【潔く捨てることで、生きやすくなる!】
立命館アジア太平洋大学(APU)学長・出口治明氏が、『「捨てる」思考法』と題して、人生は「捨てる」と「得る」の連続だと語りながら、トレードオフの極意を伝授する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
あなたの手元にあるモノ。
そのなかで、捨てるかどうか迷っているモノはありませんか?
本書は、未来のために捨てるべきものを潔く捨てることの大切さを語りながら、「捨てる」と「得る」がスムーズになる”トレードオフの極意”を伝授する一冊。
モノが増えるほど、スペースはなくなっていきます。
抱えるモノが増えるほど、身動きがとれなくなっていきます。
この窮屈で圧迫感のある状況にならないためには。
そう、「捨てる」しかありません。
ただ、「捨てる」といっても、むやみにというわけにはいきません。
人生にはどうしても捨てられないモノ、残しておきたいモノがあるからです。
変化の激しい現代社会。
物心ともに身軽さを確保しておくことの重要性は増すばかりです。
したがって、わたし達は「捨てる」という行動を鍛える必要があります。
そこで学びたいのが、本書です。
変化に合わせて、必要なものを「得る」、不必要なものを「捨てる」。
このトレードオフがスムーズにできるようになる、考え方や行動の指針が81個示されています。
「捨てる」かどうかの判断とは、言い換えれば、”見極める力”に他なりません。
自分の人生における優先順位を研ぎ澄ますことで、見極めはスムーズに早くなっていきます。
著者は、いまこそ、鍛える絶好のタイミングだと指摘します。
なぜなら、コロナ禍によって、多くの人が日常がひっくり返る経験をしたからです。
いままで残していたものを「捨てる」ということは、考え方や行動を大きく変えることとイコールです。
つまり、いままでの”常識”を捨て去ることにつながっていきます。
普段であれば、常識を「捨てる」といっても、ピンとこずに行動を変えられない人は多い。
ですが、コロナ禍によって、文字どおり”常識”がひっくり返るところを目の当たりにしました。
困難に直面した方も多いので、軽々しいことはいえません。
ただ、こんなときだからこそ、変化を起こす絶好の機会であると、著者は語ります。
反対に、いま変わりはじめないと、人も社会も国も厳しい未来が待っているとも語ります。
変化に合わせて、必要なものを「得る」、不必要なものを「捨てる」。
これが自然とできるようになると、困難な時代もグッと生きやすくなるよと背中を押します。
まずは、捨てるかどうか迷う自分を捨てることからはじめましょう。
◆「捨てる」と「得る」。
「捨てる」思考法
出口治明 毎日新聞出版 2022-8-8
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■【要約】15個の抜粋ポイント
世の中で起こることのすべては、トレードオフの関係にあります。
何かを得ようとすれば、何かを捨てなくてはなりません。
人生もビジネスにおいても同じことです。
「あきらめる」ことは「捨てる」ことです。
いまここに流れ着いてしまったのですから、他のことはあきらめるしか生きる術がない。
捨てることで気持ちを切り替え、いまなすべきことを考える。
腹が据わるとはそういうことです。
自分の描くプランを一度捨て、相手に委ね、提案に乗ってみる。
仕事においても、そうすることで新しい学びを得ることができます。
捨てるために必要なのは「悟り」ではなく、「知識」です。
捨てることは、自分の手元に何を残すかを決めることですから、知識があって初めて取捨選択ができます。
そして、知識があればリスクをコストに転換することも可能になります。
ほとんどの場合、リスクは無知から生じているからです。
ものを捨てるときのキーポイントは2つあります。
それは、「時間」と「分量」です。
今週中に片づけると決めたら、必ず守って時間内に実行する。
そして、段ボール3箱分を捨てると決めたら、箱が一杯になるまで黙々と詰め込むのが「マイルール」です。
本は「面白いかどうか」、旅は「行きたいかどうか」で選べば、失敗がありません。
「自分の評価につながるか」といった欲と色気を捨てることで、人生は豊かになります。
空気を読めない人は、実は仕事のできる人です。
仕事以外のことに惑わされず、自分がすべきことの目的を考えている。
それこそが仕事に臨むまっとうな態度です。
空気を読むことほど無駄で、かえって人間関係をややこしくするものはありません。
「タテ・ヨコ・算数(数字・ファクト・ロジック)」に基づかない議論には、何の意味もありません。
検証可能なデータをもとに、物事を分析したうえで議論する習慣を身につけることが大切です。
新卒一括採用もまた、企業側にとって好都合の労働慣行だったわけです。
そこに定期昇給や退職金といった雇用の安定を図る制度も付加しました。
「働かないおじさん」を生み出したこれらの制度が、キャリアアップのための転職など労働の流動化を阻害してきたことは間違いありません。
このような世界標準とはかけ離れたガラパゴス化した労働慣行を捨てなければ、日本経済は息を吹き返さないのです。
職場の内外や男女といった性別に関係なく、いま生きている場所で同じ思いを持つ人たちとともに立ち上がって行動することです。
そうしなければ、社会の制度は何一つ変わらないのです。
みんなが自分の好きなことをやれば、大きなイノベーションに結びつく可能性は大いにあるということです。
既存知を捨て、個性を活かして、自分の頭で考える。
そこに全力で取り組めば、斬新な商品が生まれ、世界のビジネスシーンで躍進するはずです。
「捨てる」ことは、裏を返すと、捨てずに手元に残すものを「選ぶ」ことでもあります。
そして、捨てるものは何かと考える力と技術を養うには、たくさんの「本」を読み、広い世界を「旅」して、多くの「人」と出会うこと。
この三大要素が、人間が進化するためには不可欠です。
安全地帯から抜け出し、誰も守ってくれる人のいない場所に身を置けば、偶然と出合う確率は高まります。
そこに旅の最大の面白さがあると考えています。
知らない土地を訪ねるときは、歴史と地理を予習しておくと、より深く理解することができます。
遊び気分を捨てて学ぶのが、旅の極意です。
人間が生きていくために必要なものは、実はそんなに多くありません。
ご飯が食べられて、安心して寝られる場所があり、寒さをしのぐ服があれば、とにかく生きていける。
それ以外のものは、思い切って手放してしまっても困ることはない。
飽食の時代を経てコロナ禍を経験した僕たちは、そろそろ人間の本質に立ち戻るべき時期に入っているのかもしれません。
■【実践】3個の行動ポイント
【1896-1】たくさんの本を読む
【1896-2】たくさんの旅に出る
【1896-3】たくさんの人と出会う
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】「捨てる」思考法
【著者名】出口治明 ・ 著者情報
【出版社】毎日新聞出版
【出版日】2022/8/8
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】生き方に迷ったときに
【キーワード】思考、自己対話、決断
【頁 数】272ページ
【目 次】
はじめに 「得る」ために「捨てる」、そこに気づけば簡単だ
第1章 「捨てられない」は思い込み、捨てることが未来をつくる
第2章 出口式・捨てる技術【基礎編】余計なものを手放す習慣を身につける
第3章 出口式・捨てる技術【応用編】余計なものを手放して、本当に必要なものを見極める
第4章 捨てるモチベーションは、退路を断つことから生まれる
おわりに 無駄を「捨てる」ことは、未来への投資である
この本で、あなたは変わる!
「捨てる」思考法
出口治明 毎日新聞出版 2022-8-8
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出口治明さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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