【書評:732冊目】一生モノの副業(石川和男、千葉善春)

【働きながら教壇に立つという生き方】
会社員として働きながら大学講師として活躍する石川和男氏と千葉善春氏が、一生モノの副業として大学講師になる方法を紹介する一冊。講師の条件は「伝えたい実学がある」。

■この本の紹介文

大学の教壇に立つ。
自分が登壇しているイメージを持てますか?

 

本書は、社会人として働きながら、大学や専門学校などの高等教育機関で講師としてのキャリアを構築する方法を指南する一冊。

 

一般的な副業指南本ではなく、副業に大学講師を薦める特徴的な本です。
キャリアとして大学講師を目指す意義はどこにあるのか。

 

著者は、つぎのようなメリットを挙げています。
・「大学講師」という肩書きが信用に直結する
・新しい顧客をつくれる
・若者のニーズを学べる
・キャリアで社会貢献できる

 

さらに、大学講師になりたい人にとっては、チャンスが到来していると指摘します。
なぜなのでしょうか。

 

それは、大学への社会的要請が「実学」に傾き続けているからです。
すなわち、「勉学」よりも「就職第一主義」が求められているということです。

 

本来、大学はアカデミックな場であり、実学以上に視野や見識の深い人間を形成する場所です。
しかし、求められるのは「就職」なのです。

 

すると、「実学」へのニーズに応えられるのは、ビジネスの最前線で活躍する人材となります。
アカデミックの世界に生きる教授ではないのです。

 

良し悪しの議論は別に、このような社会的流れが起きているのです。
だからこそ、社会人として働きながら、大学講師を務めるというキャリア構築が可能なのです。

 

アナタと大学を繋ぐのは「実学について伝えたいことがある」。
この思いだけです。

 

あなたの中にこの思いがあるのであれば、本書の提言を学びチャレンジしてみてください。
若者が、あなたの登壇を待っています。

 

◆教壇に立つ自分。

■本がわかる!15の要約ポイント

大学で登壇するということは、特定分野のプロフェッショナルである良い仲間と知り合い、ワンランク上の自分へと成長できるチャンスにもなるのです。

 

大学の非常勤講師業は、経済的な面だけを考えれば、ほかに本業をもっている方でなければ、なかなか務まらない仕事であることは確かです。
(略)
大学講師になれば講師料以外の利点がたくさんあります。
社会的信用や本業へのプラス効果といった、本来であればお金を払ってでも獲得したいメリットが数多く得られます。

 

かつて大学は、アカデミックな知識(実務的でない学術的な知識)を提供する場でした。
現実社会からは超越しているものの、人間が生きていくうえでは必要な知恵や知性を与えるのが大学の役割でした。
ただ最近、大学の役割は変わってきています。
自ら変わろうとしたのではなく、変わらざるを得なくなったというほうが正しいかもしれません。
いくら大学がアカデミックな知識を追求しようとしても、お客さまである学生が、そういった実務的ではない知識の習得を求めなくなってきているからです。

 

多くの大学では、資格獲得や実務スキルの習得といった就職に関するサービスの良さを、世間にアピールしようとしています。
就職させる力のある大学には、確実に入学希望者が集まるからです。大学の生き残りの道は、一にも二にも「就職率」なのです。

 

●実務家が大学で登壇する3つのルート
(1)教授や准教授といった専任教員(正規教員)を目指すルート
(2)大学の非常勤講師になるルート
(3)「課外講座」や「公開講座」などの講師になるルート

 

現在の大学非常勤講師の数は、約19万4千人(2014年)。
教授や准教授といった大学の専任教員の数が約18万人ですから、非正規である非常勤講師のほうが、正規教員よりも人数は多いのです。

 

●「大学」非常勤講師ルート実現の近道
①学会に参加して学術論文を書く
②出版などの言論活動で目立つ
③大学内のキーパーソンと関係を構築する
④社会人大学院に入学する

 

「公開講座」とは、在学生以外の一般の人を対象に行う講座のことで、別名「エクステンション講座」ともよばれています。
「開かれた大学の推進」や「地域社会への貢献」といった趣旨から、現在、全国1000を超える大学・短大で実施されており、その数は年間3万講座以上にものぼります。

 

講師を探している場合に真っ先に声をかけてもらえるよう、普段から有力者とのコネクションを築いておくことが大切です。

 

専門学校では、圧倒的に就職する力を鍛えられる講師が求められています。
たとえば、就職活動の実践的なアドバイスができる講師、難関資格に合格させる力のある講師、特定分野の実務経験が豊富な講師などが求められています。

 

「専門学校」非常勤講師の講師採用は公募と紹介が半々くらいです。
ただ紹介を受けた場合のほうが、圧倒的に採用の確率が高くなることは間違いありません。
このルートを目指される方は、紹介のコネクションを地道に開拓していくのが、登壇の実現性を高める最善の方法といえるでしょう。

 

講師としては、ただ知識を正確に伝えるだけでなく、自分の話は聴くに値するということを、学生に感じさせなければならないのです。

 

人気講師とダメ講師の決定的な違いはなんでしょうか?
それは、ひと言でいえば「学生を知ろうとする意識」があるかどうかです。
学生が何に関心をもち、どうすれば耳を傾けるようになるかを熟知している人は、必ず人気講師になります。

 

・講義に関する一般書を読む(月に最低3冊)
・最新の学術論文を読む(月に10本程度)
・新聞、雑誌、ネットなどで気になったニュース、話題、雑学を仕入れ、講義ノートに記入する(週2〜3回)
・学会の研究会や講演会に参加する(月2〜3回)
・同業の講師の講義、セミナー、講演を聴講する(月2〜3回)
・講師仲間と交流し、情報交換を行う(月1回)
良い講義を行うために、講師は常に知識やスキルをブラッシュアップさせなければいけません。
そのための努力を惜しまない人だけが、人気講師になる資格をもてるのです。

 

「自分の持ち物を人に渡すと相手の物になり、自分の手元から無くなる。
しかし、自分の知識を人に教えても無くならない。
自分の知識は減らないまま、相手の知識にもなる。
これが教育だよ」

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【732-1】自分の中で教えたい「実学」があるか棚卸しする

【732-2】実際に講師をしている人に話を聞く

【732-3】常に学ぶ姿勢を失わない

 

■ひと言まとめ

あなたの知識を、社会が待っている!

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】一生モノの副業 この1冊でわかる大学講師のなり方
【著者名】石川和男千葉善春
出版社左右社
【出版日】2016/5/13
オススメ度★★☆☆☆
こんな時に稼ぐ力を身につけたいときに
キーワード副業キャリアアップ働き方
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 一生モノの大学講師
第2章 専門家であれば大学で登壇するチャンスは誰にもある
第3章 これであなたも大学で登壇できる❶ [タイプA]「大学」非常勤講師ルート
第4章 これであなたも大学で登壇できる❷ [タイプB]「正規授業外講座」担当講師ルート
第5章 大学以外の高等教育機関講師の道 [タイプC]「専門学校」非常勤講師ルート
第6章 現代の大学講師に求められる能力

 

この本が、あなたを変える!

 

石川和男さん、千葉善春さん
素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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