【書評：602冊目】私はいくら？（野口真人）

【ファイナンス理論を活かし自分価値を向上せよ！】
企業価値評価のスペシャリスト・野口真人氏が、ファイナンス理論の素養を身につけ、自分の絶対的な価値を高める方法を解説する一冊。あなたの値段は今いくら？

■書籍の紹介文

自分を転職市場に出したとき。
満足いく条件を提示してくれる買い手は見つかりますか？

本書は、企業価値評価を策定するファイナンス理論を、個人の価値向上に活用する方法を解説する一冊。

【現在価値＝将来の平均キャッシュフロー÷割引率】
あなたが意識すべき、あなたの現在価値を表す黄金の公式です。

正直、どう活用するか、これだけでは分からないとおもいます。
ですが、安心して読み進めてください。

くわしくない方でも、ファイナンスの素養がきちんと身につくように書かれています。
学んでいくことで、公式のもつ意味と使い方が理解できる構成になっています。

ファイナンス理論は、人間的な感情が排除された世界。
そのときの状態を、冷徹に浮かび上がらせます。

ではなぜ、このようなファイナンス理論を個人の価値算定に役立つのでしょうか。
それは、客観的に自己分析できるからです。

予断を排して、自分を見つめ直す。
どうしても感情が邪魔をして、なかなかできることではありません。

だからこそ、ファイナンス理論が役立つというわけです。
「冷静に」自分を見つめるよい機会となることでしょう。

導き出される現在価値は嘘をつきません。
当てはめる数字を誤魔化しさえしなければ。

◆自分の市場価値を知る強み。

私はいくら？
野口真人サンマーク出版 2015-8-31
売上ランキング(公開時)：73,399
Amazon Kindle 楽天

現代の企業が評価し必要とする人材は、「企業価値」の増大に貢献する人、つまり、キャッシュを生む人だ。

企業の現在価値は「今どれだけ資産を持っているか」でなく「将来どれくらいのキャッシュフローを生むか」で決まる

あなたの「現在価値」は、あなたが将来生み出す「キャッシュフロー」を、あなたの「割引率」で割った値だ。
自分の価値を高めるということは、この「現在価値」を高めることだ。

ファイナンス理論は、企業の現在価値をはじめとする「モノの適正な値段」を求めるために編み出された理論だ。
モノの値段がわかれば、価値の低いものに大枚をはたくようなミスはなくなる。

これからの時代、ファイナンスはミドルクラスの必須教養だ。
経営に関係ない部門の社員でも、ファイナンスを知らなければ活躍できなくなる。

「現在価値＝将来の平均キャッシュフロー÷割引率」で求められる値こそ、あなたのビジネスマンとしての絶対的価値

会社から見たあなたの価値を上げるには「会社の利益を増やして、あなたにかかる費用を減らす」こと

会社が社員を利用するように、社員も会社を利用すればいい。
それができれば「働かされている」という感覚はなくなる。
つまり、会社の資産を活用して自分の価値を高めればいいのだ。

過去の実績には1円の価値もない

話が矛盾するようだが、ファイナンス的には、その人が「過去にいくら稼いだか」が、その人の価値に足されることはない。
だが、「将来いくら稼ぐか」を知る重要な指標でもある。

自分が生んでいる「キャッシュフロー」に対して給与が低すぎることを数値で正当化できるのであれば、訴えてみる価値はある。

あなたの評価を最も高めるのは「自分はこんな仕事がしたい」という提言

高い信用を得るほど、その人の割引率は小さくなる。
つまり「信用される人になることこそが「自分の価値を上げること」につながる

リスクとは危険ではなく「将来の見えにくさ」から来る

ファイナンスは、万能のものさしだ。
自分の現在価値もファイナンスの視点で評価し、磨いてほしい。
その努力は決して裏切らない。
確実に成長につながり、周囲の評価も上がるはずだ。

【602-1】ファイナンスの入門書を読む

【602-2】自分の現在価値をファイナンスの視点で評価する

【602-3】信用残高を積んでいく

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

【書籍名】私はいくら？
【著者名】野口真人
【出版社】サンマーク出版
【出版日】2015/8/31
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】明日の仕事力を磨きたいときに
【キーワード】キャリアアップ、信用残高、働き方
【頁　数】203ページ
【目　次】
第1章会社はあなたにいくらの価値をつけるのか？
第2章あなたが「稼げる人」になるために
第3章あなたの「信用力」を上げるために