【うつくしい言葉の裏にある秘話】作家・デュランれい子氏が、6つの「お」のつく言葉の心を生きた、日本人と日本を愛した人々の6つの秘話を、うつくしい日本語と絡ませて語る一冊。あなたは日本を語れますか?
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■書籍情報
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【書籍名】外国語には訳せないうつくしい日本の言葉
【著者名】デュランれい子
【出版社】あさ出版
【出版日】2015/4/22
【推薦度】★★★★★
【対象者】生き方に迷ったときに
【頁 数】231ページ
【目 次】
第一章 日本語にしかない「お」の概念
第二章 おもてなし
第三章 おかげさま
第四章 おてんとさま
第五章 おめでとう
第六章 おつかれさま
第七章 おたがいさま(杉原千畝)
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■本書を読む理由
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・あさ出版担当さまからの献本
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■1分間紹介文
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あなたの好きな日本語はなんですか?
著者は、デュランれい子さん。
博報堂で女性初のコピーライターとして活躍、受賞多数。
76年、スウェーデン人と結婚。スウェーデン、オランダ、ブラジルに住む。77年「英国国際版画ビエンナーレ」で銅賞受賞。ロンドン、パリ、アムステルダムなどで個展、グループ展。その後、欧米のアーティストを日本へ紹介する。現在は日本に拠点を移し、執筆のほか、講師活動で活躍。
本書は、6つの「お」のつく言葉の心を生きた、日本人と日本を愛した人々の6つの秘話をベースに、「日本人であるあなたは日本をどれくらい知っていますか?」と問いかける一冊。
グローバル社会という言葉が日常化して久しいですが、誰かと誰かが出会えば、国籍や人種に関わらず、「自分はこんな人間です」と会話するのは、どんなシチュエーションでも同じです。
しかし、同じ日本人同士であればバックグラウンドは似ているので、日本や日本人について語り合うことはほとんどありません。ですが、バックグラウンドの違うグローバルコミュニケーションの場合は、「自分はこんな人間です」+「日本に生まれこういうバックグラウンド、こういう価値観を持っています」という説明が必要になってきます。
その時に、『あなたは「日本とは」「日本の文化とは」「日本の歴史とは」と問われて、自然体で自分の考えを相手に伝えることができますか?』このことをひしひしと訴えかけてくる。
6つの言葉で考える「日本とは?」
戦後70年を迎える2015年夏。じっくりと生まれた国・日本について考えてみるのも、いいのではないでしょうか。
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■Key Phrase(15の気に入った一文)
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自分の国のよさを知らずに、前には進めない。グローバル化の時代だからこそ、国のアイデンティティーが問われる
●著者が好きな6つの言葉
<おもてなし>
<おかげさま>
<おてんとさま>
<おめでとう>
<おつかれさま>
<おたがいさま>
こういう「六つの言葉」の背景には、「世の中は自分がひとりで生きているのではない。皆に助けられているのだ。皆どころか、太陽にも、神様にも、自然にも、隣人にも助けられて生きているんだ」という感じがすごくある。日本人ならではの人生観、と言えるものだと思う。
「一期一会」という言葉がある。茶道を嗜まない人でも、日本人なら誰でも知っている言葉であろう。「茶道とは<おもてなし>の心」。一杯の茶を差し上げる、それだけのことであり、それを含んだすべてのことでもある。自分を下げ、客には思いつく限りの丁寧さで対応する。茶道をやらなくても、日本人なら誰もが「一期一会」という言葉や意味をなんとなく思い浮かべることができる。これが、日本のすごいところ、日本ならではの心と言えよう。
「和」とは「他人を思いやる」文化で、日本人は他人のために個を滅することをも厭わないという類稀な民族。だから世界の人々が惹かれるのだ。
日本の”チームで助け合う”というコンセプトは、今や世界のアニメ界に広がっている。これこそ、グローバル化時代の精神を先取りしたものと言っていいかもしれない。戦後の松本零士氏らの和の精神が、世界に広がっていったと言えよう。
キリスト教やイスラム教など一神教の国と、八百万の神の国・日本との違いかもしれない。トップに立つひとりだけが偉いのではない。皆が協力するからできるので、自分ひとりの力でできたものではない。そんなことが、この<おかげさま>に含まれているのだ。
(戦後、ウズベキスタンに抑留された日本兵の働きぶりを現地の人たちがみて)
「日本人を見習いなさい。日本は、陰日なたなく働いている。あの人たちは本当に偉い。あなたたちも、ああいう大人になりなさい」
日本語には、「おてんとさまが見ている」という言葉がある。
つまり、よいことも悪いことも見られている、どんなところも手を抜かない仕事をするということだ。
日本には、こういうワンパターンの英会話の教科書に出てくる<おめでとう>ではない場面がたくさんある。それが日本のすごさであろう。
<おめでとう>の数が多いとは「毎日を、暮らしの節をきめ細かく、丁寧に生きる」ということ
「人間は誰でも自分の立場で、ものごとを考える。それは仕方のないことだ。だが一歩離れて、もっと高いところから現実を見たら、世界は変わってくるのかもしれない」
日本では、組織の中で上下関係がいちばん希薄な言葉が、この「おつかれさま」であろう。
<おたがいさま>この言葉は日本語がわからず日本に住み始めた外国人にも、とてもわかりやすいらしい。キリスト教の精神に相通じるものがあるからであろう。
キリスト教徒の基本は「愛」である。「愛」とは他者を世話するとともに、他者からも世話になることという意味が含まれている。
考えてみると、昔の農村社会は<おたがいさま>の精神で何百年も続いてきた。これは世界中どこの国でも同じである。日本の<おたがいさま>の精神がキリスト教と結びつくのは、当然かもしれない。つまりグローバル・コミュニケーションの基本は、この<おたがいさま>にある。
話さなければ、相手の価値観はわからない。英語でなく、カタコトの日本語でもいい。話していくうち、相手の外見は関係なくなってくる。それがグローバル・コミュニケーションではないだろうか?そのための英語ではなかろうか?
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■Take Action(実践ポイント)
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【576-3】自分が住む街の歴史を学ぶ
【576-2】第2次大戦前後からの歴史を学ぶ
【576-1】日本について考える
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■今回のまとめ
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うつくしい言葉は、数多の歴史の上につむぎ出された!!
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■編集後記
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本日もここまでお読み頂きありがとうございました。
梅雨明けて夏本番ですね(*^^*)
暑くてかったるいですが(^^;
2015年夏も思いっきり楽しみましょう!!
以上、本日も本との出会いに感謝し、編集後記とします。
次回もよろしくお願いします!
読書習慣の専門家
米山智裕
感謝!
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■今回紹介した本
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デュランれい子さん、心に響く一冊をありがとうございます\(^0^)/
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■読了までの時間
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01時間00分。
通勤時間にじっくりと。
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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