【書評:2180冊目】12歳から始める気にしない技術(堀田秀吾)

【人の目が気にならない子に育つ!】
明治大学法学部教授・堀田秀吾氏が、『12歳から始める気にしない技術』と題して、他人の目や評価に怯えない、内面から強くなっていく「柔軟なメンタル」を創る方法を伝授する一冊。

■書籍の紹介文

他人の目や評価。
日頃のあなたの言動に、どれくらい影響を与えていますか?

 

本書は、メンタルの健康を保ち自分らしく生きることがもっとも重要だと提起し、親子で一緒に実践できる、”人の目”が気にならなくなる「柔軟なメンタル」を創る方法を伝授する一冊。

 

気にし過ぎてはダメだとわかっていても、どうしても気になってしまうのが”人の目”というもの。
ふり払おうとすればするほど、どんどん目が大きくなっているように感じてしまい、とっても厄介ですよね。

 

とはいえ、完全に「気にしない」というのも無理です。
なぜなら、わたし達はさまざまな人との関わり合いの中で生きていく存在だからです。

 

したがって、完全に「気にしない」のは不自然になってしまいます。
肝心なのは、「気にしない」ではなく「気にし過ぎない」ということです。

 

要するに、「バランスをどう整えるか」が一番の問題なのです。
あくまでも主役は自分、他人の目や評価は参考程度の脇役、といったような”心のブレない軸”づくりこそが大切なのです。

 

この”心のブレない軸”づくりは、子どものうちからはじめておくとその後の人生が生きやすくなる。
『12歳』という、大人の階段をのぼり始める時期はそのスタートに適している。

 

そうした想いから書き上げられたのが本書。
科学的なエビデンスをもとに、”心のブレない軸”づくりの要となる「柔軟なメンタル」を創る具体的な方法を解説していきます。

 

子どもの独学、親子一緒の学習、どちらにも対応できるようにやさしい言葉で書かれています。
もちろん、「いまさら恥ずかしいけど・・・」と学び直したい社会人にも十分応える内容です。

 

本書は、言語学博士として「言葉」をとても大切に丁寧にあつかう人が著者です。
そのため、心の中に留めておきやすいフレーズがたくさん出てくるので、それだけをノートに書き出して毎日読み返すだけでも大きな効果が得られるでしょう。

 

◎「まわりのせいにしても、何も変わらない」
◎「自分は●●でなければいけない」→「●●でなくてもいい」
◎「なんとかしなきゃ」→「なんとかなる」

 

どんな言葉を使うか、どんな言葉を聞くか、その積み重ねによって心は創られていくものだとおもいます。
だからこそ、言葉の影響を研究し続けている著者に学ぶのはとても有意義なことだと感じます。

 

「気にする国・ニッポン」で、メンタルの健康を保ち自分らしく生きるために。
「気にしない技術」、磨いていきましょう!

 

◆技術だからだれでも学べる!

12歳から始める気にしない技術
堀田秀吾 秀和システム 2025-5-9
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■【要約】15個の抜粋ポイント

人間は、私たちが考えている以上に、自分のことばに心も体も影響されます。
悪く考えると悪いほうにどんどん向かってしまうので、できるだけ悪く考えないようにすることが重要なのです。

 

他人の期待にこたえることばかり考え、自分が本当に何をしたいのかをわすれてしまわないように気をつけましょう。
承認欲求にふり回されずに生きていくために必要なのは、まずは「自分自身をみとめること」です。
他者からの評価にたよるのではなく、自分で自分を評価する習慣を持つことです。

 

●不安を探しに行かずにすむ方法
(1)情報を意識的に制限すること
(2)「今」に集中すること
(3)自分をゆるすこと

 

まよったときは「決めるためのルールを決める」ことと「選択肢をしぼること」が大切です。

 

大事なのは「まわりのせいにしても、何も変わらない」ということに気づくことです。
他人は自分の思うようには動かないし、変わってもくれない。
社会も自分の思うようには動いてくれないのです。

 

何かを自分で決めたとき「やっぱりこれでよかった!」とホッとしたり、「自分で選んだのだから大丈夫」と思えたりしたことがあるでしょう。
じつは、この「自分で決める」という行動そのものが、心の中の「幸せポイント」をふやしてくれるのです。

 

だれかのよいところを見たときには「すごいな、自分も自分の得意なことをがんばろう!」と思ってみるのです。
そうすれば、嫉妬は前向きな力に変わっていくでしょう。

 

「自分は●●でなければいけない」と思うと、つい人の目が気になり、自分をせめがちです。
でも「●●でなくてもいい」と考えることで、もっと自分らしく、のびのびと生きることができます。

 

「死んだほうがマシだ」と思うような出来事も、時間が経つと「あのときは本当になやんだけど、今となってはいい経験だったな」と思えることがあります。
自分の心に少し余裕を持たせて、「完璧じゃなくてもいいんだ」と考えるようにしてみてください。

 

不安になったら、まずは「心配事の9割は起こらない」という事実を思い出してみてください。
それだけで、不安が和らぐことがあります。

 

ルールやマナーを守ることは、自由を失うことではありません。
むしろ、それらを守ることで、あなたの自由がまわりから歓迎されるようになります。

 

「なんとかしなきゃ」を「なんとかなる」に変えることで、よりよい結果がうまれやすくなります。
それは、あなたがもっと自由に、のびのびと生きるための大切な一歩なのです。

 

空気を読むのではなく、空気と向き合いながら自分らしく生きる。
それが、本当に心地よい人間関係を築くためのヒントになるのです。
これからの時代に求められる力と言えるでしょう。

 

他人を「ゆるす」「みとめる」ことは、自分の心の負担を軽くする行為です。
自分と違う考え方や価値観にふれたとき「それもありだね」と思える柔軟な心を持つことが、その第一歩なのです。

 

「みんな違って、みんないい」のことばを心にとどめながら、自分もまわりの人も大切にして、生き生きとした毎日を送ってください。
それが、他人の目を気にしすぎず、心を楽にして、ゆたかに生きるコツなのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2180-1】目の前の物事を、自分でコントロールできることとできないことに区別して、できることに集中する

【2180-2】「心配事の9割は起こらない」という言葉を常に心に留めておく

【2180-3】「みんな違って、みんないい」という言葉を常に心に留めておく

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】12歳から始める気にしない技術
【著者名】堀田秀吾著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2025/5/9
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の人間関係を良くしたいときに
キーワード人間関係子育て生き方
【頁 数】232ページ
【目 次】
第1章 「人の目」が気にならなくなる方法
第2章 まわりに流される生き方をやめよう
第3章 日本人って世界でいちばん気にしやすいの?
第4章 「それでいいのだ!」で生きよう
第5章 自分もほかの人を「気にしない」

 

▼さっそくこの本を読む

12歳から始める気にしない技術
堀田秀吾 秀和システム 2025-5-9
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堀田秀吾さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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