【書評:012冊目】奥さまはCEO(鎌田和彦)

【現役経営者による痛快エンタメ小説!】
インテリジェンス創業者・鎌田和彦氏が、『奥さまはCEO』と題して、ベンチャー企業の内情をリアルに書き下ろしたストーリを楽しみながら、経営の本質に触れられる一冊。

■書籍の紹介文

自分の人生を小説にしてみる。
どんなストーリーになるでしょうか?

 

本書は、さまざまな難題に挑む女性CEOと新入社員の奮闘を軸にした、ベンチャー企業の内幕をコミカルに描くストーリーを通して、経営の本質に触れられる一冊。

 

自分がその会社に勤めている感覚になる。
それくらいに、リアルな企業の内実が描き出されています。

 

・雌雄を決する競合との戦い
・人材を引き抜き合戦
・M&A
・IPO
・スキャンダル攻撃

 

実際に、経営者として体験したからこそ書ける細かさで、ITベンチャー業界の内情を知ることができます。
チャレンジを考えている学生や若手に、とくにオススメな内容だとおもいます。

 

「ビジネス書」と「エンタメ小説」。
この2つを見事に融合させた完成度の高さが、夢中に読ませてくれます。

 

日常的な苦悩や葛藤、成長企業に押し寄せる”異常な”問題の数々。
これらを疑似体験することは、自分の会社を見つめる姿勢を変えることになるかもしれません。

 

楽しみながら、成長企業の最前線を疑似体験する。
なかなか無い機会ですので、この機会を逃さないように。

 

◆一気に読んでしまった。

奥さまはCEO
鎌田和彦 牧野出版 2013-3-23
売上ランキング(公開時):ー
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

「ショーキチ!泣ける時は泣けっ!涙は心の汗だっ!」
森田の頬にも一筋の”心の汗”が流れ落ちている。
クサい、クサ過ぎる・・・しょっぱい、しょっぱ過ぎる・・・公園に笑い声とも泣き声ともつかない正治のうめきが低く響いた。

 

ライバル企業イー・コネクションはクラウドをベンチマークとしてさらに高いサラリーを実現していた。
意識的にライバルよりも高い給与を提示することで、より有為な人材の確保を目指す戦略である。

 

「オレも辞めてくヤツらとは必ず話すねんけどな。もうどんなに慰留したかて九十九パーセント辞めよるわけや。退職しようと決めた時にはもう遅いっ。腹が決まった時点でオダブツなんや」

 

「ということはやな〜。腹が決まる前の情報察知が大事っちゅうことや。せやから、相談されそうなヤツから情報を取ったろと思っとるわけ・・・・」

 

「だったら、愚痴を言うな。その愚痴を言ったからって何の解決にもならん」

 

「聡美さんは、私のこと一度も誉めてくれなかったんだよ。いくらどんなに頑張ってもね。だから、もういいやって思ったんだ」

 

M&Aを成長戦略から遠ざける経営スタイルもある。
それがオーガニックグロース(自組織による成長)重視の姿勢だ。
これまで大切に自社組織を育ててきた聡美は外の血が混じることそのものを嫌っている。
買収で売上が増えたとしても、聡美にとってそれは水ぶくれにしか見えない。
筋肉質の強靭な組織であり続けるためにはオーガニックグロースが一番だというのが聡美の信念なのだ。

 

「デューディリ(デューディリジェンス=企業価値の適正評価)の最終工程を決定する前に、ここまでで懸念される点がないかもう一度洗っておこう。その後、会計の方はどうだ?」

 

「じゃあ、利用価値がなくなったら、番場さんは終わりですか?」
「あたりまえじゃない、そんなの。アンタだって利用価値がなくなれば一緒だよ。だけど、きっと番場さんは必死になって自分のバリューを上げていくと思うよ。結果として、番場さんはウチの中で実力を発揮していくと思うね。」

 

「もっというとさ。身勝手に思えるほど目的に向かっているヤツだけが本気なんだよ。周りに気を遣いながらウジウジやってるヤツは結局真剣じゃないってことよ」

 

「だからさ、いつも言ってんじゃん。プロフェッショナルっていうのは相手に答えを求めないのっ。自分で答えを出すからプロでしょ!エグゼクティブ・セクレタリのプロとして、一時間休憩取るべきだと思ったら、私に訊くまでもなく、取っておくべきなのよ!ったく、あなたの意志で動いてよ」

 

「僕、思うんですけど、こういうのって答えがないですよね。何が正しいかとか、何が間違っているとかそういう問題じゃないもんね」

 

「そう。他人と自分を比べるから、悔しいとか面白くないとか、そういう発想が出てくるわけだよね。もし、比べるのをやめられたら、こんなにいいことはないよ。もしかしたら、鴨志田クンはその域に達しているのかもよ」

 

ビジネスは充実を極めているのに、このすさまじい空疎な感覚は一体なんなのか?誰もいない無機質な部屋に帰りたくない。
かといって、ただ誰かを呼びつけるわけにもいかない。
仕方なくこうして、行きつけにしたいわけでもないバーに足を向けてしまう。

 

「えらいねえ。えらいねえ、ショーキチ。そうしよう、それでいいよ。私が家事をやってショーキチが稼ぐんでしょ?起業でもなんでもしてさっ!全然それでオッケー。但し、それがうまくできるまでは逆ってことにしとこ」

 

■【実践】3個の行動ポイント

【012-1】他人と比べない

【012-2】同じ方向を向いているようで、人それぞれ胸の内は異なることを意識する

【012-3】解決しない愚痴は言わない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】奥さまはCEO
【著者名】鎌田和彦著者情報
出版社牧野出版
【出版日】2013/3/23
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードビジネス理論組織改革キャリアアップ
【頁 数】319ページ
【目 次】
第1章 クラウド・システムズへようこそ!
第2章 総務室は戦略的?
第3章 エンジニアは置きグリコが好き
第4章 もつ焼きミスマッチ
第5章 人材争奪戦は容赦無用
第6章 M&Aなら死馬でも買え
第7章 株主はいつもお気楽
第8章 掲示板スキャンダル
第9章 事業失敗の美学
第10章 CEOは奥さまになる?

 

この本が、あなたを変える!

奥さまはCEO
鎌田和彦 牧野出版 2013-3-23
売上ランキング(公開時):ー
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

鎌田和彦さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【聴いてね♪】書評ラジオ番組
「米山智裕のBook of the Week」

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る