【書評:720冊目】そうだ、星を売ろう(永井孝尚)

【改めて「売る」を考える】
マーケティング戦略アドバイザー・永井孝尚氏が、『そうだ、星を売ろう』と題して、売れない時代の生き残り策を小説形式で考察する一冊。舞台は温泉以外に何もないと思考停止した温泉郷!

■書籍の紹介文

モノを売る経験。
あなたは、どれだけ積んでいますか?

 

本書は、ジョン・コッターの「企業変革の8ステップ」を骨格とした小説ストーリーを通じて、苦境からいかに脱し、新しいビジネスモデルをどう創りあげるかを考察する一冊。

 

小説の舞台は、衰退した温泉郷。
「ヒトなし・カネなし・モノなし」の”3なし”状態で苦境に喘いでいます。

 

待っていればお客さんがくる時代は、とうの昔に終わっている。
このままではいけないと、みんなが分かっている。

 

でも、どうすればいいのか分からない。
時間だけが過ぎていき、衰退の一途を辿っていく・・・・。

 

このように、多くの企業、多くの地方都市でみられる、日本の”今”が舞台になっています。
そのため、自分ごとに置き換えて没入しながら読むことができる一冊です。

 

身も蓋もないですが、どうすればいいかはやってみなければ分かりません。
やってみて成功すれば成功事例、やってみて失敗すれば失敗事例、として自分の中に経験が溜まっていくだけです。

 

この経験が溜まることで、法則であったり原理であったりというものが見えてきます。
ここまでくれば、社会の変化に対応して生き残っていけるようになります。

 

ただ、経験を積むには時間がかかります。
また、必要な経験を積めるかどうかは、各々が置かれた環境に左右されてしまうのも事実です。

 

ここで役立つのが、本書のような書籍です。
「売れない時代にどう生き残るか」を考えるのに役立つ”経験”を、効果的に吸収することができます。

 

最新のビジネス理論の要点や著者の専門家としての知見。
これらが、小説ストーリーに乗せることで吸収しやすくなっているからです。

 

「売れない時代」にどうやって生き残るか。
その答えは、あなたの頭の中からしか生み出せません。

 

答えを導き出し、自信を持って挑戦してみる。
前を向くキッカケに適した一冊だとおもいます。

 

◆「そうだ、○○を売ろう!」
あなたなら、○○に何を当てはめますか?

そうだ、星を売ろう
永井孝尚 KADOKAWA 2016-4-14
売上ランキング(公開時):ー
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■【要約】15個の抜粋ポイント

従来は”大衆”としてひとくくりに考えればよかった観光客は、これからは”個”としてとらえる必要があるんです。

 

きなり手段に走らず、先に強みの見極めが必要

 

旅館だけでいくら頑張ってもお客さんは来ない。
その前に、地域が観光地として魅力的でなければいけない。

 

●変革のための8段階のプロセス
①危機意識を高める
②変革推進のための連携チームを築く
③ビジョンと戦略を生み出す
④変革のためのビジョンを周知徹底する
⑤従業員の自発を促す
⑥短期的成果を実現する
⑦成果を活かして、さらなる変革を推進する
⑧新しい方法を企業文化に定着させる

 

すべては想いとビジョンが出発点

 

●失敗から学ぶ3ステップ
STEP①新しいことを試す
STEP②失敗が大きな問題にならないようにする
STEP③失敗を失敗と認める

 

「新しい挑戦にはリスクがつきものだ。何もしない段階でリスクばかり議論して、リスクを避けていたら、新しい挑戦なんてできないし、新しい価値なんて創れない。だから、『やらない』という選択肢は捨てて、まず『やる』と決めることだ。やりながら、リスクを見つけたら即座に考えて対策する。必要な意見も聞く。こうした学びの蓄積が、ライバルが真似できない差別化の源泉になるんだ」

 

お客さんは感動すると、その感動を他人に伝えたくなる。

 

「ははは。『やったことがないから、やらない』という発想じゃ、何も新しいことはできませんよ。それを教えてくれたのはあなたがたです。私にもやらせてください」

 

「なるほどな。『運賃はこれだけだから、利益を乗せてこの金額』とは考えずに、お客さんに提供する価値に見合った料金を付けるってことか。そいつはいい」

 

『やりたいからやる』という人間同士が仕事をするのが最強

 

人は100%合理的ではなくて、自分が知っている狭い範囲でしか合理的に判断できない

 

情熱と学びの愚直な蓄積ですよね。
この蓄積を持たずにその成果だけを真似しても、絶対にうまくいきません

 

消費者は常に変化しているので、先行者が進化し続けている限り、追従する地域は模倣するだけでは追い抜けません。

 

リスクを考えて変わろうとしない自分が、最大の敵

 

■【実践】3個の行動ポイント

【720-1】自分の強みを考えてみる

【720-2】なんでもいいから、新しいことを始めてみる

【720-3】感動したことを書き溜める

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】そうだ、星を売ろう
【著者名】永井孝尚著者情報
出版社KADOKAWA
【出版日】2016/4/14
オススメ度★★★★☆
こんな時にビジネス理論を深めたいときに
キーワードビジネス理論ビジネスモデル小説
【頁 数】270ページ
【目 次】
第1章 温泉郷の強みは、温泉か?
第2章 そうだ、星を売ろう!
第3章 星の村
第4章 星のガイド
第5章 見えない星空
第6章 星のタウンミーティング
第7章 星の絆
第8章 星の特産品
第9章 五平餅協力隊
第10章 星の模倣
エピローグ 成功体験を捨て去る勇気

 

この本が、あなたを変える!

そうだ、星を売ろう
永井孝尚 KADOKAWA 2016-4-14
売上ランキング(公開時):ー
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永井孝尚さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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