【書評:750冊目】未来化する社会(アレック・ロス)

【未来を考えることで、今の生き方を考える】
未来学者/アレック・ロス氏が、『未来化する社会』と題して、ロボット・暗号通貨・ゲノムなど、我々に多大な影響を与える分野に起こる今後20年の変化を予測する一冊。

■書籍の紹介文

今から20年後。
今の仕事を続けられているとおもいますか?

 

本書は、アメリカ政府の要職も務めた未来学者が、これから20年の間に起こる世界の変化を、6つの視点で徹底予測する一冊。

 

著者のアレック・ロス氏は、未来学者。ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員。
2008年の大統領選オバマ陣営でテクノロジー・メディア政策を担当。第1期オバマ政権において、国務省(長官はヒラリー・クリントン)の上級顧問を務め、外交政策とイノベーションの専門家として活躍した人物。

 

372ページ。
この中に、今後20年間に身の回りで起きうることが凝縮されています。

 

ものすごいリアリティであり、荒唐無稽と感じる箇所は一文たりもありません。
未来学者の名に偽りなしの、圧倒的な知見に驚くばかりです。

 

洋書に珍しく、日本についての記述もとても多いです。
アメリカの先端分野にある頭脳が、日本をどう見ているかを知れる点でも一読の価値がある一冊です。

 

これからの社会が経済が生活が、どのように変わっていくのか。
これをイメージするとともに、自分のこれからの生き方、働き方を考える良い機会となるでしょう。

 

本書の予測する未来は、大きく外れることなく現実になるとおもいます。
ならば先取りをして、今の自分に取り込んで、生き方、働き方に活用するのが最善です。

 

あなたは20年後。
どんな生活を送っていますか?

 

◆未来を知り、今を生きる。

未来化する社会
アレック・ロス ハーパーコリンズ・ ジャパン 2016-4-28
売上ランキング(公開時):ー
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

イノベーションとグローバル化の波は、勝者と敗者を分けた。
勝者のひとつのかたちは、急成長する市場と有望な発明のまわりに集まる、投資家と起業家と高いスキルをもった働き手だ。
勝者のもうひとつのかたちは、途上国に住み、それまでの貧困層から中間層に上がれた10億人以上の人たちだ。
国がグローバル経済の仲間入りをしたおかげで、労働力の相対的安さが彼らの大きな強みになった。

 

社会が安定し、強い競争力をもてるかどうかは、その社会が環境の変化に順応していけるかどうかにかかっている。
新しいテクノロジーから最大の恩恵を手にできるのは、様子見を決めこまずに、変化にいち早く順応して、市民や社員を成長産業に向かわせることのできる社会や企業である。

 

いちばん新しい1兆ドル産業は、1と0のコードでつくられた。
次の1兆ドル産業は、われわれ人間の遺伝子コードでつくられる。

 

ライフサイエンスの分野で飛躍的な進歩を果たすには3つの要素が必要だーーー偉大な頭脳、学術研究への大量の資金投下、学術研究の成果を商用プロダクトに変えるベンチャーキャピタル。

 

ゲノミクスの発展を支えるのは、接続のテクノロジーだ。
人と情報を、そして人同士を結びつける接続のテクノロジーは日々強力かつ安価になっている。
イノベーションの恩恵を最初に受けるのは、ブルーベリーだけを朝食にとるような億万長者にかぎられるとしても、そうしたイノベーションをふつうのことにする社会全体の努力によって、この本を読んでいるみなさんが元気なうちに、おそらく20年後ぐらいには、誰もが恩恵を享受できる日が来る。

 

今後20年で人のゲノムが解読されていくのと同じように、われわれの金もコード化され、1と0に分解され、強力な暗号ツールでくるまれるようになるだろう。

 

信用と市場のコード化で次に大きな飛躍を遂げるのは、いわゆる共有経済(シェアリングエコノミー)だ。
私は共有経済のことを、何からでも市場をつくり出し、誰でもマイクロ起業家(ひとり、ないしは少人数で少ない資金でビジネスを始める人)になれる方法としてとらえている。

 

サイバー攻撃の動機は、政治的信条に基づくものや金儲け、たんに世間を騒がせたい愉快犯などさまざまだが、被害総額は年間4000億ドルにのぼり、この数字は、世界196ヵ国中160ヵ国の国内総生産を超える金額である。

 

10年ほどまえ、サイバーセキュリティ市場はたったの35億ドルだった。
調査報告書によると、2011年のグローバルなサイバーセキュリティ市場は640億ドル、2015年には780億ドルだった。
2017年には1200億ドルに達すると予測されている。

 

増えつづける人口を食べさせていくうえで最大の希望は、ビックデータと農業を組み合わせた精密農業だ。

 

これからの15年間は、ビッグデータの影響がますます大きくなり、社会規範もまた変わるだろう。
今日、スキャンダルとされるものが、いつまでもスキャンダルとして扱われるとはかぎらない。

 

未来の産業を引き寄せ、国や地域の新しいチャンスをつくるのは、その地域固有の専門知識である。
ある産業についての深い知識は、特定の都市や地域に集中する傾向が強い。
デトロイトなら自動車、パリならファッション、シリコンバレーならインターネットといった具合に。
未来の産業の専門知識は、まだあちこちに拡散している状態だ。

 

グローバル経済のなかで前進しているのは、開かれた都市である。
開かれた都市は、世界のあらゆるところから訪れる人々を歓迎し、アイデアや商品の自由な流れを助長する文化によってつながり、住むのにも働くにも魅力的な場所になる。

 

10〜12年ほどまえに中国とインドに現れた起業家や投資家、ビジネスパーソンたちが大きなビジネスを成功させたように、いちばん大きな果実を手にする人は、世界に目をやり、高成長する市場の次の波を察知できる人だ。

 

イノベーションとグローバル化は、72億人の人口の大半にとって、それまでになかった規模の機会をつくり出した。
最近、貧困から抜け出した人の数は、中国だけでアメリカの全人口の2倍いる。
深刻な貧困のなかに生き、食や避難場所や衣服などの基本的欲求を満たすことしか考えられない人の数は、歴史上なかったほどまで下がった。
こうした変化は、われわれビジネスパーソン、政府職員、投資家、親、学生、子どもすべてにとっての新しいチャンスを意味する。
この本が、みなさんのチャンスの実現に役立つことを願ってやまない。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【750-1】話題のスポットに行きエネルギーを感じる

【750-2】自分の業界の20年後を考えてみる

【750-3】世界中の情報にアクセスできるように英語を習得する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】未来化する社会
【著者名】アレック・ロス
出版社ハーパーコリンズ・ジャパン
【出版日】2016/4/28
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワードグローバル社会考える
【頁 数】408ページ
【目 次】
1. ロボットがやってくる
2. ゲノムの未来
3. 通貨・市場・信用のコード化
4. コード戦争(ウォー)時代
5. 情報化時代の原材料ーーデータ
6. 未来の市場の地勢

 

この本が、あなたを変える!

未来化する社会
アレック・ロス ハーパーコリンズ・ ジャパン 2016-4-28
売上ランキング(公開時):ー
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

アレック・ロスさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【聴いてね♪】書評ラジオ番組
「米山智裕のBook of the Week」

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る