【書評:2216冊目】本当の自由を手に入れるお金の減らし方(上野泰也)

【何のためにお金を貯めるのか】
エコノミスト・上野泰也氏が、『本当の自由を手に入れるお金の減らし方』と題して、貯めること自体を目的化してしまう危険性を説きながら、お金に縛られないための「お金の本質」を指南する一冊。

■書籍の紹介文

お金の減らし方。
この視点で、お金について考えたことがありますか?

 

本書は、お金を求めれば求めるほど、お金に縛られ幸福を見失ってしまうと提起し、お金に縛られない人生を生きるために知っておきたい「お金の本質」を指南する一冊。

 

生きるためにはお金が必要です。
可能な限り、多くのお金を貯えておきたいと思うのも自然なことです。

 

けれども、お金を求め過ぎるほどに幸福は離れていってしまうと著者は指摘します。
そして、貯えたお金で得られるのは”安心”であり、”幸福”はまったく別のところにあると語りかけます。

 

お金は必要だけれど、お金だけを見ていても幸福になれない。
では、お金とどう向き合えば幸福になれるのか。

 

この点を、エコノミストの視点から指南していくのが本書。
父と娘の食卓での会話シーンという設定で、硬い話になりがちな「お金の本質」を柔らかく伝えてくれるのが特徴の一冊です。

 

お金を貯めること自体を目的化してしまうと、お金に振り回された人生を送ってしまうことになる。
そうならないためには、「どう使うか(=どう減らすか)」を明確にすることが重要である。

 

この伝えたいメッセージは、正直、お金に関する本ではありきたりではあります。
ですが、「どう使うか」がいかに自分と経済、自分と社会と密接に結びついているかという、エコノミストらしい視点からの言及は一読の価値があるとおもいます。

 

お金について考えるときの視野を広げてくれる。
そんな書籍です。

 

◆「お金」と「幸福」は別である。

本当の自由を手に入れるお金の減らし方
上野泰也 SBクリエイティブ 2026-1-22
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

まずは「数字そのものには意味がない」と理解すること。
そして「必要以上に貯め込むことが幸せにつながるわけではない」と気づくことだ。

 

人間は感情の生き物だから、ワクワクや納得、誰かと分かち合う喜びで心が豊かになる。
でもお金はそこに感情を足してはくれない。
だから「お金には感情がない」と心に刻んでおくと、過剰に神様のように崇めなくてすむ。

 

●お金の4つの本質
本質1:お金は「信用」の表れにすぎない
本質2:お金は必要なものを流す「血液」にすぎない
本質3:お金は統一の「ものさし」にすぎない
本質4:お金は価値を保存する「貯蔵庫」にすぎない

 

経済は、信用という見えない炎で回っている。
数字の裏側には、見えないけれど確かな”人と人の約束”がある。
台所の火加減のように、その約束を静かに守り、整え、次へと渡していく。
それができる限り、紙切れはお金でいられるし、人の暮らしは明日へと続いていくんだ。

 

金利があるからこそ家を買え、車を買え、進学や医療にもお金を回せる。
つまり金利は「生活を先取りする力」なんだ。
そして企業にとっては「未来への投資を後押しする力」になる。
金利は社会全体を豊かにするエンジンなんだよ。

 

信用というのは、裏付けや担保があって初めて成り立つものなんだ。
預金残高や資産、過去の取引実績など、根拠があるから「この人なら大丈夫」と判断される。
つまり信用とは「条件つきので信じること」なんだ。

 

欲しいものが欲しいときに欲しい人の前に届く。
当たり前に見えるけど、これが経済の基本だ。
お金は、その「届く仕組み」を支える道具なんだ。

 

血液が全身を巡って体を生かすように、お金も循環して社会と世界を生かす。
循環している証拠は身の回りにいくらでもある。
レシートの数字、通帳の入出金、スーパーの混雑、商店街のお祭り、病院や年金、世界のイベント。
どれもお金の流れが止まっていないことを示しているんだ。

 

利上げで借りるコストが上がると「あとにしよう(需要の先送り)」、利下げで下がると「今にしよう(需要の前倒し)」と、出番が入れ替わる。

 

数字を増やすこと自体に価値はない。
幸せは「使い方」にあるんだ。

 

数字に表れた「他人の価値」に自分を合わせるんじゃなくて、自分の感じる価値を大切にすることだ。
値段とは「他人の意見」にすぎないからね。

 

大事なのは「全部手に入れることはできない」という現実を理解して、自分で納得できる選択をすることだ。

 

貯めること自体が目的化すると、拝金主義に陥る危険がある。
お金を神様のように崇めて、使うことを忘れてしまう。
保存は準備であって、ゴールではない。
次に「どう使うか」を考えるからこそ意味がある。

 

一般的なリスクの低い順序は「現金→預金→国債→社債→投資信託」だ。

 

お金は信用の上に動く道具だ。
数字が増えれば安心は増す。
しかし、安心と幸福は違う。
安心は「リスクの影を薄めること」。
幸福は「価値の光を強くすること」。
安心だけでは心は満たされないし、幸福だけでも土台が弱ければ揺らぐ。
だからこそ、安心のための準備と、幸福のための創出、両方を見据える視点がいる。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2216-1】お金の使い道を考えるときは、「どう使うか」「どう生きるか」と結びつけて考える

【2216-2】「他人が決めた価値」ではなく「自分の感性で決める」ことにこだわる

【2216-3】新規で「使う先」を決めてから貯金する経験をしてみる(使う先は小さくてよい)

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】本当の自由を手に入れるお金の減らし方
【著者名】上野泰也著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2026/1/22
オススメ度★★★☆☆
こんな時にお金と賢く付き合いたいときに
キーワードお金成功法則金融リテラシー
【頁 数】320ページ
【目 次】
序章 「お金の本質」とは何か?
第1章 信用
第2章 血液
第3章 ものさし
第4章 貯蔵庫

 

▼さっそくこの本を読む

本当の自由を手に入れるお金の減らし方
上野泰也 SBクリエイティブ 2026-1-22
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

上野泰也さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る