【シェア読書:798冊目】世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学(小川仁志)

【日本哲学の底知れぬパワー】哲学者・小川仁志氏が、日本哲学がグローバル時代を勝ち抜くための武器であると説く教養的な哲学本。世界のエリートでは今、日本の思想・哲学を学ぶ人が急増している理由がわかる。

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1分間紹介文
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あなたの思想がどのように形成されたのか?
自分の精神の成り立ちに興味を持ったときに、おもしろい本。

 

著者は、小川仁志さん。
哲学者。山口大学国際総合科学部准教授。
商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。
専門は公共哲学・政治哲学。
最近は主に海外で日本哲学の研究発表を行っている。

 

本書は、「日本哲学こそが、グローバル時代を勝ち抜くための武器となる」と説き、今こそ日本人であるアナタに日本哲学と思想を身につけてほしいとまとめた教養的な哲学本

 

スティーブ・ジョブズが「禅」を取り入れていたのは有名な話です。
さらに最近では、GoogleやFacebookも研修で取り入れて話題になっています。

 

このように、グローバルエリートが次々に日本哲学・日本思想に目を向けているのに、翻って、わたしやあなたはどうだろうか。
この日本という国がどのような思想の上に成り立ってきたのか、きちんと説明できる自信がありますか?と問うているように感じる。

 

わたしとあなたが今生きている日本。
それがどのように出来上がったのか、それを考える入り口として最適な一冊。

B798

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本がわかる!15の要約ポイント
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神道に大きな転機が訪れるのは神武天皇の頃です。
天皇は神の子孫であるという神話イデオロギーが成立したため、神道は仏教と共に国家を支える思想として重んじられるようになります。
この神話イデオロギーが俗に「記紀神話」と呼ばれるものです。
具体的には、『古事記』と『日本書紀』という8世紀初めに著された日本初の歴史書のことです。

 

仏教は宗教としてよりも、むしろ慣習のような形で日本人の思想の根底に横たわっているといっていいでしょう。

 

国学は日本固有の思想だといえます。
(略)
つまり国学者たちは、仏教や儒教の影響を受ける以前の日本固有の精神を探求しようとしたのです。
またその際、仏教や儒教への批判だけでなく、神とは何かということについて無自覚な既存の神道を批判し、神に歴史性を与えることが試みられました。
いわば神を再定義しようとしたのです。

 

今なお日本人が、「する」ことよりも「である」、あるいは自然に「なる」ことをよしとして生きているからにほかなりません。

 

結ぶというのは、様々な力をつなぎ合わせることであり、それによって力が生じるのです。
異なる力を持つものを結び合わせることで、新たな力を生み出す。
そんな強靭な思想だということができます。

 

自己愛に基づく病的な甘えと、互いに信頼し合うという意味での健康な甘えを区別し、健康な甘えはむしろ社会に必要だと主張しました。
つまり、互いに信頼することで他者に頼れる社会のほうがいいということです。
本来、日本社会というのはそうした相互信頼によって成り立ってきたのです。

 

『古事記』は、
天皇による地上支配の正統性を確立するために、世界の始まりにまでさかのぼる物語を記したものだということがわかります。

 

『日本書紀』のほうは、
当時の東アジアで広く通用していた漢文で書かれ、「日本」という表現が用いられていることから明らかなように、対外的に「日本」と天皇の支配を示すための歴史書であったと考えられます。
(略)
いつの時代も歴史は権力者の物語であって、historyはhis storyだというのは普遍的な事実です。
自国の歴史書に向き合う際も、そうした客観的な視点を忘れてはいけません。

 

新渡戸は、武士道を日本独自の思想として紹介するために、あえてそのまま”Bushido”というオリジナルの語を用いたといっていますが、皮肉にも新渡戸の武士道そのものが、「武士道」ではなく、それとは別の西洋の視点で描かれた”Bushido”にほかならなかったのです。

 

空海は社会事業にも熱心で、庶民教育の場として、日本で最初の私立大学といわれる綜芸種智院の設立にも尽力しています。
自らも書道や詩文に秀でており、三筆の一人とも称されています。
著者は『十住心論』『三教指帰』など。

 

世阿弥が著した能の奥義書『風姿花伝』は、稽古の要諦を説くものですが、思想書としても高い評価を受けています。

 

(吉田松陰)その思想は「一君万民論」の名の通り、天下万民の主君である天皇のもとに結集し、誠をもって忠を尽くそうと呼びかけるものです。
そのために、在野の人たちが一斉に立ち上がり、大きなことを成し遂げるという草莽崛起の概念を唱えました。
著書に『幽因録』『講孟余話』など。

 

日本では、仏教が輸入されて以来、神道との共存が模索されてきました。
そして中世になると、ついに両者は神仏習合、つまり一体のものとして理解されるようになります。
これがいわゆる本地垂迹思想です。

 

禅宗の一派である曹洞宗の開祖、道元は、ひたすら坐禅に打ち込むことを唱えました。
これが只管打坐です。
(略)
只管打坐によって、身体も精神も一切の執着を離れ、悟りの境地に入ることができると主張します。
無我の境地に入ると、人間の本性である仏性が実現され、心の安寧を得ることができるからです。
この無我の境地こそが心身脱落と呼ばれる状態です。

 

日本人がグローバル社会で生き残っていくためには、西洋人の思考法をよく理解したうえで、時には自らもその思考にならいつつ、しかるべきときには日本哲学の思考の独自性を発揮して、他の国の人たちとは違う選択をする必要があります。

 

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これをやろう!3つの実践ポイント
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【798-1】古事記を読む

【798-2】日本書紀を読む

【798-3】日本の歴史を勉強する

 

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今回のまとめ
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自分の精神の源を探求しよう!

 

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本日紹介した書籍情報
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【書籍名】世界のエリートが学んでいる教養としての日本哲学
【著者名】小川仁志
【出版社】PHP研究所
【出版日】2016/2/19
オススメ度★★★★★
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】哲学教養生き方
【頁 数】199ページ
【目 次】
第1章 日本哲学の歴史
第2章 日本哲学の思考法
第3章 日本哲学の名著
第4章 日本哲学の必須人物
第5章 日本哲学の必須用語

 

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小川仁志さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

本日もお読みいただきありがとうございました!

 

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