない!」各国の文化を紹介しながら、裏側の歴史や風習を解説する一冊。

■書籍の紹介文

「ありえない!」
おもわず驚いた外国の文化はありませんか?

 

本書は、日本人からすると「ありえない!」と言いたくなる各国の文化を紹介しながら、その裏側にある歴史や風習を、子どもと一緒に楽しめる形で解説する一冊。

 

世界200カ国のうち、39カ国の「アリエナイ!」文化を紹介します。
教養系の雑学バラエティ番組の感覚で、楽しくノリツッコミしながら学ぶことができます。

 

映画やドラマでよくみるけど、アメリカのトイレのドアはなんであんなにスキマが大きいの?
スペインの牛追い祭りは、なんであんなに命がけなの?
シンガポールの街並みって、なんであんなにキレイなの?

 

このような知識を、楽しく学べるようにイラスト付きで解説。
【「アリエナイ!」文化の紹介ページ】と【「なるほど!」と納得の解説ページ】で構成されています。

 

外国人労働人口の増加、インバウンドでの訪日外国人の増加・・・。
海外と日本がかつてないほど近くなった今だからこそ、目を通しておくのにいいタイミングだとおもいます。

 

「アリエナイ!」と拒絶したり、「日本の常識に従え!」と強要したり。
壁をつくるのではなく、「へぇ〜、おもしろいね!」「日本ではこうなんだよ」と理解し合う土壌の醸成に役立つ一冊です。

 

とくに、まだまだ頭の柔らかい子どもに読ませてほしい。
多様性を育む心を育てるためにも。

 

多様性が叫ばれる昨今。
その心を育むための一歩に、これくらいラフな一冊もいいですね。

 

◆国の数だけおもしろさがある!

ニッポンじゃアリエナイ世界の国
斗鬼正一 SBクリエイティブ 2020-4-18
売上ランキング(公開時):86,320
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■【要約】15個の抜粋ポイント

シンガポールはとてもルールのきびしい国です。
たとえば、道にツバをはくと最大で8万円も払わなければいけません。

 

シンガポールの政府は、いろいろな人が住んでいても、街が清潔で治安が守られるように、ここまできびしいルールを作っているのです。

 

「NO」はふつう首を横に振りますが、トルコでは、アゴをくいっと上げて「チッ」と舌うちします。
知らなければ「YES」のジャスチャーとまちがえたり「何か失礼なことを言ってしまったのかな」と少し心配になったりしますが、トルコではこれがふつうなのです。

 

ロシアのサンタクロースはジェド・マロースという青いおじいさんです。
名前の意味は「寒いおじいさん」。
一緒にいるのもトナカイではなく、孫娘である雪の妖精・スネグラチカです。
寝ている子どもにプレゼントを届けに来るのは同じですが、やって来る日も12月31日、大みそかの日です。

 

ソ連の時代に人々が宗教を信じることを禁止しました。
サンタクロースはもともとキリスト教の聖人ですが、キリスト教が禁止されたことでクリスマスやサンタクロースもなくなってしまいました。
そこで、ソ連の人たちは、クリスマスがなくなってしまったため、新年をお祝いすることにし、サンタクロースの代わりにジェド・マロースがやってくることにしたのです。
ジェド・マロースとスネグラチカはキリスト教がロシアに来る前から信じられていた昔話に出てくる雪の精霊です。

 

スパゲッティやピザがおいしいイタリアですが、イタリアには大人になっても「親ばなれ」のできない人が多い、といわれます。
実際に、イタリアの男の人の3割ぐらいが、大人になっても親と一緒に住んでいるそうです。

 

英語ではびっくりしたときなどに「オー・マイ・ゴッド!」(私の神さま!)と言うことがありますが、それがイタリア語では「マンマ・ミーア!」(私のお母さん!)となります。
英語を話す人たちが「神さま」と言うところがイタリアでは「お母さん」になる……イタリア人にとってお母さんがどれだけ特別なものかよくわかるのではないでしょうか。

 

アメリカのトイレも日本のように小さな部屋に分かれていますが、ドアの上下が短く、大きなすきまが空いています。
日本人なら絶対に落ち着いて用が足せないトイレです。

 

なぜこんな丸見えトイレが作られたのかといえば、実はアメリカの犯罪と深く関係しています。
アメリカではトイレでチカンが女性をおそう事件がたくさん発生するので、それを防ぐため、外からでもわかるようこうなったのです。
トイレの中をかくすより、悪いことを防ぐほうが大事だからです。

 

ブラジルでは、仕事や病気などきちんとした理由がないのに投票に行かなかった人は、日本円にして約1100円の罰金があります。
そして、これを3回繰り返すと、身分証やパスポートを作ってもらえなくなったり、銀行でお金を借りられなくなったりしてしまいます。

 

日本では選挙は「権利」、つまり投票するのもしないのも国民の自由、という考えなのですが、ブラジルでは選挙を「義務」、つまり国民が必ずしなければいけないことと考えています。

 

コンゴ民主共和国という国はとても貧しく、洋服屋さんもそこまでたくさんありません。
それなのに、とても高級な洋服を着たおしゃれな人たちがいます。
「サプール」と呼ばれる彼らは、お金持ちというわけではなく、一カ月に稼いだお金の何倍もの値段の洋服を買うのです。

 

コンゴ民主共和国はダイヤモンドなどの資源が豊富な国です。
しかし、そういった資源をめぐって国の中で戦争が絶えない国なのです。
こうした状況の中、サプールたちは、高くてきれいな服を身につけることで「戦争反対」の考えをあらわしました。
(略)
サプールたちはおしゃれな服を着ることで「服を汚したくないから俺たちは戦わない」という自分たちの考えを主張しているのです。

 

ケニア人は、自分がミスをしても謝りませんが、逆に人がミスをしても責められることはありません。
ケニア人には、お互いに許し合う文化があるからです。

 

時間や責任に追われる欧米の人に対し、ケニア人は自分のペースで行動します。
そして相手のペースや考えも認めているので、何があっても「心配」なんかしないわけです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1664-1】なぜ常識なんだろう?と推察する癖をつける

【1664-2】文化の土台となっている歴史に興味をもつ

【1664-3】自分の常識を他人に押しつけない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】ニッポンじゃアリエナイ世界の国
【著者名】斗鬼正一著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2020/4/18
オススメ度★★★☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養グローバルコミュニケーション
【頁 数】192ページ
【目 次】
1章 アジア・オセアニア
2章 ヨーロッパ
3章 南北アメリカ
4章 アフリカ

 

この本が、あなたを変える!

ニッポンじゃアリエナイ世界の国
斗鬼正一 SBクリエイティブ 2020-4-18
売上ランキング(公開時):86,320
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斗鬼正一さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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