【書評:2181冊目】頭と心が整理される1分の使い方(川野泰周)

【いかに気づけるかが大事!】
禅僧/精神科医・川野泰周氏が、『頭と心が整理される1分の使い方』と題して、科学の知見と禅の精神をバランスよく融合させた、「1分でできる心身のリセット術」を解説する一冊。

■書籍の紹介文

あなたの心。
いま、どれくらい乱れていますか?

 

本書は、マインドフルネスを「利己的視点」から学ぶとかえって苦しみが増すと警鐘を鳴らし、仏教と禅の知見をバランスよく扱いながら、真に幸福を招くマインドフルネスの手法を解説する一冊。

 

この本には、さまざまな方法が紹介されています。
ですが、これを試してみよう、こっちもやってみよう、などと、あれもこれもと”前向きに”手を出してはいけません。

 

なぜなら、すでにあなたは十分に頑張っています。
この本だって、「ここ最近、頭や心の整理ができていないかもしれない」と感じ取って、一生懸命に対策しようと思うからこそ目に止まったのです。

 

だからこそ、立ち止まる必要があることに気づきましょう。
新しい方法を学んでアクセルをさらに踏み込もう!ではなく、ブレーキを踏むことでアクセルの踏み込み過ぎに気づくべきなのです。

 

そうしないと、いつか制御が効かなくなり大事に至ります。
そうなってからでは、これから先の人生、心も身体も深刻な問題を抱えることになりかねません。

 

ぜひ、このことを頭の片隅に置いて読んでみてください。
著者がどんな思いでさまざまな方法をまとめ上げたのか、受け取り方が大きく変わってくるとおもいますので。

 

あなたをより頑張らせるためではなく、すでに十分に頑張っていることに気づくために。
心の声に蓋をしているうちに、制御不能になるくらいアクセルを踏み込んでいないかと気づくために。

 

本書を活用してみてください。
「1分でできるんだ、ラッキー!」ではなく、「心を整理する時間が1分しか取れないのかよ」とツッコめる”余白”をつくっていきましょう。

 

◆学び以上に気づきが多い一冊。

頭と心が整理される1分の使い方
川野泰周 大和書房 2025-5-21
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

振り返りで重要なのは、全体的にとらえるだけでなく、「部分視」のクセをつけることです。
つまり、自分がとった行動や内容について「細分化」をしてとらえる視点を持つことが大切です。
もし失敗したとしたら、目を閉じて呼吸瞑想をおこない、心身を一度リセットした後に、起きた出来事をありのままに時系列で思い出してみましょう。

 

まず自分を励ます言葉を、運動会の応援でおなじみの、「三三七拍子」に乗せて声に出してみましょう。
手拍子やタンバリン、マラカスなどのリズムに合わせておこなうと、よりモメンタムの要素を引き出すことができると思います。
以下は私が実際につくってみたフレーズの一例です。
「で・き・る!で・き・る! か・な・ら・ず・で・き・る!」
「い・け・る!い・け・る! ゴ・ー・ル・を・め・ざ・せ!」
といった具合に、三三七拍子のリズムで気合いの入る言葉、自らを鼓舞する言葉を唱えてみるのです。

 

いくら考えても答えが出ないときには、思いきって決断してみる。
そしてそれが成功へ導いても、あるいはその逆であったとしても、その結果から目を逸らさず「学ぶ」というスタンスを忘れなければ、その選択の経験は今後の人生を強力にサポートしてくれるに違いありません。

 

「今、自分は、これを本当にやりたいと思っているのだろうか?」
その答えが、「多少の苦労はあっても、やり抜きたいと思っている」であったなら、もう少し続けてみる価値があると思っても良いでしょう。
しかし、心の中で「本当はこんなことまっぴらごめんだ!どうにかしてこの状況から助けてほしい」という叫びが聞こえてきたならば、そのときは勇気を持ってその状況からいったん離れてみる。
あるいはその前に一度、信頼できる人にそれを伝えてみてほしいのです。

 

花や観葉植物を眺めるだけでも現実から気持ちを切り離すことができますし、ハーブを栽培する、メダカや金魚を飼うなど、植物や生き物を育てる行為は自己肯定感と癒しをもたらす効果があります。

 

私たちは、今を生きる生身の人間なのであって、どこまでも果てしなくがんばり続けることはできないのです。

 

他者からかけられた言葉によって、自分の感情が乱れそうになったときには、感情を引き算して「相手が伝えたい本質は何か」を抜き出す作業をしてみてください。
きっと冷静さを取り戻し、必要な判断や行動がとれるようになるはずです。

 

相手の嫌なところと同じような面が自分にもあるかもしれない。
そう思うだけで、今までよりも少しだけ、「人間だからそんな一面もあるかな」と相手を許せるようになるかもしれません。

 

そもそも根っこにある「許せない」という感情こそが、私たちの心を一番苦しめているように思えます。

 

まずは1日にたった1分でも、「自分のためだけの時間」を持つことから始めてみましょう。
(略)
自分のためだけのご褒美時間を持つことは、それ自体が「自慈心(じじしん)」、つまり自分を思いやり、慈しむ心を育てることにつながります。

 

「もしあなたの親友が、今あなたが抱えている悩みとまったく同じことで困っているとしたら、どんなふうに声をかけてあげますか?」ということ。
つまり、悩みを抱えているのが自分ではなく、誰か他の人だったら、その人の親友として自分はどんなふうに元気づけてあげられるだろうか、と考えてみるのです。

 

「きれいなところも、そうでないところも、全部が私。私自身がその全部を大切にすることが、素敵な私への第一歩なんだ」

 

先がどうなるかわからないことが不安の正体。
自らが主導権を握り、「どうなっても自分なりに対処できる」と思えれば、不安は次第に恐れるべき相手ではなくなっていくのです。

 

日頃の暮らしに何か「もの足りなさ」を感じる。
そんなときこそ、丁寧に、味わって食事をいただくようにしてほしいのです。
できれば物音ひとつ立てないように、禅の修行僧にでもなったつもりで、目の前のいつも食べている料理をまるで「生まれて初めて目にする料理」であるかのような心持ちで。

 

豊かな気づきが、幸福な人生を形づくる。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2181-1】植物や生き物を育てることを習慣にする

【2181-2】怒りなどで平常心を保てないと感じたら、「散歩に出かける」と決める

【2181-3】いままで以上に、丁寧に味わって食事をいただくことを意識する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】頭と心が整理される1分の使い方
【著者名】川野泰周著者情報
出版社大和書房
【出版日】2025/5/21
オススメ度★★★★☆
こんな時に心の平穏や導きがほしいときに
キーワードメンタル習慣術
【頁 数】320ページ
【目 次】
PROLOGUE 1分後に幸せになってもらいます
1 あらゆることはもっと簡潔にできる
2 「なにが大事か」を決められる人になる
3 休みなく働いても効率は下がるばかり
4 何が起きても淡々と対応できる人になる
5 自己否定感をリセットして「ゼロ」にする
6 不安を減らすもっといいやり方を見つける

 

▼さっそくこの本を読む

頭と心が整理される1分の使い方
川野泰周 大和書房 2025-5-21
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

川野泰周さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る