【メディアは崩壊の危機にある!】
堤未果・中島岳志・大澤真幸・高橋源一郎の4氏が、『支配の構造 国家とメディア』と題して、取り巻く状況が悪化の一途を辿る、現代メディアと日本の危機を徹底考察する一冊。
■書籍の紹介文
日々接しているメディア。
あなたは、どれほど信頼していますか?
本書は、名著を通じて現代メディアに蔓延する問題に迫った『100分deメディア論』(NHK Eテレ)に続いて、新たな名著とともに、悪化の一途を辿る現代メディアと日本の危機を徹底考察する一冊。
ポピュリズム・ナショナリズム・表現の自由・メディアと権力の距離・・・。
こうしたものがいかに生まれ、どう成長し、どんな問題をはらんでいるのかを知ることができます。
4氏が、今回取り上げる名著は次のとおり。
・メディアの権力(堤未果氏)
・アメリカのデモクラシー(中島岳志氏)
・定本 想像の共同体(大澤真幸氏)
・華氏451度(高橋源一郎)
名著への興味も相まって、とても好奇心をくすぐられる内容です。
気鋭の専門家陣が、自身の考えを一切の忖度なくぶつけ合っている点も熱量を感じられ好感が持てます。
なぜ、メディアと日本の危機を唱えるのか。
それも一人ではなく、各分野の専門家が4人も揃って…。
ここを意識しながら読み込んでいくと、メディアの本質が見えてくるでしょう。
難しいテーマではありますが、読みにくさは一切なく、夢中に読み進めたくなる空気感です。
支配しようとするものから、いかに関わっていくか。
このテーマを考えるのに、とても役に立つ素晴らしい一冊です。
◆メディアの暗部を覗く。
支配の構造 国家とメディア
堤未果、中島岳志、大澤真幸、高橋源一郎
SBクリエイティブ 2019-7-6
売上ランキング(公開時):602
Amazon Kindle 楽天
■【要約】15個の抜粋ポイント
ジャーナリストには、歴史を見る目とそこに息を吹き込み伝える筆力、そして独自の「思想」という、三つの要素が不可欠であることを教えられたのです。
報道の自由と知る権利、権力とのチェック&バランスが保たれることで、民主主義が機能する。
メディアは、戦争を始めることには簡単に荷担できるけれど、終わらせるための力になることはとても難しい。
分かりやすい二項対立を描くのではなく、あえて「人間」にきちんとフォーカスし、多角的に客観的に俯瞰でき、本質的な問題に気づかせるような報道をする。
それこそが、メディアの大切な役割ではないでしょうか。
近代化が進む中で、人々はどんどん群衆化し、平均化していく。
ネットは匿名化でできる分、他者との粘り強い合意形成には向いていない。
もっとも重要なのは、どんな小さなネーションであっても、国民というのは互いに「知らない者同士」だということです。
ナショナリズムというのは、ある意味で、自分が所属するネーションに普遍的な価値がある、という感覚をもつことです。
新聞というのは1日、もっといえば半日の、非常に短時間だけの超ベストセラーです。
映画やテレビは、いかに大衆の心をつかんでいったのかというと、「単純化」です。
大衆はみんな単純なものを好むから、何もかもが圧縮され、どんどん短くなり、ダイジェスト化する。
今こそ、本を手に持ち、本当の意味で読まなくてはならない。
効率を追求した資本主義と出版文化の果てに、その文化自体を破壊してしまう瞬間がやってくる。
私たちはこれまで過去の歴史や、そこに蓄積されてきた文化・古典・言葉というものをずっと切り捨ててきた。
しかし、そこにこそ帰るべき場所があるはずだ。
公共放送にとって大切な条件とはなんでしょう?
財源と編集権の独立、少数派目線の番組とサービス提供、普遍的テーマ、調査報道、権力からの距離、質の高い教養番組、視聴率競争の圏外にいること、の七つといったところでしょうか。
私たちは今、大量の情報にさらされているけれど、それらはほとんど、私たちの思考を、”Think locally”の方へと導いている。
それを”Think globally”の方へと転化させるのがメディアの使命ではないか。
それを果たすことが、メディアを通じて「世界を変える」ということでもあるわけです。
※globallyは、地球的というよりも広い意味で「全体的で普遍的」という趣旨
■【実践】3個の行動ポイント
【1485-1】映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観る
【1485-2】「メディアの権力」「アメリカのデモクラシー」「想像の共同体」「華氏451度」を読む
【1485-3】文化・古典に触れる
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】支配の構造 国家とメディア
【著者名】堤未果、中島岳志、大澤真幸、高橋源一郎
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2019/7/6
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】社会、教養、情報発信
【頁 数】244ページ
【目 次】
第1章 政治権力とメディア(堤未果)
第2章 ポピュリズムと対峙する(中島岳志)
第3章 ナショナリズムの取り扱い方(大澤真幸)
第4章 「本を燃やす」のは誰か(高橋源一郎)
この本が、あなたを変える!
支配の構造 国家とメディア
堤未果、中島岳志、大澤真幸、高橋源一郎
SBクリエイティブ 2019-7-6
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堤未果さん、中島岳志さん
大澤真幸さん、高橋源一郎さん
素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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2019年 7月 29日
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