【書評:367冊目】数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。(深沢真太郎)

【9割の情熱と1割の四則演算】
ビジネス数学の専門家・深沢真太郎氏が、『数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます』と題して、数学的な考え方をストーリーで解説する一冊。

■書籍の紹介文

日々の仕事で数字を使いこなしている。
その自信がありますか?

 

本書は、数字アレルギー人でも無理なく実践できる、仕事で数字を活かす方法をストーリー形式で解説する一冊。

 

数字の使い方をちょっと見直すだけで、仕事が驚くほど効率になる。
この感覚を養うことができる良書です。

 

『90%の情熱と10%の四則演算』。
ここを理解することを目指して読んでいきましょう。

 

割合からわかるとおり、あくまで重要なのは”仕事への情熱”です。
その情熱を正しく燃やすために、四則演算、つまり、数字をうまく活用しようということです。

 

実際のビジネスに即したストーリーで、
「仕事を効率的にこなすための仕事算」
「粗利益が高くなる接客のやり方」
「割引セールの効果を最大にするための損益デッドラインの考え方」
「回帰分析を使ったベストなPR法の選び方」
など、明日から使えるテクニックが満載です。

 

テクニックを吸収しつつ、その裏にある、『90%の情熱と10%の四則演算』に触れましょう。
徐々に、仕事への姿勢が変わっていきます。

 

◆数字を仕事に活かそう!

数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。
深沢真太郎 日本実業出版社 2014-7-25
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■【要約】15個の抜粋ポイント

少数の計算というのは慣れない人にとってはわずらわしいもの。
なるべく分数で考えることがストレスを軽減するコツです。

 

◎四則演算は、何のためにするのか?
足し算:複数の量をまとめるため
掛け算:複数の量をさらに効率よくまとめるため
引き算:異なる量の大小を把握するため
割り算:ある量の質を評価するため

 

ビジネスにおいては仕事の量を数字で明確に表現できないケースが圧倒的に多いものです。
しかし、そんな時でも全仕事量を数値化し、割り算するだけで効率を把握することができるのです。

 

仕事算で捉えた1時間12分はあくまでも理論値です。
ですが一方では根拠を持った数字でもあります。
ならば、その根拠をうまく使って目標とデッドラインを数字で伝えられれば、相手はNOと言いにくいのです。

 

(なぜ「中学生でもわかるように」説明しないといけないのか)
専門用語や公式で覚えてしまうことを避けるためです。
なぜそういう計算をするのかを自分自身できてはじめて100%理解したことになりますし、もしイレギュラーな局面があったとしても自分で応用できるようになります。

 

ヤバイ指数(%)=(デッドラインの売上)÷(目標売上)
<ヤバイ指数の特徴>
・数値が高ければ高いほど、損失が出る危険(ヤバさ)が高い計画
・100%を超えている場合はそもそも損失が出る計画

 

「そうかもしれません。でも、裏を返せばそうではないかもしれません」

 

”相関係数”
異なる2つの数字の変化にどのくらい関連性があるかを数学的手法を用いて数値で捉えること

 

回帰分析とは何らかの変量がある時、その変動の原因を統計的に究明してそれらの関係を表す数式を求めること

 

”数字に落とし込むこと”
『”ある数字”がこうなったら、”別の数字”はこうなるだろう』という数式のようなものをつくること

 

◎PDCAを3回繰り返す理由
Q)五分五分の施策が3回連続で失敗する確率は?
0.5×0.5×0.5=0.125(12.5%)

3回すべて失敗する確率は10%強

3回アクションを起こせば、9割近い確率で成功を得られる!

だからPDCAサイクルって大切なんだ!

 

◎10人のお客様を集めるには
足し算:複数の量をまとめる
1+1+・・・+1=10→1人ずつきてもらう
効率=10(目標とする量)÷10(それに割く量)=1

掛け算:複数の量をさらに効率よくまとめる
5×2=10→5人にもう1人ずつ連れてきてもらう
効率=10(目標とする量)÷5(それに割く量)=2

 

ギリギリの局面に立った時、絶対に負けられない戦いを前にした時、勝敗を左右するのは”数字”ではなく、お客様への愛情、商品に対する誇り、自分の信念……そんな泥臭い定性的なものが、最後にはビジネスの勝敗を分けることもある

 

情熱や愛情を胸に仕事をする。これが最も大切なことでしょう。
でも、いざ勝負をかける一歩手前でほんの少しだけ数字を使う、言うなれば四則演算できる、そんなビジネスパーソンがいま実際活躍していることもまた事実です。

 

90%の情熱と10%の四則演算。
”数字に強いビジネスパーソン”とはこういうバランスで仕事ができる人のことであり、決して理系出身者や数学が得意だっただけの人のことではありません。
だから、私たちもこのバランスを間違えてはいけないということです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【367-1】自分の仕事を数字に置き換えてみる

【367-2】自分が理解するために「分かりやすい説明」を心がける

【367-3】「90%の情熱と10%の四則演算」のバランスを心がける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。
【著者名】深沢真太郎
出版社日本実業出版社
【出版日】2014/7/25
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード数学的思考問題解決小説
【頁 数】248ページ
【目 次】
序章 このプロジェクトは、キミに預ける
第1章 業務効率化に数字を使っていますか?
第2章 「損益」を正しくとらえて割引をしていますか?
第3章 数的根拠を使って大きな決断をしていますか?
第4章 数字を使ってマーケティングしていますか?
第5章 ビジネスの勝敗は、90%の情熱と10%の四則演算できまる

 

この本が、あなたを変える!

数学女子 智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。
深沢真太郎 日本実業出版社 2014-7-25
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深沢真太郎さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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