【書評:491冊目】マーケット感覚を身につけよう(ちきりん)

【論理思考だけじゃ生き残れない!】
社会派ブロガー・ちきりん氏が、『マーケット感覚を身につけよう』を題して、これからの時代を生き抜くために必要な「価値を認識する能力(=マーケット感覚)」を指南する一冊。

■書籍の紹介文

自分の価値。
どれくらいあるのか考えたことはありますか?

 

本書は、これからの時代を生きていく上で「価値あるものに気づく能力(=マーケット感覚)」が重要だと提起し、身につける方法や磨いていく方法を指南する一冊。

 

金塊。
もし目の前にあれば、あなたはその価値に目を輝かせるとおもいます。

 

しかし、金塊を見るのが、赤ちゃんやペットの犬/猫だったらどうでしょうか。
興味を示すかもしれませんが、その価値までは理解できませんよね。

 

つまり、マーケット感覚とはこういうことなのです。
価値を認識する力がないと、自分のすぐそばに「価値あるもの」が存在していても、「自分の周りには価値あるものなんてない!」となってしまうのです。

 

一見すると、「なにを当たり前のことを・・」とあなたは思ったかもしれません。
ただ、今の日本においては、個人でも社会でも、このマーケット感覚が決定的に欠けていると著者は指摘します。

 

「自分には能力なんてない」
「この街には魅力なんてない」

 

閉塞感漂う現代社会、多くの場所や場面で、このような言葉が無数に発せられています。
そんな社会に、著者は投げかけます。

 

「あなたに足りないのは、『価値ある能力』ではなく『価値ある能力に気づく能力』」
と。

 

この世に価値のないものなど存在しない。
まずは、これを信じる。

 

その上で、存在しないと思うのなら、気づく能力が足りないのだと自覚する。
足りないのであれば、身につけるだけです。

 

価値ある能力に気づく能力。
身につけましょう。

 

◆この本は絶対読むべし!

マーケット感覚を身につけよう
ちきりん ダイヤモンド社 2015-2-20
売上ランキング(公開時):3,870
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■【要約】15個の抜粋ポイント

何かについて考えるとき、そこには、ふたつの大きく異なるアプローチがあるということ。
・場合分けをしながら、一歩一歩順を追って論理的に考えていく方法
・マーケット感覚をフルに活用し、リアルな現場をイメージしながら考える方法

 

マーケット=市場とは、
・不特定多数の買い手(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が、
・お互いのニーズを充たしてくれる相手とマッチングされ、
・価値を交換する場所
のこと

 

【市場の構造を理解するための要素】
(1)取引される価値
(2)買い手=需要者(価値を入手する人)
(3)売り手=供給者(価値を提供する人)
(4)取引条件(価格など)
【市場の動きを理解し、予測・利用するための要素】
(5)買い手と売り手が取引する動機
(6)それぞれの要素に起こりうる今後の変化
(7)市場の中で選ばれるための方法

 

取引されている価値を論理的に分解する

 

「社会の市場化」
この言葉は、過去10年間に起こった日本社会の変化と、次の10年間に起こるであろう変化の両方を、最も的確に捉えることのできる言葉

 

私たち日本人が覚悟を決めなければならないのは、「これからの社会は、どんどん市場化していく。それを避けることは、もはや不可能だ」ということ

 

社会の市場化が進むと、これまでとは異なる「ゲームのルール」が適用されるようになります。
そのひとつが、市場の統合に伴う序列の再構築です。
21世紀に発達した交通網と、21世紀に入って起こったインターネットによる情報網の発達が、各地のローカルマーケットを、より大きな、ひとつの市場に統合しつつあります。

 

市場化の進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をイチ早く見極めるためのマーケット感覚と、需給バランスの変化に合わせて自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が、何より重要になる。

 

市場の状況がどう変わりつつあるのか、アンテナを高くして迅速に感じ取り、それに応じてどう動くべきか、自分自身で判断できるよう、自らのマーケット感覚を鍛える必要がある。

 

価値の創造(認知)と、価値への課金は別の話

 

これから重要になるのは、「自分は何を売っているのか」「何を買っているのか」について、意識的になること

 

●マーケット感覚を鍛える5つの方法
その1)プライシング能力を身につける
その2)インセンティブシステムを理解する
その3)市場に評価される方法を学ぶ
その4)失敗と成功の関係を理解する
その5)市場性の高い環境に身を置く

 

私たちはみんな生まれたその日から、変化することによって成長してきました。
さまざまな失敗を繰り返しながら、そこから学び、自分を変えていくことでしか、「よりよい自分」に近づくことはできません。

 

「専門性さえ身につければ、変化する必要はない」のではなく、「専門性を身につけ、かつ、変化する必要がある」のが、これからの世界

 

人も町も、市場で売れる価値を見つけられるかどうかは、マーケット感覚の有無にかかっている。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【491-1】「変化しないほうが不自然なこと」と捉える

【491-2】「何を買っているか」を意識する

【491-3】自分に売れるものを書き出す

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】マーケット感覚を身につけよう
【著者名】ちきりん著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2015/2/20
オススメ度★★★★★
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード発想力思考働き方
【頁 数】280ページ
【目 次】
序 章 もうひとつの能力
第1章 市場と価値とマーケット感覚
第2章 市場化する社会
第3章 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
第4章 すべては「価値」から始まる
第5章 マーケット感覚を鍛える5つの方法
終章 変わらなければ替えられる

 

この本が、あなたを変える!

マーケット感覚を身につけよう
ちきりん ダイヤモンド社 2015-2-20
売上ランキング(公開時):3,870
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ちきりんさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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